「iPhone 6s」が生み出す新たな潮流――林信行が1週間使って見えたもの:カタチは同じでも“s”シリーズ史上最大の跳躍(5/5 ページ)

» 2015年09月22日 23時00分 公開
前のページへ 1|2|3|4|5       

触ると絶対に欲しくなる魅力

 3D Touchやカメラ機能の向上以外にも、最新のA9チップ搭載でCPU処理が70%、GPU処理が90%向上し、Touch IDの指紋認証も2倍に高速化、さらにWi-Fiの通信速度も倍になり、4G LTEの速度も最大で3倍ほど高速になっているiPhone 6sシリーズ。だが、確かに触り始めは「速い!」とビックリするが、「速さ」という感覚だけは人間は案外早く慣れてしまうようだ。

 よく考えれば、1200万画素の写真を快適に撮影、保存、加工したり、4Kビデオの撮影、再生、拡大したりというだけでも、かなりのプロセッサパワーを使っているはずだが、それがあまりにも軽々と動くことに人間はすぐに慣れてしまう。

 1週間も使っていると「サクサクと動作が軽快で快適」であることをたまに思い出しはするものの、特にそのことについて感謝するでもなく、これまで通り普通に予定を確認したり、Webを見たり、Siriに何か質問をしたり、メールのやりとりをしたりという使い方をするようになる。いつの間にかiPhone 6sであることの恩恵はそれほど感じなくなってしまう。

 違いとして感じるのは、せいぜい充電中でなくても、iPhoneが「Hey Siri」の呼び声に反応してくれるときくらいだろうか。

充電中でなくてもSiriが呼びかけに応えてくれる

 ただし、ここで久しぶりにiPhone 6を起動してみると、ショックが大きい。「そうか、昔はPeek&Popがなかったから、ちょっと気になるメールがあるといちいち開いて見ていたのか!」であるとか、いちいちカメラを起動してからモードを切り替えるのが面倒くさいとか、これまで感じていなかった不満が芽生え始める。

 そのうえ、これまでぜんぜん不満がなかった指紋認証にももたつきを感じれば、その後、ホーム画面にアプリのアイコンが表示されるアニメーションまで遅く感じるようになる。

 一度、新しい体験を知ってしまうと、もはや元には戻れないという感覚は、これまで数台のiPhone、あるいは数台のiPod、あるいは数台のMacを乗り換えてきたことがある人は既に覚えがあるだろう。

 sシリーズのiPhone 6s、6s Plusは、カタチこそ6シリーズと同じでも、もはや後戻りができない大きな進化がタップリ詰まっている。 知らなければ知らないで幸せでいられたものが、一度、触ってしまうともはや後戻りできなくなってしまうのだ。

 だから、まだiPhoneの2年契約が残っている人は、できればiPhone 6sシリーズには触れずに過ごしたほうがよさそうだ。

 なお、iPhone 6sと6s Plusの違いは、基本的な画面サイズに加えて、6s Plusは本体を横向きに構えたときにホーム画面のアイコンが横向きに回転したり、ビデオ撮影時に光学手ブレ補正が利用できるといった点がある。ということで、4Kビデオカメラとして活用したい人にはiPhone 6s Plusのほうが少しおすすめかもしれない。

 これまでのiPhone 6シリーズと見た目はそっくりなiPhone 6sシリーズ。しかし、その中身はこれまでの「sシリーズ」の歴史でも最大級の跳躍を果たしている。iPhone 6sシリーズが採用した3D Touchというまったく新しい操作体系や、4Kビデオ撮影機能、Live Photosといった新表現は、今後、数年のスマートフォンの進化の流れを大きく変えることになるだろう。

前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月26日 更新
  1. 定格1650Wの7.5万円電源&Noctuaファン採用の異常検知アダプターが登場! (2026年10月24日)
  2. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  3. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  4. Anthropicが常時稼働するエージェント「Claude Duet」を発表/AMDとIntelが協業 PyTorchのx86 CPU最適化を「oneDNN」に一本化 (2026年10月25日)
  5. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  6. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  7. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  8. エイサー、Ryzen 3/5を搭載したコンパクトデスクトップPC Amazon専売モデルも用意 (2026年10月23日)
  9. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  10. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー