ベンチマークテストで実際の性能を確認してみよう。テストは3Dデータのレンタリング処理でプロセッサの性能を測る「CINEBENCH R15」、PCの総合性能を計測する「PCMark 8」と「PCMark7」、グラフィックス性能を見る「3DMark」、ストレージの性能を見る「CrystalDiskMark」、ゲームベンチ「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド・ベンチマーク」だ。評価機のOSは64bit版Windows 7 Professionalのため、Windowsエクスペリエンスインデックスについても掲載する。
次にシステムの総合性能を見るPC Mark 8の結果だ。Homeが4516、Creativeが4621、Workが4551となった。PCMark 7は総合スコアで3424と良好であった。画像や動画周りの処理性能を示すCreativityや計算性能を測定するComputationなどの数字も高く、広い分野で使える性能を持つ。
さらにCINEBENCH R15の結果をみると、CPUで599(cb)、シングルコア時で164(cb)となった。4コア4スレッド動作のCore i5-6600としては順当な成績だ。メインPCとして必要な性能を十分に有している。
3DMarkの結果はFire Strikeが6230、Sky Diverが18189、Cloud Gateが18191、Ice Stormが161839となった。ゲーム用PCとしても優れた性能を持っている。本製品に使用されているグラフィックスのGeForce GTX 960は、ゲーマー向けのミドルレンジモデルに位置しており、コストパフォーマンスに優れている。上位モデルよりも電力効率が高いのも特徴で、ベンチ中の高負荷時でも動作音はあまり目立たなかった。
以下の動画は、NVIDIA GeForce GTX 960を搭載モデルと非搭載モデルでベンチマークテストを同時に実施した際のFire Strikeデモだ。グラフィックスカードの有無でこれだけの違いが生まれるということが分かるはずだ。
続いて、ゲームベンチであるファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド・ベンチマークの結果だ。「最高品質(解像度1920×1080ドット)」という高解像度設定でも、スコアは10119で評価は「非常に快適」という結果となった。
最後にCrystalDiskMarkでのストレージ性能のテスト結果だ。本製品ではシステム側ドライブとして「WesternDigital WD5000AAKX」が取り付けられている。HDDとしては比較的速度の速い7200rpm回転モデルとあって実用的な性能を持っている。しかし、負荷の重いアプリケーションの起動などはSSDと比べると遅く、総合性能を高めたいのであればシステム側のドライブはSSDにするべきだ。SSDにして容量不足を感じたとしても、本製品の場合はドライブの追加が容易なので、後からHDDを追加することもできる。
この製品ならではの突出した部分は少ないが、全般に手堅いパーツ構成でまとめられており、価格と性能のバランスが取れた優れた製品だといえる。評価機では、グラフィックスカードにGeForce GTX 960が搭載されていたこともあり、ゲームマシンとしても十分な性能を持っている。
細かい部分だが、PS/2キーボードやマウスへの対応、シリアルポートのサポートは評価したいところだ。中小企業や専門的な仕事をしているユーザーの場合、レガシーな周辺機器を使い続ける必要があることが多く、こうした機器を持っているユーザーにもお勧めできる。パーツの増設が容易な設計になっていることから、個人ユーザーがメインマシンとして使うのにも適しているだろう。
冒頭にも簡単に触れたが、直販のHP Direct Plusでは、3月末までGeForce GT730グラボセットキャンペーンが行われており、上位モデル並みの性能が安価に購入できる。標準モデルとはかなり構成と価格に差があるので、興味のある方は早めにチェックしよう。
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