Android Wear 2.0はApple Watchに追い付いた?ITはみ出しコラム

» 2017年02月12日 06時00分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 2月に入り、スマートウォッチに注目すべき動きがありました。米国で2月10日にスマートウォッチ向け最新OS「Android Wear 2.0」を搭載した新端末の「LG Watch Style」と「LG Watch Sport」が発売されたのです。

 wear 1 LG Watch Sport

 これらの新端末は、Googleオリジナルのハードウェアブランド「Made by Google」に属するわけではありませんが、設計段階からGoogleが参加した、Android Wear 2.0の新機能ショーケースみたいな位置付けです。

 LG Watch Sport(長いので、以下「Sport」)は、新機能を全て使える満艦飾の端末で349ドル(約4万円)、LG Watch Style(以下「Style」)は機能を省いてサイズを小さくした、女性の腕にも違和感がなさそうな249ドル(約2万8000円)の端末です(いずれもGoogle Storeでの価格)。

 wear 2 LG Watch Style(Best Buyでは279.99ドル)

 ハイエンドのSportでも、ライバルとなる「Apple Watch Series 2」より2万円も安い価格です。

 個人的にそろそろスマートウォッチを買ってみてもいいかなと思っているところでもあり、Android Wear 2.0でApple Watchに追い付いたところと追い抜いたかもしれないところをチェックしてみました。

Apple Watchに追い付いたところ

 まずは「Complication」(コンプリケーション)の導入でしょう。ウォッチフェイス(文字盤)にいろんなアプリのウィジェットを置いておける機能です(これまではGoogle純製アプリしか置けませんでした)。Complicationという名称(複雑にすること、みたいな意味。合併症もこれ)はどうもピンと来ませんが、Android WearでもAppleと同じこの名称を使っています。

 wear 3 ウォッチフェイスにアプリのウィジェットを表示できる「Complication」

 カスタマイズしたウォッチフェイスを複数保存しておいて、左右スワイプで切り替えられるのもApple Watchと同じです。天気予報などはそのまま見られるし、メッセンジャーや電話などのウィジェットはタップすることで起動できます。


 また、Apple Watchの竜頭「Digital Crown」のような、物理的にねじねじできるボタンが標準で付きます。これを押すとアプリや「Google Assistant」が起動し、ねじるとスクロールできます。これでかなりタップやスワイプの回数が減りそうです。

 あとは、GPS搭載のAndroid Wearなら、スマートフォンがなくても位置情報の追跡が可能です。つまり、スマートフォンを持たずにランニングとかウオーキングとかしてもルートが記録されます。フィットネス関連では、心拍数センサーが付きました。

 さらにNFC搭載端末なら、Googleのモバイル決済サービス「Android Pay」が使えます(Apple Watchでは発売当初から米国でApple Payが使えていました)。

 主なポイントのはこんなところだと思います。

Apple Watchを超えたかも? なところ

 一番自慢できるのは、LTE対応ではないでしょうか。新たに電話番号を取るのではなく、接続するスマートフォンにひも付けします。つまり、スマートフォンとBluetooth接続していなくても、スマートフォンの番号にかかってきた電話をAndroid Wear単体で受けたり、Google Play Musicのストリーミング音楽を聴いたりできます(Bluetoothイヤフォンで聴けるのでらくちんそう)。

 米国では今のところAT&TとVerizonがこの機能を搭載するSportを販売しています。格安SIMは対応しなさそうですが、日本でも大手キャリアは対応端末を売ってくれるかもしれません。

 Google Assistantを使えるのも魅力です。Apple WatchもSiriを使えますが、Google Assistantの方がコンテキストを理解した対応をしてくれるところが気が利いています。

 そして、スマートフォンのアプリと関係ない、単体アプリをインストールできるようになりました。しかも、Android Wear端末上でGoogle Playストアを開いて、直接ダウンロードできます。iPhoneユーザーでAndroid Wearを使いたいという奇特(?)な人も、Android Wear端末を使う意味ができました(Android Wear端末は以前からiPhoneと連係できましたが、アプリをインストールするためにAndroid端末が必要でした)。

 フィットネス関連でもApple Watchにない機能が使えます。例えば、いちいちアプリを起動しなくても、走り出したりスクワットを始めたりすると自動的にトラッキングを開始してくれます。また、アプリ同士の連係でフィットネスアプリから直接音楽アプリを開いてBGMを聴くこともできます。

 個人的に一番Apple Watchよりいいと思ったのは、アプリの一覧画面です。軽度ですが集合体恐怖症(俗に言う“蓮コラ”が怖い)なので、Apple Watchのアプリ一覧画面が苦手です。Android Wearでは全てのアプリを一覧できはしませんが(その必要はないと思う)、すっきりした画面でスクロールしてアプリを探せます。

 wear 4 アプリ一覧画面の違い

女性向け端末はMWCに期待

 さて、Apple Watchの発売で一時は注目されたスマートウォッチ市場ですが、急成長しているとは言い難い状況です。StrategyAnalyticsの調査によると、2016年に世界で出荷されたスマートウォッチは前年比わずか1.4%増の2110万本でした。市場シェアの過半(55%)を占めるApple Watchも伸び悩んでいます。

 でも、こうしてAndroid Wear 2.0の特徴を追っていたら、だんだん端末が欲しくなってきました。今まで迷っていたAndroidユーザー(私もその1人)なら、Android Wear 2.0端末を買うんじゃないかと思います。

 どうせ買うなら全ての機能が使える端末がいいのですが、一般的な女性のユーザーにとってSportはあまりに大きく、もし日本で発売されても手が出ません。かといって、適度なサイズのStyleは機能が少なすぎます(GPSは欲しい)。

 きっとこれから、Android Wear 2.0搭載のスマートウォッチがいろいろ出てくるでしょう。まずは2月27日からバルセロナで開催されるイベントのMWC(Mobile World Congress)に期待です。HuaweiやZTEが新製品を発表するとのうわさです。

 もちろん、日本のユーザーとしてはカシオ計算機ソニーにも期待です。カシオが「BABY-G」のAndroid Wear版を出してくれたら絶対買います。

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