なぜPlayStation VRは素晴らしいのか 「ワクワクの魔法」が消えない極上のVR体験Hello!VR(3/3 ページ)

» 2016年10月19日 13時55分 公開
[広田稔ITmedia]
前のページへ 1|2|3       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

繰り返し遊びたくなる強いコンテンツ

 そうしたセットアップのあとに、長時間遊ぶための要素が後押ししてくれる。

 まずハードウェアの装着感のよさだ。他の競合は、顔面にヘッドマウントディスプレイをあててバンドなどを絞めて固定する方式が多い。一方、PS VRでは頭に通したリングを絞めて額と首の後ろで固定し、そこにぶら下がったヘッドマウントディスプレイを前後してピントを合わせるため、顔面への圧迫感が少ない。もっとも、顔面に密着させた方が頭を振ったときにずれにくいため、激しく動き回るコンテンツには向いているのだが、圧迫感が少ない方が長時間つけていても蒸れにくい。この辺はトレードオフだろう。

後頭部にあるボタンを押しながらリングを広げてかぶり、そのままつかんだリングの後頭部をぐいっと延髄あたりまで引き下げてから、ボタンの位置にあるダイヤルを回して固定する

 肝心のコンテンツも本当に作り込まれていて、長時間遊べるものばかりだ。ローンチタイトルを見ても、SIE自身がリリースしている「The Playroom VR」や「PlayStation VR Worlds」、「RIGS」、バンダイナムコエンターテインメントの「サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム」や「アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション」、セガゲームスの「初音ミク VRフューチャーライブ」、エンハンス・ゲームズの「Rez Infinite」など、独占作品がずらりと並んでいる。

 各コンテンツについて細かく書き出すと本当に長くなるので割愛するが、いずれもデモのように一回遊べば終わりというわけではなく、何度も遊びたくなる仕掛けが随所に盛り込まれている。PS4のキャッチコピーではないが、「できないことが、できるって、最高だ。」と感じさせてくれるものばかりだ。

 VRコンテンツの制作手法は日進月歩で進化していて、Oculus RiftやHTC Viveが登場した3、4月からわずか半年でも、VR酔いを感じさせない移動方法や、バーチャル空間で効果的な演出などで大きな違いが出てきている。ライバルのリリースに半年ほど遅れをとったPS VRだが、その間に力を蓄えて質の高いコンテンツを一気にリリースしたことで、体験した人に「VRって……スゴい!」という大きなインパクトを与え、「ちょっとこれ面白いからうちに来て遊んでみてよ」とさらなる口コミの輪を広げてくれそうだ。

単体で大画面テレビとしても使える

 長時間遊べるという話以外にも、用途が広いのもいいところだろう。

 VRは一人で遊ぶものと思われがちだが、誰かと一緒に楽しんでもコミュニケーションツールとして役立ってくれる。PS VRにはソーシャルスクリーン機能が用意されており、体験中のゲーム画面をテレビ側にも表示してくれる。人がVRヘッドマウントディスプレイをかぶってあちらの世界で奮闘している姿は、そもそも周囲で見ていて興味深いものだが、さらに見ている場所もリアルタイムでわかるのだ。複数人で交代しながら遊べば、会話が弾むこと間違いなしだ。

 ほかにも先にあげた「The Playroom VR」はパーティーゲームで、1人がヘッドマウントディスプレイを、最大4人が1台のテレビと4台のDUALSHOCK4コントローラーを使って、同じゲームをバーチャル/リアルの双方で遊べる。

 大画面テレビとしての使い道も用意されている。PS VRでは旧来のヘッドマウントディスプレイのように目の前に巨大なスクリーンを表示させて、VRではないPS4ゲームを遊んだり、BD/DVDを再生することが可能だ。

 ネットでは、PS4アーケードアーカイブスで配信されている「ダライアス」で遊ぶと、3画面を使ったアーケードを再現できるということが話題になっている。BD/DVDでは、DUALSHOCK4の「OPTION」ボタンを押すとスクリーン位置を再調整できるので、ごろ寝でダラダラと映像を楽しむことも可能だ。

