メモリやSSD、HDDはもともと価格変動が激しいジャンルだが、今年は特に値動きが注目を集める機会が多かった。
上半期はおおむね値下がり傾向が目立った。HDDは2月頃に3TBモデルが特価で税込み8000円を切り、5月に同7000円も突破。SSDは春ごろから週末特価の目玉として注目されることが多くなり、5月には240〜256GB級で税込み6000円台前半の特価が複数店舗で見られた。
そしてメモリは旧正月前の恒例だった値上がりを経ることなく値下がりを続け、4月ごろにDDR3とDDR4の価格逆転が見られるようになった。特に2月から4月にかけてはDDR4の値下がりが顕著で、同容量のDDR3よりも安いモデルが続出。8GB×2枚キットが税込み6980円、8GB×4枚キットが税込み1万1980円の特価になるなど目を見張る安さになっていった。
しかし、6月末ごろから「業界的な値下げの動きが一段落したのと為替の影響が重なって、そろそろ値上がりの流れになりそうです。実際、一部のブランドはわずかながら仕入れ値が上がっていますし」(テクノハウス東映)といった声も聞かれるようになっていた。
そうした空気が店頭に現れるようになったのは、下半期に入ってから。秋には他のジャンルへの供給増などが関係してフラッシュ系パーツ全般が値上がりするとのウワサをよく耳にするようになった。
実際、DDR4メモリから値上がりが見られるようになり、年末まで上昇を続けることになった。某ショップは「DDR4の16GBキットや32GBキットは数1000円単位で上がっているものもありますからね。NAND不足が原因とも、工場の生産調整が原因とも言われていますが、複合的にこうなったのだと思います。いつもと事情が違うので、いつ落ち着くのか本当に予測できないんですよね」と漏らしていた。
DDR4メモリに続いて値上がりがみられたのはSSDだ。10月下旬には一部ブランドの値上がりが複数店舗で見られるようになり、11月下旬にはPS4 Proへの換装需要の高まりもあって1TB以上の大容量クラスが値上がりしつつ枯渇する事態もみられた。その中でHDDだけは年末まで踏みとどまっており、税込み6000円切りの3TBモデルや同1万円切りの4TBモデルもみられた。が、こちらも「為替の関係でそろそろ……」といった声が聞こえている。
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