as100は、Intelの第7世代Core iファミリー(コードネーム:Kaby Bridge)の一員であるCPU「Core i5-7200U」を搭載している。
Kaby Lakeは、第6世代Core iファミリー(コードネーム:Skylake)と同じ14nmのプロセス(配線幅)だが、改良を施すことでTDP(熱設計電力)を据え置きながらもクロック周波数を向上している。また、内包する動画処理機能において新たに「4K HEVC 10bit」のエンコード(圧縮)・デコード(展開)と「VP9」のデコードをサポートしている。
Core i5-7200Uは、TDPが15Wのデュアルコア/4スレッドのミドルレンジ省電力モデルだ。クロック周波数は標準で2.5〜3.1GHzと、第6世代で同じ位置付けの「Core i5-6200U」から200MHzほど向上している。ハイエンドのTDPが28W・45WのCPUと比べると、高負荷なゲームやソフトウェアエンコードをすると性能差を感じるかもしれないが、これらを頻繁にしなければ、普段使いとして十分なパフォーマンスを有している。
GPUは、CPUに統合されている「Intel HD Graphics 620」を利用する。クロック周波数は300MHz〜1GHzとされており、前世代の「Intel HD Graphics 520」と数値上は同じだ。主な進化点は先述した動画処理機能の追加対応、ということになるだろう。
グラフィックメモリはメインメモリと共有するようになっており、今回レビューした15-as102TUでは1GBが確保されていた。評価機のファームウェア(BIOS/UEFI)の設定には、グラフィックメモリの容量を設定できる項目は見当たらなかった。
このようにグラフィックメモリがメインメモリと統合されている場合、メインメモリのアクセス速度がグラフィック性能に大きな影響を与える。メモリ構成が8GB×1となっている15-as102TUは、メモリのアクセス速度を向上する「デュアルチャネル」を利用できないため、その点で不利だ。
「ならメモリを増設すればいいのでは?」と思うかもしれないが、本体底部のカバーは、小さなトルクスネジで締められており、さらにツメで固定されており、メモリ増設が可能だったとしても簡単には行きそうにない。現に、公式の仕様書を見るとメインメモリは「最大8GB」とされており、メーカーとしてメモリ増設をサポートしていない。
少しでもグラフィックパフォーマンスを少しでも上げたい場合は、メインメモリがメモリ構成が「8GB×2(合計16GB)」でデュアルチャネルが有効な「15-as103TU」の購入をお勧めする。
ストレージは、15型のボディーサイズを生かしてSSDとHDDの両方を搭載している。
SSDはM.2形状のPCI Express接続(NVMe対応)で、容量は256GBとなっている。OSはSSDにインストールされており、ほぼ一瞬といえるほどの短時間で起動できる。一方、HDDはSerial ATA接続で、容量は1TB、回転数は5400回転/秒だ。パフォーマンスとコスト、そして容量面でバランスのとれた構成といえるだろう。
また、SSDとHDDに保存するデータを厳密に分割管理すれば、バックアップや将来のPC買い替え時の手間も削減できることも好印象だ。
ちなみに、今回レビューした個体では、SSDはサムスン電子の「PM951(MZVLV256HCHP-000H1)」、HDDはHGSTの「Travelstar Z5K1000(HTS541010A7E630)」が搭載されていた。
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