 あまり知られていないことかもしれないが、テレビなしでPS VR単体でも動作することも見逃せない。一人暮らしだったり、リビング以外の自室にも大画面テレビが欲しいという人は、PS 4とPS VRのほうがコンパクトで済むだろう。

 長々と書いて来たが、こうした細かい積み重ねが、PS VRで初めてVRに接した人々にさらなる魔法をかけて、バーチャル世界の虜にしていったに違いない。もちろん世の中に完璧なものがないように、気になる点がないわけではない。例えば、ざっと思ったのは以下のような項目だ。

  • ホーム画面が360度表示でない(VRなのにもったいない!)
  • ホーム画面がポジショントラッキングされない(近づいて拡大、離れて縮小表示されない)
  • DUALSHOCK4やPS Moveが常時VR内に表示されない(持ち替え時にHMDを前にずらすか手探りすることになる)
  • ViveやRiftに比べてポジショントラッキングがややずれやすい?(まだ使用時間が10数時間レベルなので要検証)
  • 長時間遊べるがゆえレンズや鼻パッドの汚れが目立ちやすい(仕方ない! ふけばいい!)
  • そもそも入手できない(待つしか!)

 しかし、「ここが改善されたらもっと使うのに」ではなく、しっかりした屋台骨があったうえで「ここが改善されたらさらに完璧になるのに」といった気持ちだ。

 2016年10月13日を境に、VRの歴史はついにコンシューマーという領域に大きく踏み込んだことになる。PCでいえば1995年のWindows 95、インターネットでいえばYahoo! BB、スマートフォンでいえばiPhone 3Gといったように、このPS VRがVRの普及に一層弾みをつけることは間違いない。ガジェットファンならこの最初の盛り上がりを体験しておかないのはもったいないので、まだ触っていない方は、次回以降の出荷の際には是が非でも入手して体験すべきだ。

著者紹介:広田 稔

VRジャーナリスト、株式会社パノラプロ代表、VRおじさん。コンシューマーVRのほか、アップル、niconico、初音ミクなどが専門分野。VRにハマりすぎて360度カメラを使ったVRジャーナリズムを志し、2013年に日本にVRを広めるために専門Webメディア「PANORA」を設立。「VRまつり」や「Tokyo VR Meetup」(Tokyo VR Startupsとの共催)などのVR系イベントも手がけている


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月22日 更新
  1. アナログとメカニカルの“二刀流”でナイト2000風のLIGHT BARを搭載したロジクールGの新キーボード「G512X」登場 (2026年05月21日)
  2. MicrosoftがCore Ultra(シリーズ3)搭載の新「Surface」シリーズを発表 約26.5万円から (2026年05月20日)
  3. メモリ容量が最大192GBに! AMDが新型モンスターAPU「Ryzen AI Max PRO 400」を発表 (2026年05月22日)
  4. AMDが強々なミニPC「Ryzen AI Halo」を披露 NVIDIAのミニスパコンに“汎用性”で対抗 (2026年05月22日)
  5. Apple Intelligenceが変える「アクセシビリティ」の未来 視線で動く車椅子や進化したVoiceOverとは (2026年05月21日)
  6. バッテリー着脱式! Ryzen AI Max+ 395で驚異の性能をたたき出すポータブルPC「OneXFly APEX」を試す (2026年05月22日)
  7. 快適なタイピング環境を省スペースで実現する「ロジクール MX KEYS mini KX700GRd」が15%オフの1万3480円に (2026年05月20日)
  8. 設定不要でHDMIをワイヤレス化できる「UGREEN ワイヤレスHDMI送信機と受信機」が31%オフの8999円に (2026年05月18日)
  9. 電源のない車中泊を快適にする「EcoFlow WAVE 3 ポータブルエアコン 3点セット」が40%オフの17万4569円に (2026年05月19日)
  10. Forzaで日本の街を走り回るのにぴったりな「ロジクールG レーシングゲームコントローラー G923d」がタイムセールで31%オフの3万9800円に (2026年05月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年