クラウドへのバックアップも有力な選択肢だ。NASの設置場所とはまったく離れた遠隔地にバックアップすることから、DR(Disaster Recovery=災害対策)としても有効だ。オリジナルとコピーがまとめて失われてしまう可能性が極めて低いのは、外付HDDへのバックアップにはないメリットといえる。
バックアップ先としては複数の候補がある。1つは、さきほども紹介したDropboxやOneDriveなどのオンラインストレージ。一部のフォルダだけをバックアップできれば十分というのであれば、この方法が最もお手軽だ。
「Cloud Sync」はDropbox、OneDriveのほかGoogleドライブ、Boxなど、競合他社のNASと比較しても豊富なオンラインストレージをサポートしているので、バックアップ先を分散させるというのもひとつの手だ。
このほか、NASの「バックアップと複製」で、保管先として「パブリッククラウドのバックアップ先」を選択すれば、Amazon S3やMicrosoft Azureなどを選ぶことができるほか、Amazon Glacierへのデータバックアップを行う「Glacier Backup」というアプリも用意されているので、選択肢は豊富だ。
もっとも、NAS上の全データをクラウドにバックアップするとなると、年間でNASがもう一台買えてしまうほどの費用がかかることもざら。データの重要度や容量、ひんぱんな取り出しが発生するか否かといった特性を見ながら、前述の外付けHDDなどへのバックアップとこれらクラウドへのバックアップを、適宜使い分けるのがおすすめだ。
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