4万9800円のフルHDノートPC 新「乃木坂46 CM記念モデル」実力検証(3/3 ページ)

» 2017年12月29日 08時00分 公開
[長畑利博ITmedia]
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性能はほぼ前モデルと同等

 ではベンチマークテストで実際の性能を検証していこう。ベンチマークテストの内容は、旧乃木坂モデルで行ったものに近い構成にしている。本製品の仕様を列記しておくと、CPUはCeleron N3450、メモリはDDR3L-1600 4GB、グラフィックスチップはCPU内蔵のIntel HD Graphics 500、システムストレージはSerialATA接続の240GB SSD、OSはWindows 10 Home(64bit版)だ。液晶ディスプレイとストレージを除いてはほぼ旧乃木坂モデルと同じである。

 最初は3Dデータのレンダリング処理でCPU性能を測る「CINEBENCH R15」からだ。結果はCPUで134(cb)、シングルコア時で44(cb)となった。旧モデルよりも若干数値が落ちているが、これは画面の解像度が1920×1080ピクセルにアップしたことが影響しているものと思われる。

CINEBENCH R15のスコア

 さらに同じグラフィック系ベンチマークの3DMarkの結果を見てみよう。今回のテストで最も負荷が重いFire Strikeは337、DirectX 9環境のIce Stormでは26127、DirectX 10環境のCloud Gateは2427、DirectX 11環境のSky Diverは1211という結果になった。こちらもややベンチマークの数値が旧乃木坂モデルよりも落ちている。

3DMark FireStrike(画面=左)と3DMark Sky Diver(画面=右)の結果

3DMark Cloud Gate(画面=左)と3DMark Ice Storm(画面=右)の結果

 続いてゲームアプリを動かすベンチマークテストを使用した。ここは旧モデルと異なり、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」を計測している。設定を標準品質(ノートPC)、解像度1280×720ピクセルにしてもスコアは1281「設定変更が必要」という結果になった。同様に「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」でも、1280×720ピクセルの標準設定で2495(「やや重い」)となった。当然の結果とも言えるが、旧モデル同様、ゲーム用途はやや厳しいだろう。

紅蓮のリベレーターベンチマーク(標準品質ノートPC、解像度1280×720、DirectX 11、ウインドウモード時)のテスト結果

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト(解像度1280×720、グラフィックス設定を標準品質)のテスト結果

 今度はシステム全体の総合性能を見るPC Mark 8だ。結果はHomeが1747、Creativeが2044、Workが2509という結果になった。旧乃木坂モデルとの大きな差は見られないものの、全体的にやや数値が下がっている。こちらもディスプレイの解像度アップの影響が出ているようだ。もっとも通常のビジネスアプリケーションや動画再生などに関しては極端な差はないと思われる。

左からPCMark 8 Home、同Creative、同Workのテスト結果

 次はストレージのベンチマークテスト、CrystalDiskMarkだ。ストレージは前モデルと異なる部分の1つ。旧乃木坂モデルではストレージ容量が120GBだったのに対して、本製品では240GBにアップしている。実際のスコアはシーケンシャルリードが500.1MB/秒、ライトが266.5B/秒という結果で、読み込み性能は若干、書き込み性能については倍以上高速になっている。旧モデルでは若干難のあったランダムアクセスやマルチキュー&マルチスレッドを処理する4KQ32T1も大幅に性能がアップしている。

CrystalDiskMark 6.0.0のベンチマーク結果

 最後にPC USERで標準的に利用されているBBench V1.01でバッテリー駆動時間を計測した。設定は旧乃木坂モデルのときと同様に、キーストロークをオン、Web巡回オン、ネットワーク接続をWi-Fi、PCの電力設定をバランスに指定している。

 メーカー公称値は旧乃木坂モデルと同じく約5.4Wでは実働3時間49分だった。それが今回は今回は4時間25分と大幅に実働時間が延びている。考えられる理由としては、液晶パネルの消費電力が減ったこと、もう1つの理由は評価時の室温の違い(旧乃木坂モデルでは季節が夏だった)で、今発熱によるファン回転が減少したことなどが考えられる(実際に3DMark Fire Strike動作時の発熱をチェックしてみたところ、最高温度は旧乃木坂モデルと比べて約1℃低かった)。

Fire Strike実行中の温度変化グラフ。最高値は75℃と若干低い。冬なのでベンチマーク中の温度もやや低め

基本性能の向上で実用性はアップ

 旧乃木坂46 CM限定モデルとCPUやメモリ容量などは変化がないものの、画面解像度がフルHDに対応したことや、ストレージ性能の向上など、地道な改善がみられる。解像度がアップしたことで処理性能が若干落ちている部分もあるが、本製品の主用途であろうWeb閲覧や文書作成、オフィス系ソフトの利用では、画面解像度の広さのほうがメリットは大きい。こうした実用的な性能を持ちながら、4万9800円(税別)という手の届きやすい価格を実現している点は注目に値する。低予算でほどほどの性能をもつPCが欲しい人に、強くお勧めできる製品だ。

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