前編では、AMDのモバイル向けGPU「Radeon R9 M370X」(2GバイトGDDR5メモリ)を搭載した15インチMacBook Pro(MJLT2J/A)で、CINEBENCHやGeekbench、Disk Speed Testを実行し、OS X Yosemite環境下での性能を見てきた。
続く後編では、同15インチMacBook ProにWindows 8.1をインストールし、各種ベンチマークテストでWindows環境下の性能を明らかにしていく。なお、前回同様、比較対象として、外部GPUを搭載しない13インチMacBook Pro(MF839J/A)を並べている。
評価機の主なスペックは以下に掲載した通り。比較で挙げた13インチモデルに搭載されるCPUは、処理できるスレッド数やキャッシュ容量が15インチモデルの半分で、かつグラフィックス機能がCPU統合型のIris graphics 6100とかなり差がある。もっとも、15インチMacBook Proの上位モデル(MJLT2J/A)とは大きな価格差があるのも事実だ。
クリエイター向けノートとして何よりもパワーを重視するなら現行のノート型Macで唯一外部GPUを搭載したMJLT2J/Aが最有力候補になるが、コストパフォーマンスを気にする方もいるはず。それでは早速結果を見ていこう。
比較した機種 | ||
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製品名 | 15インチMacBook Pro Retina(MJLT2J/A) | 13インチMacBook Pro Retina(MF839J/A) |
CPU | Core i7-4870HQ | Core i5-5257U |
コア数 | 4 | 2 |
スレッド数 | 8 | 4 |
キャッシュ容量 | 6MB | 3MB |
定格クロック | 2.5GHz | 2.7GHz |
最大クロック | 3.7GHz | 3.1GHz |
TDP | 47ワット | 28ワット |
プロセスルール | 22ナノメートル | 14ナノメートル |
グラフィックス | Iris Pro graphics 5200/Radeon R9 M370X | Iris graphics 6100 |
価格(税別) | 28万2800円 | 14万8800円 |
まずCINEBENCH R11.5では、CPUスコアが6.45(pts)と、13インチモデルに対して約1.8倍の値となった。CINEBENCH R15も同様の傾向を示し、CPUスコアは595(cb)と約1.9倍の性能を示している。クアッドコアかつHyper-Threadingに対応し、8スレッドを同時処理できるCore i7-4870HQのパフォーマンスを見せつける結果だ。クリエイティブワークでマルチスレッド動作に対応したアプリケーションを使う際に真価を発揮するだろう。
PCの性能を総合的に測るPCMark 7は、総合スコアで逆転が起きている。これはComputation(ビデオトランスコートテスト)で低い値が出てしまっているためで、個別のテスト結果を見ると全般的に15インチモデルのほうが高い傾向にはある。とはいえ、やや古いPCMark 7の内容ではクアッドコアのCPU性能をフルに発揮できるテストが少ないためそれほど大きな差はない。一方、PCMark 8はHomeで3694、Creativeで4639と、13インチモデルに対してそれぞれ121%、111%の伸びとなった。13インチモデルとの価格差を考えるともう少し高いスコアを望みたいところだが、メインマシンとして十分良好な結果といえる。
ストレージ性能もチェックしよう。OS XのDisk Speed Testで驚異的な数値をマークした15インチMacBook ProのSSDは、CrystalDiskMark(4.0.3)でも高いスコアをたたき出し、高速なSSDを搭載する13インチMacBook Proをさらに上回った。
また、OS X環境下と同様にライト速度で大きな差をつけている。なお、前バージョンのCrystalDiskMark 3.03でも実行したところ、シーケンシャルリードが1424Mバイト/秒、シーケンシャルライトが1579Mバイト/秒となった。これは“爆速SSD”を搭載する「VAIO Z Canvas」にも迫るスコアだ。
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