Lenovoがこれからリリースする革命的な製品の第一弾として発表したのが、「phab 2 PRO」だ。これは米Googleが提唱しているProject Tango対応のスマートフォンである。背面カメラに加えてモーションセンサーと深度センサーを備え、カメラの方向にある被写体を立体的に認識できるのが特徴だ。
phab 2 PROについてヤン氏は、「クラウドの力を活用し、これまでになかったレベルで位置情報を認識したり、複数のカメラとセンサーによって画面に映る現実を拡張したりできる」と語る。これらの機能によって、屋内でのナビゲーションが可能になるほか、ゲームの可能性もさらに広がるだろう。例えば、リビングを映し出し、その場所にバーチャルな家具を置いて、確認することなどが簡単にできるようになるという。
タブレット事業担当のジェネラルマネージャ兼バイスプレジテントのジェフ・メレディス氏は、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)を実現するTango技術をスマートフォンに搭載したことについて、「今後、5年間でAR、VR関連の技術は急成長すると予想されている。しかし、どんな技術もユーザーの生活に関連していなければいけない」とした。
「朝起きて、スマートフォンに住所を入力して目的地まで徒歩や自転車、車などで移動するときに、『GPSは素晴らしい』とは考えないはずだ」(ジェフ氏)。このように、ARやVR技術をGPSと同様に、当たり前だと思うようなものとして普及させたいという。「phab 2 PRO」の詳細仕様は別途紹介しよう。
最後に紹介されたのが、モトローラブランドの新型スマートフォン「Moto Z」と、最初に落下テストでお披露目した「Moto Z force」だ。
両モデルに共通するのが、「MotoMods」という拡張規格に対応しており、バッテリーやプロジェクターユニットなどを拡張できること。デモで用意していたのは、バッテリーパックとプロジェクターユニット、そしてJBL製のスピーカーパックなどだ。これらは本体とマグネットで装着でき、取り付け、脱着ともに非常に簡単だった。
このほか、ステージではVR機器によるゲームのデモ、IoTの取り組み、そしてクラウド、ネットワーク関連の取り組みや提案などが数多く語られた。日本市場ではLenovoというと、PCメーカーの印象が強い。Lenovoはその側面を生かしつつも、サーバーからPC、スマートフォンというハードウェアだけでなく、ソリューションまでも手掛けていくという宣言を感じられた。Lenovo Tech World 2016は、レノボがPCメーカーから、総合ITメーカーへと舵をきったことを周知するイベントだったといえるだろう。Moto ZおよびMoto Z Force、Moto Modsの詳細については別途紹介する。
(※初出時、「phab 2 PRO」が「phab 3 PRO」となっていました。訂正してお詫びいたします)
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