iPhone誕生10周年に見た「macOS」「watchOS」「tvOS」の進化(1/5 ページ)

» 2017年06月21日 19時19分 公開
[林信行ITmedia]

 WWDC 2017の基調講演を振り返って最も印象的だったのは、Macの発表が充実した講演だったことだ。AppleはVRコンテンツ制作など新領域への対応を強化したほか、かなり意欲的な新技術を盛り込んだ新OS、「macOS High Sierra」を発表した。


 それと同時に、iMac、MacBook、MacBook Proの全7モデルを第7世代Core(開発コード名:Kaby Lake)を搭載した新モデルに刷新。その上、年末に発売予定のプロフェッショナル向け新モデル、iMac Proの詳細も披露した。しかも、基調講演後には、このiMac Proとは別にMac Proの後継となるディスプレイセパレート型のプロ用デスクトップ製品も開発中であることを明かしており、iOS全盛の今でもコンテンツ制作の道具として高性能、大容量と圧倒的な操作性を誇るMacに本腰を入れていることを示してみせた。

 WWDC 2017基調講演レポート第3弾では、世界第2位のパソコンプラットフォームであるMacの進化とあわせて、Apple TV用のtvOSとwatchOSについても紹介したい。

watchOS 4:腕の中で進化するインテリジェンス

 あらゆる動画配信サービスを「アプリ」に変えてしまったAppleTVのtvOSについての発表はシンプルだった。Hulu、Netflixなど既に50以上ある動画配信アプリの1つとして人気が高く、オリジナル番組も多いAmazon Prime Videoが加わる。現時点では日本のPrime Videoがいつごろ対応するかなどは不明だが、とりあえず米国では秋にも対応する模様だ。

 世界で最も売れているスマートウォッチ「Apple Watch」のwatchOSは、これと比べるとかなり本格的に進化する。最新バージョンであるwatchOS 4の特徴は、Apple Watchの顔ともなる時計の盤面にいくつか新しいバリエーションが加わったことだ。


 最大の特徴はSiriフェース。Siriインテリジェンスが、ユーザーのスケジュールや、ユーザーの行動パターンから分析した利用しそうなアプリを、現在時刻や前後の行動などから類推して表示する。例えば、朝はその日の予定を表示するが、夕方になると日没時間やHomeKit対応の照明を操作するパネルなどが表示される、といった具合だ。

 盤面の左上にはSiriを呼び出すボタンも用意され、デジタルクラウンと呼ばれるリュウズを回せば、1年前の写真など他のオススメコンテンツも見ることができる。もっとビジュアル中心の盤面を楽しみたい人には、新たに万華鏡のようなアニメーションをする盤面も加えられる。


 最も子供たちから人気を得られそうなのはトイストーリーの盤面だろう。ウッディやバズ・ライトイヤー、ジェシーといったお馴染みのキャラクターがApple Watchの画面がつくたびに異なるアニメーションを楽しく演じてくれる。


 Apple Watchといえば、日々の生活の中での運動を意識させる「アクティビティ」機能が非常に人気が高いが、watchOS 4はユーザーの日々の生活習慣を見て、より達成しやすい目標を設定したり、良いタイミングを見計らってあと一息で目標が達成できることを知らせて背中を押したり、長期間に渡ってモチベーションを保てるように、前月の成果に基づいた、そのユーザーだけの達成しやすい月間目標を設定したりできるように進化し、目標を達成した際には、これまでよりも華やかなアニメーション表示で祝福してくれる。

 一方、日々、エクササイズをしている人のために「ワークアウト」のアプリも進化させた。すぐにエクササイズを計測できるように、開始までの操作が簡略化されたのに加え、水泳でプールの端までたどり着いて休憩をするたびに自動的にどれだけの距離泳いだかを泳法から算出して記録する機能、心拍数を測りながら激しい有酸素運動を行うエクササイズ法「高強度インターバルトレーニング」にも対応し、消費したカロリーをより正確に算出し記録する。水泳の後にサイクリングなど、続けて他のエクササイズをする場合も一連のエクササイズとして記録できるようになる。


 ちなみに夜間のランニングエクササイズ時に便利な機能として、Apple Watchの画面が定期的に点滅して、自動車などに自分の存在を分かりやすくする機能なども追加されている。

 エクササイズといえば、多くの人々はスポーツジムに通って、ジムに置かれたランニングマシーンなどの機器でエクササイズを行なっている。エクササイズ機器は、現在の走っている土台の傾斜具合など、Apple Watchが知り得ない情報を持っている一方で、Apple Watchはユーザーの心拍数などエクササイズ機器が持っていない情報を持っている。

 Appleは世界のエクササイズ機器の80%を占める7メーカーと提携して、将来のエクササイズ機器にApple Watchで軽くタッチをするだけで自動的に「ワークアウト」アプリが起動し、Wi-Fiを通して相互に必要データの通信が行われる仕組みを用意する。

 「ミュージック」アプリもSiriフェースや「ワークアウト」アプリ同様、カード状の情報パネルが縦に並び、それをデジタルクラウン(リュウズ)を回して選択する新しいデザインになった他、ユーザーが外出中に聞きそうな曲を自動的に同期してダウンロードする機能が追加されている。

 ハードウェア関係ではBluetooth通信機能が強化され、持続グルコースモニター(体に針を刺して血糖値の変化をリアルタイムで監視できる装置)やZeppのテニス、野球、ゴルフ用スウィングセンサー、サーフボード用のセンサーなど多彩な機器との連携が可能になる。


 watchOS 4は、この秋、Apple Watchに無料のアップデートとして提供される。

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