4つの新OSで何が変わる? Appleが示した7つの方向性を林信行が読み解くWWDC 2016現地レポート(3/8 ページ)

» 2016年06月15日 04時00分 公開
[林信行ITmedia]

3、HomeKit:専用アプリも用意され、今度こそスマートホーム到来か?

[watchOS、iOS、tvOS]

 増え続けるスマートフォン対応の家電製品。少し前までは、同種類の家電製品でも、メーカーごとに専用アプリをダウンロードしなければスマホとの連携はできず、操作方法がまちまちだったが、AppleがiOSにHomeKitという機能を搭載してから状況が少しずつ変わりつつある。日本ではHomeKit対応家電製品がまだ少ないため、恩恵を受けている人は少ないかもしれないが、筆者は個人的にフィリップスのHueというスマート電球を既に10個ほど家に設置している。

 最新のHomeKitでは、寝室、廊下、洗面所、仕事部屋といった部屋ごとにまとめて電球を登録でき、例えば、廊下にある3個の電球を一斉に暗くしたり、Siriを使った音声操作で「電気を全部消して」と命令すれば、わざわざベッドを出てスイッチのところまで行かなくとも家中の照明を一斉に消せる。「仕事部屋の照明を集中に」と言えば、仕事に集中しやすい青色系の光の色に変えることもできる(これは本当に便利だ)。

新しいHomeKitで対応しているスマート家電。最下段があたらに追加されたもの

 これまでAppleがHomeKit対応家電を操作するために用意していた標準の操作方法はSiriだけだったが、iOS 10、watchOS 3そしてtvOSには「Home」という集中管理用のアプリが追加される(macOS Sierraのみ言及がなかったが、是非、対応してほしい)。

 基調講演中のデモだけではその全ぼうは明らかにならなかったが、Homeアプリでは、今自分が操作をしようとしている家電製品が自宅のものなのか、実家のものなのか、あるいはオフィスのものなのかを現在地情報で判別し、どの建物の家電が操作対象になっているかを建物ごとに設定できるようになっていた。

新たに追加された「Home」アプリの起動画面。操作しようとしている建物によって背景が変わる

 その上で「帰宅」、「起床」、「就寝」といったボタンが用意されていたので、これを使って、「帰宅」するとガレージのドアが開いて、玄関の灯りがつき、お風呂が沸かされるといった複数機器の一斉操作が可能になるようだ。それに加えて「お気に入り」という欄に玄関のスマート鍵を開錠、庭のスマートカーテンを開けるといった個別操作のボタンが(おそらくよく使う順に)並べられていた。

「おはよう」というシーンをセットするとスマート家電が朝の支度をしてくれる

よく行う操作はお気に入りから呼び出す

 これと同等の機能はApple TVやApple Watch上にも実装されるようだ。リビングでテレビに向かいながら、あるいはiPhoneが充電中で手元にないときApple Watchを使って、いつでもどこでも席を立たずに家中のスマート家電を、あるいは遠隔操作で離れたところにあるスマート家電を操作できるようになる。

 ただ、この発表で不安要素もあった。HomeKit対応を表明している世界の家電メーカーの一覧には相当な数の名前が挙がっている。米国のメーカーも中国のメーカーもフランスのメーカーもあったが、日本のメーカーがほとんど名乗りを上げていないのだ。かつて世界の家電を席巻していた日本メーカーは、このスマート家電化の流れの中で独自路線を貫いていくつもりなのだろうか。

HomeKit対応スマート家電を出しているメーカー一覧。残念ながら日本メーカーが見当たらない

 Appleだけではスマート家電のスタンダードは作れない。これからはおそらく、Android側でもこうしたスマート家電操作の標準化が進むことになり、Apple標準とGoogle標準の両方に対応することで「全スマホ対応」のスマート家電をうたうようになるはずだが、日本でiPhoneが優勢な状況を考えると、日本メーカーにもいち早いHomeKit対応を表明してほしいと思う。

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