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13.3型“世界最小”ノート「XPS 13」を1カ月使って分かった実力理想のモバイルワーク用PCを求めて(1/2 ページ)

» 2015年09月29日 08時45分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]

狭額縁に加えて“明るい”ディスプレイがモバイルで活躍

 前回に引き続き、デルの薄型軽量モバイルノートPC「XPS 13」をモバイルワークで活用してみた。

 XPS 13は13.3型で世界最小をうたうモバイルノートPCだ。ほぼジャストA4サイズ、重量1.18キロの薄型軽量ボディに第5世代Core Uプロセッサ、額縁が5ミリほどと非常に細い「インフィニティディスプレイ」と呼ばれる13.3型液晶ディスプレイを搭載しているのが大きな特徴となる。

XPS 13 デルの「XPS 13」は13.3型で世界最小をうたうモバイルノートPC。アルミとカーボンを組み合わせたボディに、狭額縁デザインのディスプレイを備えており、見た目の高級感もなかなかのものだ

 XPS 13を起動するたびに思うのは、液晶ディスプレイ表示の見やすさだ。筆者が使用しているのはフルHD(1920×1080ピクセル)のモデルで、3200×1800ピクセル表示のモデルには及ばないものの、画素密度は約166ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)と十分な精細さがある。ノートPCを利用する程度の視聴距離ならば、画素のギザギザ感は気にならない。

 フルHD液晶ディスプレイの表面処理はノングレアなので、屋外や照明がキツいオフィスビル内などでも画面への映り込みが抑えられ、どこに持ち出しても視認性が悪いと感じることはない。そして、画面がとにかく明るい。最高輝度ではまぶしいと感じるくらいで、400カンデラ/平方メートルという公称値も納得だ。

XPS 13 ノングレアで輝度も高いXPS 13のフルHD液晶ディスプレイは、屋外でも照明がキツいオフィスでも視認性がよい。カフェのオープンテラスなどで使う場合、場所や時間によっては外光が気になることもあるが、XPS 13なら何の問題もない。ちなみにタッチパネルは非搭載だ(3200×1800ピクセル表示のディスプレイはタッチパネル搭載でグレア仕様となる)

 実際にエックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Display Pro」を使って測定してみると、413カンデラ/平方メートルと、公称値を上回る数字が出た。バッテリー駆動時にディスプレイの輝度を40%に下げても十分な明るさと感じるので、この状態でも測定してみたところ、165カンデラ/平方メートルだった。

 ちなみに、前回大きさの比較に利用した「ThinkPad X300」を測定したみたところ、最大輝度で191カンデラ/平方メートルだった。こちらもLEDバックライトを採用した製品であり、見た目にも劣化は感じていなかったが、その2倍も高輝度なのだから、明るく感じるのも納得だ。かなり日差しが強い日でも、輝度を上げることで実用的な視認性を確保できる。

XPS 13 エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Display Pro」を使って液晶ディスプレイの輝度を測定してみた
XPS 13 液晶ディスプレイの輝度は、412カンデラ/平方メートルと明るかった

バッテリー駆動時間の長さが安心につながる

 XPS 13をモバイルで利用していると、バッテリー駆動時間の長さも実感する。

 Windowsの電源プランはデフォルトの「Dell」という設定を利用しているが、設定内容はWindows 8.1標準の「バランス」をベースにしているようだ(CPUやディスプレイの設定など、確認できる設定項目からは違いが分からない)。バッテリー駆動時のディスプレイ輝度は40%の設定だが、これでも十分明るいので、変更の必要性を感じない。むしろ、もう一段階下げても十分なくらいだ。

 筆者の場合、XPS 13を外に持ち出してバッテリー駆動で仕事するとしても3〜4時間で、製品発表会や打ち合わせなどが重なったとしても、それぞれ1時間長くなる程度だ。作業内容は、スマートフォンのテザリングで常時接続して、テキスト入力を中心に、Webブラウズ、メールの送受信、ExcelやPDF資料のダウンロード、閲覧のほか、デジタルカメラを接続して写真を取り込む場合もある。

 モバイルワーカーの作業としてはヘビーなほうではないだろうが、こうした使い方であれば、バッテリー残量が100%近い状態で家を出て帰宅するまでに、残量表示が40%を切ることはない。「大して使わないが、モバイルPCも念のためバッグに入れておく」くらいの使い方が続く場合は、1週間くらい充電しなくても平気だったりする。

XPS 13 XPS 13を持ち歩いているが、筆者の使い方ではバッテリー残量が40%を切ったことがない。50%を切ることもまれだ

 それでは、キッチリと測ったバッテリー駆動時間はどのくらいなのか。定番のベンチマークテストソフトであるBBench 1.01(海人氏・作)も実行した。いつものように無線LAN(IEEE802.11ac)で常時接続し、60秒間隔で10のWebサイト閲覧、10秒間隔でテキスト入力という設定でテストしたが、やはりなかなかバッテリー残量が減らない。残り5%で休止状態に入るまで、12時間54分も駆動した。

 筆者の経験では、BBenchの計測結果より10〜15%くらい割り引くくらいが実働の感覚に近いが、それでも1日のPC利用時間を余裕でカバーできるスタミナと言える。

 バッテリー容量が気になったので、Battery Reportコマンドで確認してみると、フルチャージで約53ワットアワーもあった。モバイルノートPCとしては大容量のバッテリーを内蔵しており、このスタミナも納得だ。重量約1.18キロの薄型軽量ノートPCであることを考えると立派だ。バッテリーの容量を削れば、よりインパクトのある軽量ボディを実現できたかもしれないが、実用重視でそうしなかったところに良心を感じる。

XPS 13 Battery Reportコマンドでバッテリー容量を確認した。公称値は52ワットアワーだが、デザイン容量/フルチャージ容量ともにほぼ53ワットアワーあった

 とはいえ、ここで「どうせいつも余っているなら、バッテリー容量がもっと小さくても、もっと軽いほうがいいんじゃないの?」と思う方がいるかもしれない。そういう考え方もできるが、筆者はビジネス用PCならば、これくらいバッテリーに余裕があったほうが絶対によいと考える。

 なぜならば、そのほうが物理的な負担も、精神的な負担も減るからだ。ビジネスではバッテリーが切れたから外出先でプレゼンができなかったなどという失敗は許されない。何より業務の途中でバッテリーが切れてしまえば、仕事ができない時間が増え、バッグの中でただの重りになってしまい体力的にも無駄だ。

 少しでもバッテリー駆動時間に不安があるならば、ACアダプタの携帯は外せない。それでも、「普通に使えば40%は切らない、50%を切ることもまれ」……これくらいの余裕があれば、ACアダプタの携帯は不要と自身を持って判断できる。


デル株式会社 デル株式会社

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