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» 2015年09月22日 23時00分 公開

「iPhone 6s」が生み出す新たな潮流――林信行が1週間使って見えたものカタチは同じでも“s”シリーズ史上最大の跳躍(3/5 ページ)

[文:林信行、撮影協力:高野晃輔,ITmedia]

iPhone 6sシリーズでカメラ機能が飛躍的に進化

 iPhone 6sシリーズで、もう1つ大胆に進化したのがカメラ機能だ。

 スペシャルイベントでは、フィル・シラー上級副社長が「我々が画素数をアップするのは、きちんと満足できる写真の品質を保つための技術が確立できてからだ。写真が暗くなったり、ぼやけたりする原因になる単純な画素数アップはしない」と語っている。それだけ今回の画素数アップには自信があるのだろう。

 iPhone 6sシリーズで実現した1200画素の写真は、下にiPhone 6と撮り比べたものをいくつか並べたので、じっくりと見比べてみてほしい。

写真は左から、iPhone 6、iPhone 6s、iPhone 6s Plus(画像をクリックで拡大)

パノラマ画像比較。写真はiPhone 6のサンプル(クリックで拡大)

パノラマ画像比較。写真はiPhone 6sのサンプル(クリックで拡大)

パノラマ画像比較。写真はiPhone 6s Plusのサンプル(クリックで拡大)

 iPhone 6シリーズと言えば、撮れる写真があまりにきれいでアップルも撮られた写真を巨大ビルボードに引き伸ばして世界主要都市で広告として使ったほど。そのiPhone 6シリーズのきれいな写りそのままに、iPhone 6sシリーズでは解像度までアップしているのだから写真好きの人にもうれしい限りだろう。

 iPhoneは設定をいじることなく(というかそもそもいじれない)、さっと構えて写真を撮るだけで確実にいい絵が撮れるカメラとして世界中で愛用されている。

 筆者も取材にコンパクトデジカメとiPhoneの両方を持っていくと、結局、デジカメはいつまでも、あーでもないこーでもないといじりつづけないといい絵が撮れず、最後には面倒だからとiPhoneに絞って写真を撮ってしまうことが多い。

 この、さっと構えてシャッターを切れば、大概の写真はきれいに撮れる「お気軽きれいカメラ」としてのiPhoneのよさはiPhone 6sシリーズでもしっかり継承されている。

 それでいて解像度が上がっているので、例えば、デジタルズームをしたときの写真などは、これまでよりはるかに画質がアップしている。

 ちなみにアップルはiPhone 6sシリーズで画素数がアップしたからといって、その分デジタルズームの倍率を上げるというようなことはしておらず、ズーム倍率はこれまでと同じだ(なので、相対的にズーム時の画質が上がっている)。

iPhone 6のズーム写真サンプル(クリックで拡大)

iPhone 6s Plusのズーム写真サンプル(クリックで拡大)

左がiPhone 6、右がiPhone 6s PlusのFaceTimeカメラ(インカメラ)による自撮り。iPhone 6s/6s Plusでは、FaceTimeカメラを使って自撮り(セルフィー)する際に、ディスプレイ全体を通常の3倍の明るさで発光し、自然な色で撮る機能がついた。性格的にセルフィーを撮る柄ではないので、この2枚を撮るだけで恥ずかしくiPhone 6sでは撮り忘れたが許して欲しい……

 iPhone 6sシリーズといえば、ビデオカメラとしての性能も向上した。ついに4Kビデオが撮影できるようになったのだ。

 iPhoneは4s以降、美しいフルHD動画を撮影できる極めて携帯性が高いビデオカメラとして人気を集めており、鹿児島放送など、一部のテレビ局ではiPhoneで撮影したテレビ番組があるほどだ。

 そのiPhoneのビデオ機能が、今度は4Kビデオに対応する。年間2億台規模で出荷されるiPhoneは、既に世界で最も使われているデジタルカメラの1つとなっているが、このiPhone 6sシリーズの登場により、新たに“世界で最も使われている4Kビデオカメラ”としても名を馳せることになる。このiPhone 6sシリーズの発売から4Kビデオの受像機だけでなくコンテンツの爆発が起きることになりそうだ。

iPhone 6s Plusによる4K動画サンプル
iPhone 6sによる4K動画サンプル
iPhone 6によるフルHD動画サンプル

 ただし、iPhone 6sシリーズで撮影した4Kビデオは、今のところ取り回しがやや面倒だ。せっかく4Kビデオを撮影しても、iPhoneからYouTubeなどに直接4K解像度でアップロードすることはできない。

※iMovieの最新版、2.2では4K動画をYouTubeへ直接アップロードすることが可能です。おわびして訂正いたします

 4K解像度を保ったままYouTubeなどに投稿するには、一度、何らかの方法で映像をパソコンに転送する必要がある。下のサンプルもiPhone 6s/6s PlusをMacにUSB接続して、Image Captureというアプリケーションで取り込み、Macからアップロードした。

 アップル製品で4K画質の動画をそのまま再生できる機器は、今のところMac ProやiMac 5、MacBook Proに4Kディスプレイで外部出力するなど制限があるものの、iPhone 6sシリーズの4Kビデオ対応は、世の中がどんどんと4Kビデオ対応に進むのを受け、とりあえず大事な思い出を今後、広まっている4Kビデオで記録できるようにした、という第一歩に過ぎない印象だ(とはいえ、利用しようと思えば、最も手ごろな4Kビデオカメラとして放送業務でも十分利用できるはずだ)。

 ちなみに4Kビデオの映像はH.264という圧縮技術を使って約50メガビット/秒に圧縮され、30秒ほどの動画で容量は約200Mバイトほどになる。単純計算で5分で2Gバイトとなると、これまでのように長時間に動画のメモを取るのは難しくなる。

 そこで、iPhone 6sシリーズでは、設定画面には動画をどの解像度で撮影するか設定する項目が加わり、4K撮影時に画面に「4K」と表示される仕様になっている。カメラアプリから直接解像度の切り替えができず、いちいち「設定」から切り替えるのは少し面倒な仕様だが、そうでなくても撮影モードが増え、少し初心者に難しくなってきたところ、これ以上、設定項目を増やしたくなかったのかもしれない(こういうところこそ3D Touchのプレスの操作を活用して、次期OSアップデートでは「4K」の文字をプレスしてフルHD解像度と切り替えられるようにしてほしい)。

4K動画撮影時は画面に「4K」と表示される

 4Kビデオ対応は正直、まだ発展途上のイメージがある。とはいえ、かなりの画質で撮影ができ、iMovieという編集ソフトを使ってその場で編集をし、その成果をDropboxなどに書き出せるというのは、実はすごいことだと思う。この機能のためだけにiPhone 6sシリーズに切り替える放送マンも多いのではなかろうか。

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