ココが「○」 |
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・Quadro K2100を搭載し、CADツールのISV認証を取得 |
・高品質なノングレア15.6型液晶ディスプレイを搭載 |
・約1.96キロ、厚さ約19.9ミリのスリムボディ |
ココが「×」 |
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・一般的なノートPCに比べて価格が高価 |
・ゲーミング風のデザインは好みが分かれる |
サイコムが販売するMSIの「WS60」は、15.6型ワイドサイズの液晶ディスプレイを搭載したモバイルワークステーションだ。約1.96キログラム、19.9ミリのスリムなボディに、IntelのクアッドコアCPUとNVIDIA Quadro K2100を搭載し、有名CADツールのISV認証も取得している本格的なワークステーションとなっている。
サイコムの直販サイトでは、液晶ディスプレイの解像度などスペックが異なる2種類のモデルを用意しているが、今回はエントリーモデルの「WS60 2OJ-018JP」を評価機として入手した。使い勝手と性能を検証しよう。
ボディのサイズは、390(幅)×266(奥行き)×19.9(高さ)ミリ、重量は約1.96キロだ。15.6型と大きな画面を搭載するだけにフットプリントは大きく、逆に薄さが際立っており、画板のような印象を受ける。
似たサイズ感のモデルとしては、アップルのMacBook Pro Retinaディスプレイモデル(358.9×247.1×18ミリ、約2.04キロ)がある。もっとも、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルは、ワークステーショングレードのGPUを搭載していないため、競合する製品というわけではない。
デルのPrecision M3800(約1.8キロ、GPUはワンランク下のQuadro K1100)が近いが、いずれにしても、高性能と薄型軽量を究極レベルで両立している貴重な製品であることは疑いがない。
バッテリー容量は48,4ワットアワーで、公称駆動時間は公開されていない。ACアダプターは出力が150ワットあるため、80(幅)×167(奥行き)×26(高さ)とそれなりの大きさだが、本体同様にスリムなフォルムのためあまりかさばらず、室内で移動して別の部屋で使うといった程度であれば十分現実的だろう。
基本スペックの高さは特筆できる。CPUには、IntelのCore i7-4720HQを採用している。クアッドCPUコアを内蔵し、Hyper-Threadingで8スレッド同時処理が可能で、標準2.5GHz、最大3.5GHzと動作周波数も高速だ。ゲームはもちろん、クリエイティブ、マルチメディア、オフィスなど幅広い用途に対応できる処理性能を備える。
グラフィックス機能は、NVIDIAのQuadro K2100(2Gバイト)とCPU内蔵のIntel HD Graphics 4600とのハイブリッドグラフィックスを採用する。NVIDIAのQuadroは、プロフェッショナル向けグラフィックス/開発ツールをターゲットに、ドライバの最適化、描画の再現性、動作検証を行なっており、工業デザイン、映像制作などの分野において数多くのISV(Independent Software Vendor)認証を受けている。
このWS60は、製品レベルでも3次元CADツール「SolidWorks」、およびオートデスクが開発する汎用CADツール「AUTOCAD」の推奨認定を受けている。これらのツールが安定して快適に利用できる環境を提供する。
なお、QuadroとIntel HD Graphics 4600は、NVIDIA Optimus Technologyにより、アプリケーションごとに切り替えられる。CADツール、3DゲームなどではQuadro K2100が、Webブラウズや動画再生などではIntel HD Graphics 4600が使われ、性能と消費電力を最適に保つ。GPUの使い分けの判断は自動的に行なわれるが、一部をのぞきNVIDIAコントロールパネルで手動で設定することも可能だ。
メモリは標準で8Gバイトだが、現在初回20台まで16Gバイトへのアップグレードキャンペーンを実施中だ。
ストレージは128GバイトのM.2 SSDと、1Tバイトの2.5インチHDD両方を搭載するデュアルストレージ構成となっている。パフォーマンス志向のモバイルワークステーションとしては、当然ストレージはSSDを利用したいところだが、扱うデータ自体も大きいだけにある程度容量も必要だろう。
SSDだけで大容量を搭載してはコストがかさむため、OSドライブ用の小容量のSSDにデータ格納用の大容量HDDを加えたデュアルストレージとすることで、コストと容量のバランスをうまくとった構成といえる。なお、評価機に搭載されていたSSDの型番は「TOSHIBA THNSNJ128G8NU」だった。
通信機能は、1000BASE-T対応の有線LANと、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応の無線LAN、Bluetooth v4.0+LEを標準で装備する。
本体装備の端子類も充実している。映像出力としてHDMIとThunderbolt2(MiniDisplayPort兼用)を搭載するほか、USB 3.0を3ポート装備。さらに、SDメモリーカードスロット(SDXC対応)、有線LAN、ヘッドフォン、マイクも備えている。液晶上部にはWebカメラ(1080p)も内蔵する。
15.6型ワイドサイズの液晶ディスプレイは、1920×1080ドット(フルHD)表示に対応する。液晶の配向技術は明記されていないが、水平垂直ともに178度という広視野角をうたっており、IPS系統の技術が採用されていると思われる。表面は非光沢のノングレア仕上げのため照明などは映りこみにくく、それでいて発色も良好で、写真なども美しく表示できる。
i1 Display Proで測定した液晶ディスプレイのデータを見ると、輝度は352カンデラ/平方メートル、色域はsRGBをほぼ完璧にカバーしている。キャリブレーション補正カーブを見ても大きな補正はされておらず、素直な色味であることがわかる。クリエイティヴ、エンジニアリング業務での利用に耐えうる品質のディスプレイといえるだろう。
キーボードは、ゲーミングギアで定評のある「steelseries」ブランドのキーボードを搭載している。6列のアイソレーションタイプで、テンキーを搭載している。配列は比較的素直で、キーピッチは18.5×18.5ミリを確保している。
ただ、カーソルキーが基本キーと同列、しかもテンキーにまたがるように配置されており、カーソルキーについては、慣れるまではミスタイプしやすいかもしれない。キートップのプリントも独特のフォントが使われており、見た目に落ち着きに欠ける印象がある。
キートップは平面で指を置きやすいくぼみなどはつけられてはいないが、スイッチの感触は反発の抑えられた良好なもので、強めにタイプしてもたわむような感触もなく、タッチ感自体に不満はない。
キーボード手前には大きめ(105×70ミリ)のタッチパッドがある。パッド自体が沈んでクリックボタンを兼ねるクリックパッドタイプだが、こちらの操作感も悪くない。
キーボード奥にはデンマークのオーディオブランド「DYNAAUDIO」とコラボレーションしたステレオスピーカーを搭載する。音響技術ソフトウェアには「SoundBlaster Cinema2」を導入している。音楽、映画、ゲームなどコンテンツ向けのプリセットが用意されており、最適な音響効果を適用したサウンドが簡単に楽しめる。
部屋全体に響き渡るというサウンドではないものの、ノートPCとしては低音もしっかりしており、机に向かっている1人だけであれば、エンターテイメントコンテンツを良い音で楽しむことができる。
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