4つの新OSで何が変わる? Appleが示した7つの方向性を林信行が読み解くWWDC 2016現地レポート(6/8 ページ)

» 2016年06月15日 04時00分 公開
[林信行ITmedia]

2時間では語り尽くせなかった4つのOS、膨大な新機能

 さて、ここまでで紹介してきたのは、ほんの氷山の一角で、実はこれ以外にも多数の新機能が発表されている。ここでまとめておこう。なお、「→詳細」のリンク先にある公式プレビューページに詳しく紹介されているので、そちらもあわせて参考にしてほしい。

 例えば、新watchOSでは、グランスの機能をなくして、アプリが素早く簡単に(待ち時間なく)切り替えられるドック機能が搭載される。また、深呼吸をうながして、ユーザーのストレスや怒りを軽減する「Breathe」というアプリや、世界中のどの国にいてもその国の番号で救急電話をかけられる機能などが追加された(→詳細)。

 tvOSでは、家でテレビを置いてある部屋の雰囲気や時間帯に合わせて、画面の背景色を明るめ/暗めに変更する機能なども用意する(→詳細)。

 iOSは、コントロールセンターや通知センター、Apple Musicの画面デザインなども見直され、使いやすさを向上させているほか、通知機能が大幅に進化して中にライブ動画を表示できるようになり、3D Touch機能を使って一斉にすべてを消したり、地図を進化させて検索するであろう候補をあらかじめ表示したり、ナビ中にガソリンスタンドや飲食店などの寄り道先を検索する機能が加わった。

 また、Apple MapもAPIが公開され、他社製アプリとの連携が可能になっている。例えば、OpenTableというアプリでは、Apple Mapからダイレクトにレストランを予約する機能を開発しているようだ(→詳細)。

 そしてmacOS Sierraでは、デスクトップや書類フォルダにあるファイルを、他のMacやiOS機器から取り出せる機能や、ストレージの容量が残り少なくなってきたときに使用頻度の低いファイルをiCloudなどにバックアップして削除したり、あまり使わないApp Store経由のアプリを削除して空き容量を増やしたり、動画をピクチャ・イン・ピクチャで小画面表示したり、複数のウィンドウをFinderやSafari以外の他社製アプリでもタブを使って一つのウィンドウにまとめたりといった機能が発表されている(→詳細)。

 watchOS 3、iOS 10、新tvOS、macOS Sierraは、アプリ開発などに用いるDeveloper版が同日から提供され、一般ユーザーには秋ごろに無料で提供される。それに加えてiOS 10とmacOS Sierraは7月からパブリックβ版の提供も行われる。

ここで紹介した機能は氷山の一角。Apple Watchの車椅子対応(車椅子の動きにあわせて正しくアクティビティを記録)などAppleらしい目の付けどころを発揮した機能も

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