Windows 10が次に実現する「PCではない未来のデバイス」とは?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/4 ページ)

» 2016年12月27日 14時00分 公開

Windows 10 Creators UpdateにおけるCortanaの動作

 Windows 10 IoT Coreに限らず、PCを含むWindows 10 Creators Update全般におけるCortanaの動向についても触れておきたい。CortanaはもともとモバイルOSの「Windows Phone 8.1」で初めて搭載され、スマートフォンを利用するユーザーに「持ち歩ける音声アシスタント」を提供することを主眼としていた。2014年4月発表のCortanaよりも先行して2011年に投入されていたAppleのSiriも同様だ。

 Cortanaが目指したのは「パーソナル」な音声対応アシスタントであり、これはWindows 10 for PCに展開されてからも変わらず、基本的には「PCの目の前に座っているユーザーとの対話」に重点が置かれている。「Xbox One」ではテレビとの物理的な距離があるため、もう少し離れた距離での音声制御を想定しているが、おおむね近接距離(Near-field)での対話に主眼が置かれている。

 しかしWindows 10 Creators Updateでは、Far-fieldという遠距離からの音声制御と、デバイスがスリープ状態にあってもCortanaを音声コマンドで呼び出せるWake on Voice(WoV)の仕組みがあらためて明記されている。これは従来のPCの使い方を越えたホームユース、例えばAmazon Echoのような新デバイスの登場を想定したアップデートと言える。

Far-field/Wake on Voice Far-fieldとWake on Voiceで開かれるCortanaの新しい世界

Far-fieldとNear-field

 現在Windows 10に搭載されているCortanaは、ユーザーがPCの目の前にいて操作していることを想定している。Microsoftによれば0.5m程度の距離での利用が目安だ。これはCortanaの制限というよりも、PCに内蔵されたマイクの性質による。

 ゲーム実況などライブストリーミングを行っているようなユーザーは専用のマイクやWebカメラを用意して、より広範囲の映像や音声を収録できる環境を整えているかもしれないが、実際に多くのユーザーがノートPCやデスクトップPCを使っている環境はそうではない。

 PC内蔵あるいは外付けの標準的なマイクは、ユーザーがあくまでPCの正面に向き合っていることを想定し、外部からのノイズを極力取り込まず快適に利用できるチューニングとなっている。

 しかし、Cortanaを複数人で操作したり、あるいは離れた場所にあるPCに音声コマンドを通じて操作したりといった活用を考えた場合、このマイクのチューニングでは困る場面が出てくる。うまく音声を取り込めず、Cortanaに話した内容が伝わらないからだ。

 そこで、遠距離からの利用を想定したマイクのチューニングや搭載方法が必要となる。例えばMicrosoftが「Premium(P)」と定義しているマイクは、有効範囲が0.8m程度と若干広くなっており、複数人の操作や環境音楽のより高品位な取り込みが可能だ。

Near-field/Far-field Near-fieldとFar-field

 そして今回Microsoftが定義したFar-fieldは、最大で4m程度からCortanaを利用することを想定している。Xbox Oneを利用するケースで、テレビからの距離は大体2m前後が一般的であることを考えれば(日本ではなくリビングの広い国ではもう少し離れているかもしれない)、4mというのはかなりの遠距離だ。家庭内でちょっと広い部屋の端から端くらいまで届く距離があると考えてよいだろう。

 この距離でユーザーの音声を正確に聞き取るには、デバイスに専用のマイクを配置したり、チューニングしたりが必要となり、一般的なPC向けの仕様ではない。これは「既存のPCの形状ではない専用デバイス」など、設置型マイク経由での利用に特化したデバイスでの搭載を想定したものと推察する。その意味では、Amazon Echo型のWindows 10デバイスというのはまさに理にかなったカタチではないだろうか。

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