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まさにモンスター級の“全部入り”無線LANルータ「WXR-2533DHP」徹底レビューフラッグシップの実力を検証(3/3 ページ)

» 2015年07月22日 16時27分 公開
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WXR-2533DHPの便利機能

 WXR-2533DHPは単に802.11acやマルチアンテナといった、通信規格に基づく機能のほかにも、いくつかの便利な機能が搭載されている。

・簡単接続設定

 ボタン1つで設定できるWPS/AOSSに対応しているほか、iOS/Android用にはセットアップカードに記載されたQRコードを読み取るだけで設定が完了するQRsetupアプリが提供されている。

QRsetupはiOS/Android用アプリ(画面=左)。セットアップカードのQRコードをカメラで読み取ると(画面=中央)、SSID、セキュリティキーが登録される

StationRadarはWXR-2533DHPをはじめとするエアステーションの設定を行うスマホアプリ(画面=左)。起動すると自動的にエアーステーションを検索(画面=中央)。タップするとブラウザから設定画面が開く(画面=右)

・中継機能

 2台のWXR-2533DHPを使用して中継することができる。WXR-2533DHP間の通信は802.11acの性能をフルに生かした4×4での通信が可能で、最大実測で1258Mbps(AP間4.5メートルの場合)で中継される。

中継機側からアクセスポイントを選択

スマートフォンから確認したところ。「Buffalo-A-0F10」が2つ見える

・NAS機能

 WXR-2533DHPの側面にはUSB 3.0ポートが2つある。これはUSB接続したストレージをNASとしてネットワーク内で共有するためのポートだ。アクセス制御設定はやや分かりにくいが、できることは次の3つ。

  1. 誰でも読み取り/書き込みができる
  2. 誰でも読み取りだけできる
  3. ゲストを含む登録ユーザーごとに読み取り/書き込みか、読み取りのみを設定する

 まず、機能全体の設定として「アクセス制限なし(読取/書込可能)」「アクセス制限なし(読取専用)」「アクセス制限あり」の3つから選択する。「アクセス制限なし」を選択した場合はWXR-2533DHPにアクセスできる全ユーザーに対して認証不要で共有される。「アクセス制限あり」を選択すると、ユーザ個別に読取/書込可能、読取専用、アクセス不可を設定することができる。

NAS機能は管理画面の「アプリケーション>ディスク管理」で設定する。共有プロトコルはSMBのみ

エアステーション名がネットワークに現れるコンピュータ名となる

共有フォルダー設定はやや分かりづらいかもしれない。ユーザー管理が必要になるのは「アクセス制御あり」のときのみ

・ゲストポート

 子どもの友だちが携帯ゲーム機を持ってきたり、終電を逃した編集者がライターの自宅から記事を送信する場合など、自宅の訪問者が無線LANを使用するケースも最近は多くなってきた。だが、そうしたときに家庭内LANに参加させることに不安を感じることもあるだろう。そんなときにはゲストポートを使ってもらうとよい。

 ゲストポートに接続した機器はインターネット接続のみが可能で、自宅内のほかのネットワークには接続できない。そのため、DNSサーバをLAN上のものにしていると名前解決が失敗する。ゲストポートを使用する予定があるなら、外部のDNSサーバを設定しておこう。

 また、ホテルなどでよくあるゲスト認証を行う機能もある。これを使うと無線LANに接続後、Webブラウジングを行うと強制的に認証用ページにリダイレクトされ、そこで認証を行うと初めてインターネットに出て行くことができるようになる。

管理画面から認証ユーザーを登録

ゲスト認証が有効化されているゲストポートに接続したところ。セキュリティー証明書はローカル発行のため警告が出る(画面=左)。ユーザー名とパスワードを入力してログイン(画面=中央)。認証が完了するとインターネットアクセスが可能になる(画面=右)

導入後も価値が上がり続けるフラッグシップ機

 802.11acは現在の無線LANを取り巻く状況に非常によくマッチした規格だ。増え続けるガジェット、あらゆるところで、さまざまな体勢で利用されるスマートフォン、携帯通信網の高速化と通信量制限など、無線LANに対するニーズの変化、要求レベルの向上に数年後まで十分視野に入れた上で策定された内容と言える。

 そして、その802.11acをサポートしているだけでなく、4×4のアンテナ、1.4GHzデュアルコアCPUを搭載したWXR-2533DHPは名実ともに現時点でのフラッグシップ機だ。無線LANの場合、親機と子機、両方が対応していなければ使えない高速化技術が多数ある。802.11a/b/n/acといった規格そのものから、MIMO、MU-MIMO、ビームフォーミングなどのオプション機能などだ。また、無線LANが広く普及した現在となっては子機として無線アダプタを購入するケースは少なく、機器内蔵のものを使用することがほとんどだろう。

 そのため、スマートフォンやタブレット、ノートPCを買い替えた時点で、子機の対応機能が親機を追い越してしまうことは多々ある。

 現在、802.11ac対応機を手元に持っている人――特に複数アンテナを内蔵してMIMOに対応した機種や、iPhone 6などのビームフォーミング対応機などを持っている人は、その性能を十分に活用するためにもWXR-2533DHPのような親機を導入したい。今後、子機側の機能対応も進んでいくはずだ。スマートフォンの場合、2〜4年で買い替えるという人が多いが、そのタイミングで毎回親機もリプレースするのは難しいだろう。

 リーズナブルな価格に下がったころに親機を替えて先行した子機側の仕様に追いつくというのもよいが、いち早く親機を最新規格に対応させ、今後追加する子機をフルスペックで利用できるような環境を整えておくのも1つの手だ。

 その場合、802.11b/gもまだ現役であることや今後追加される子機の仕様が未知であることを考えると、2.4GHz帯にも対応している「全部入り」の本機は有力な選択肢の1つとなる。決して安価な製品ではないが、このモンスターマシンは現時点でトップを走るだけでなく、長きに渡って現役を続けられる製品である、ということも考慮して検討したい。

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