2016年に期待のPCテクノロジー“5選”Type-C、WiGig、AirFuel……(2/3 ページ)

» 2016年01月04日 06時00分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]

その3:タブレット/2in1の「USB PD 2.0」対応に期待

 USB PD 2.0対応製品の増加にも期待したい。USB PD 2.0は、USB本来の仕様(USB 3.1で4.5ワット)を超え、最大100ワットものバスパワー給電ができる拡張仕様だ。従来は携帯機器の充電を意識したUSB BC 1.2(7.5ワット)という仕様が存在したが、USB PD 2.0ならばノートPCの充電も可能になる。

 給電できる電源仕様は「プロファイル」で管理されており、認証を行った後に適切なプロファイルで給電する仕組みになっているため、非対応のデバイスを接続すると、いきなり高電圧や大電流が供給されてしまうようなことはない。

 ACアダプターの接続と周辺機器の接続をUSB Type-Cのみに一本化した「新しいMacBook」のUSB-Cコネクタ(AppleはUSB-Cと呼称)もこの仕様を利用しているようだ。

USB PDの概要 USB PD対応の機器は電源仕様のプロファイルで管理されるので、いきなり大容量の電力を供給してしまうようなことは発生しない
MacBookのUSB-C 2015年春に発売された「新しいMacBook」は、他社のノートPCに先駆けてACアダプターもUSB Type-C(USB-C)に集約してきた

 これだけを見ると、シンプルさと引き替えに使い勝手を悪くしているだけと思うかもしれない。しかし、きちんと規格に準拠したノートPC/タブレットとACアダプター、モバイルバッテリーなどが出そろえば、ACアダプターの共通化が進んだり、モバイルバッテリーで安全かつ確実に充電できるなど、これまでになかった便利な運用が可能になる。

 もっとも、ノートPCを充電しようと思えばモバイルバッテリーといっても相当な容量が必要になる。現実的にはAtom系プロセッサを搭載した8〜10型クラスのタブレットや2in1から普及を期待したいところだ。

 また、USB PDには「Dual Role」という機能があり、Windows 10ではOSレベルでこれをサポートしている。これは、USB PDのDual Roleに対応したPCとタブレットを接続すると、PCからタブレットへ充電できるだけでなく、その逆方向の充電もできるというものだ。データ通信の方向は変えずに充電側と給電側の関係だけを入れ替えられるので、ノートPCとタブレット、スマートフォンなどを併用する場合、より便利に運用できる。

USB PBのDual Role USB Type-Cの使用例。USB PDのDual Roleに対応したPCとタブレットを接続すると、PCからタブレットへ充電できるだけでなく、その逆も可能になる。ノートPCとタブレット、スマートフォンなどを併用する場合、より便利に運用できる(Intelの資料より)

その4:「WiGig」で無線ドッキングステーションに脚光か

 モバイルデバイスの完全なワイヤレス化を目指す動きにも注目したい。特に「WiGig」(IEEE802.11ad)は本格的な普及が期待される。WiGigは60GHzという高い周波数帯域を利用する通信方式で、短距離ながら最大7Gbpsの高速かつ低レイテンシでの通信が行える。

 これの具体的な用途で利便性が大きく向上しそうなのは、ドッキングステーションのワイヤレス化だ。ドッキングステーションがケーブルから開放されると、使い勝手が格段に向上する。

WiGigの概要 60GHz帯を利用し、短距離ながら最大7Gbpsの高速かつ低レイテンシでの無線通信ができるWiGig(IEEE802.11ad)は、ドッキングステーションのワイヤレス化に最適だ。既に実用化されており、2016年は一層の普及が見込まれる(Intelの資料より)
WiGig CERTIFIED 無線LAN機器の標準化を行うWi-Fi Allianceは、2016年初頭に認定プログラム(WiGig CERTIFIED)を開始する予定だ(Wi-Fi Allianceの発表資料より)

 WiGigは既に実用化されており、HPやDellのビジネスPC用ドッキングステーションに採用例がある。例えば、2015年12月に発表された「HP Elite x2 1012 G1」などのオプションとして用意されている「HPアドバンスド無線ドッキングステーション」の内容は、2基のDisplayPort、アナログRGB出力(D-Sub15ピン)、USB 3.0×4、有線LAN、ヘッドフォン出力、マイク入力などを備えている。

WiGigドック WiGigを利用した「HPアドバンスド無線ドッキングステーション」

 ちなみに、このHP Elite x2 1012 G1は、キックスタンドとキーボードを備えており、Microsoftの「Surface Pro 4」と非常に似たスタイルを採用している。「Surface Proクローン」といっては失礼かもしれないが、Surfaceシリーズの成功を受けてこのようなスタイルを採用する製品は他社からも登場してくるだろう。こちらの動向も楽しみだ。

HP Elite x2 1012 G1 WiGig接続のワイヤレスドッキングステーションをオプションで用意する「HP Elite x2 1012 G1」。Surfaceシリーズによく似たスタイルのほか、ワコムの静電結合方式による筆圧対応ペンを採用するなど、非常に興味をそそられる製品だ

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