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» 2017年07月19日 13時43分 公開

Core Xの性能は? Core i9-7900XとCore i7-7740Xを比較する(4/4 ページ)

[石川ひさよし,ITmedia]
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Core i9-7900Xはシステム次第で1000Wクラスの電源も視野に

 消費電力は、先のCore i7-7740Xの不調から、高負荷時のみとした。GPU高負荷時とCPU高負荷時で分けたが、GPU高負荷時で用いた3DMarkのTime Spyも、DirectX 12でありCPUテストもあることから、ある程度CPU負荷がかかる。結果、Core i9-7900XのみほかのCPUより40W超ほど高い。

 GeForce GTX 1080 Ti(リファレンスクロック)を用いた最小構成で400Wを超えたため、電源出力としては800Wクラスが必須、システム次第では1000Wクラスが欲しいところだ。

 一方、CINBENCH R15はCPUに100%近い負荷をかけられるので、CPUごとの消費電力がより顕著に現れた。TDPで見るとさほどインパクトがあるわけではないが、今回の環境における実測値では、Core i9-7900XがCore i7-7740Xの倍以上の数字を出して目を疑った。Ryzen 7のTDP値との乖離(かいり)も、FXの時より改善したとは言え、まだ高いと感じていたが、これを見ればTDPなりのように見える。

消費電力

Core i9は互換性重視のワークステーション用途が最適か

 Core i9-7900Xの消費電力の高さにひるむ方も多いだろう。もちろんそれはCPUの発熱度合いにも直結する問題だ。アドバイスとしては、今回の検証のように、簡易水冷や空冷の場合は大型で高性能なものを選ぶのがよい。

 もう少し詳しく言及すれば、まずゲームやPCMark 10のSpreadsheetのようにCPU負荷がそこまで高くないものについては、CPUクーラー側の性能がよい前提であれば、どの3つのIntel CPUも同じようなCPU温度で推移した。CPUクーラーの性能とマザーボードのファン制御の優秀さに助けられているとも言える。

 もっとも、CPU温度がクーラーによってどうにかなるにせよ、ほとんどのビジネスソフトやゲームがここまでのコア/スレッド数を求めていないため、パフォーマンスを持て余すことになる。次に記すように、CPU処理性能を求めるソフトの使用割り合いを考慮したうえで検討するのがよい。

Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands実行中のCPU温度

 続いて、CPUをフルに活用するCINEBENCH R15などの場合、Core i9-7900Xはガツンと80度台半ばまで上昇し、ほかの2つのIntel CPUに大きな差をつけた。この点でも、Core i9-7900Xを利用するならば、高性能なCPUクーラーを強くオススメする。90度、100度を超えるようでは不安が残る。

 そして、好意的にとれば、Core i9-7900Xは処理性能が高いため、CINEBENCH R15時の高温状態も、ほかの2つのCPUと比べれば短時間で済む。3DCGのレンダリングや映像のトランスコードなど、「処理の量が決まっているもの」に対しては、処理時間が短くて済むぶん、CPUが高温となる時間、消費電力が増大する時間が短い。十分な予算があり、できるだけすみやかにデータを処理しなければならない用途では、現時点での最有力候補となるだろう。そして、それが周辺機器やソフトウェアなどを含めた互換性重視のPCであるならばなおさらだ。まさにワークステーション用途だ。

CINEBENCH R15実行中のCPU温度

 Core i9-7900Xはの価格は11万5000円前後(999ドル)と、Core i7-6950Xよりは引き下げられている。ただ、10万円を軽く超える製品であるため、気軽に手を出せるものではない。加えて、グラフィックスカードが必須、マザーボードもCore i7-7700K向けのものよりも高価で、電源も大出力のものが必要になる。コストパフォーマンスを考える場合、同じ999ドルが予定されているRyzen Threadripperのシステムコストが出てから検討しても遅くはない。

 それでは、Core i7-7740Xについてはどうだろう。ベンチマークで見てきた通り、性能や消費電力などの傾向はスペック的に近いCore i7-7700Kとほぼ同じだ。メモリのチャンネル数も同一。ただし、GPUを搭載しない点が異なるのと、ZやH系チップセットとのマザーボードの価格差もある。

 初回のCPU価格はCore i7-7700Kよりも若干高そうだが、そこまで高価ではないようなので、グラフィックスカードを用いる前提で、将来的により多コアのCPUを使ってみたいというのであれば、候補に入れてもよさそうだ。

 マザーボードについても、Core i7-7740Xで利用する間は制限があるものの、ストレージが豊富であり、より多コアのCPUに乗り換えたときには、Core i7-7700Kで利用できるマザーボードよりも多くのPCI Expressが利用できる。具体的なアップグレードプランを描いてから検討したい。

ブルースクリーンの原因は無線LANドライバ?

 今回、Core i7-7740X→i9-7900Xの順でテストを実施した。Core i7-7740Xでは問題なく動作していたにもかかわらず、i9-7900Xに交換した直後からブート中やOS起動後、あるいはベンチマーク完了時など、タイミングを問わずブルースクリーンが多発して頭を悩ませた。

 エラーを調べたところ、どうやら無線LAN機能に起因しており、ドライバを無効化することで収まった。マザーボードメーカーの話によると、これはWindows 10 Creators Updateと、Intel製無線LAN、そして特定のバージョンのドライバの組み合わせで、かつ論理コア数が16を超えるCPUで発生する現象であるようだ。

 マザーボード付属の無線LANドライバがどのバージョンになるのかにもよるが、Core i9-7900Xを購入して同様のトラブルが生じた場合は、一時的に無線LANを無効化し、有線LANを用いて無線LANドライバを最新のものに入れ換える方法を試してみてほしい。


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