モノクロ対応のA4レーザー/LED複合機については、メーカーの数がカラー対応モデルに比べて少ないものの、製品数そのものは意外に多い。カラー印刷は別のプリンタに任せているため不要というケースのほか、FAX受信にウェイトを置くのであれば、無理にカラーを選ばなくともモノクロで十分だからだ。
キヤノン「Satera MF6880dw」は、先ほど紹介したカラー対応のMF8570Cdwをモノクロに特化させたような仕様で、基本的なスペックはよく似ているが、印刷速度はさすがモノクロ専用機だけあって33枚/分と高速だ。TEC値はMF8570Cdwの0.81kWh(キロワットアワー)に比べて1.4kWh、ランニングコストはMF8570Cdwの約3.1円に比べて約3.8円と、それぞれわずかに高いのは気になるが、標準カセットの給紙容量が500枚と多いので、モノクロの大量印刷に向く。
その下位モデルに当たるのが「Satera MF229dw」だ。こちらは印刷速度が27枚/分、標準カセットは給紙容量が250枚と、MF6880dwに比べると控えめだが、TEC値は0.9kWh、ランニングコストは約3.3円と、細かいスペックだけ見ていくと、こちらのほうが優秀な項目も多い。カセットのサイズが違うことから、本体サイズもこちらのほうがコンパクトなので、価格など総合的に考えてこちらを選ぶのもありだろう。
ほぼ同じスペックで無線LANを省略した「Satera MF226dn」もあるが、こちらはADFが片面読み取りのみ、セット可能枚数が35枚と少なめなので注意したい。このほかFAX機能を省いた「Satera MF224dw」や「Satera MF222dw」もある。
ブラザーの「JUSTIO MFC-8520DN」は、ボディデザインこそまったく異なるものの、スペック的にはカラー対応のMFC-L8650CDWとよく似た製品で、印刷速度が36枚/分と飛び抜けて速いほか、ランニングコストも2.0円と安価だ。給紙容量もオプションを使えば800枚まで増やすことができ、さらに耐久性も30万枚または5年と余裕があるので、キヤノンのMF6880dwと同様、モノクロの大量印刷に向いた製品ということになるだろう。
その下位モデルとなる「JUSTIO MFC-L2740DW」は、印刷速度が30枚/分、ランニングコストは3.0円、給紙枚数は標準カセット250枚固定と、スペックはJUSTIO MFC-8520DNに比べてそれぞれ低めだが、機能が大きく欠けているといったこともなく、価格も含めてバランスの取れた製品だ。
このほか共通のボディデザインで、FAX機能そのものを省いた「JUSTIO DCP-L2540DW」、有線LANを省略した「JUSTIO MFC-L2720DN」、さらに受話器を備えた「JUSTIO FAX-L2700DN」もあり、目的に合わせてチョイスできるが、これらの3製品はADFが片面読み取りのみ対応となるので注意したい。
以上、上位のモデルを除けば、価格もほとんどの製品が実売5万円以下で入手できるので、お買い得感は高い。ただし、TEC値やランニングコストなど、同一メーカーのカラー複合機と比べて必ずしも有利ではないこともしばしばなので、そこは気をつけたほうがよいだろう。
ちなみに今回は省いているが、ネットワーク接続機能を省き、インタフェースはUSB接続のみというモデルもあるので、ほぼ個人レベルで業務を行っている場合はそうした選択肢もある。
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