JBLのスマートスピーカー「JBL LINK 20」と「Google Home」を比較して分かったこと山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/3 ページ)

» 2018年01月27日 06時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

セットアップ手順は一般的

 セットアップの手順は、他のGoogleアシスタント対応スマートスピーカーと違いはない。スマートフォンにGoogle Homeアプリをインストールした状態で本体の電源を入れると、アプリが本体を認識するので、後は手順に従うだけだ。ちなみに冒頭で紹介したJBL LINK 10も同様の手順でセットアップが行えた。

JBL LINK 20JBL LINK 20 スマートフォンにGoogle Homeアプリが入った状態で本体の電源を入れると、アプリがJBL LINK 20を自動検出する(画像=左)。スピーカーから音が聞こえたら問題なく接続できているので、「はい」をタップしてセットアップを開始する(画像=右)
JBL LINK 20JBL LINK 20 置き場所を選択(画像=左)。この後は、Wi-Fiの設定、Googleアシスタントの設定を行う。音楽の再生にこのスピーカーを使うか否かを設定できる(画像=右)。これまで他のスピーカーでは表示されなかった画面で、筆者宅が複数のスマートスピーカーを設置しているためだとみられるが、詳細は不明だ
JBL LINK 20JBL LINK 20 設定完了(画像=左)。この後、音声コマンドでのやりとりの例が表示されるので、それを参考にして操作するとよい。利用開始前に、ユーザー補助機能で応答音をオンにしておくと分かりやすくなる(画像=右)

天板のボタンで音量を細かくコントロール可能

 今回はソニーおよびオンキヨーの製品と同時に使い比べておらず、それらとの比較はできていないが、実際に使ってみた限り、Google Homeとは比較にならない音質の良さだ。音は全方向に広がるタイプなので、リビングのテーブルの中央に置き、室内のどの方向からでも聞くことができる。

 また音量をかなり小さく設定できるのも、個人的には好印象だ。この手の製品は、海外ではどれだけ大きい音を出せるかが評価の対象になることが多く(レビューを見ていてもそうしたコメントは多い)、そのせいか音を小さく絞るのが苦手な製品が多い。各国の住宅事情も影響しているだろう。

 しかしJBL LINK 20は、音量を5%以下まで下げると、通常ではほとんど聞こえず、耳を近づけるとようやく聞こえる程度になる。周囲に聞こえないよう、音量をぎりぎりまで下げて枕元で音楽などを楽しむ用途にはぴったりだろう。

 ちなみに本体天板の音量調節ボタンでも、かなり細かいコントロールが行える。Google Homeアプリで音量0〜30%の範囲でチェックしたところ、ボタンを1回押すことで14%よりも下は4%ずつ、それより上は3%ずつ音量が変化するようだ。

 2%ずつ上げ下げできるオンキョーのG3にはかなわないが、本体では一律5%でしか上げ下げできないGoogle Homeに比べると、手動だけで十分に細かい調整が可能だ。こうしたボタン操作での使い勝手の良さは、オンキヨーのG3と双璧と言える。

JBL LINK 20 天板の物理ボタンで音量を細かくコントロールできる

 その一方、Googleアシスタントの音量は、かなり大きめに感じられる。音を小さく絞って聞いている場合も、アシスタントだけはやたらと大きな声なので、耳障りに感じることもしばしばだ。

 また電源の再投入時にも、そのことを知らせる短いメロディが鳴るのだが、この音もやや大きい。恐らくGoogle側が用意した初期状態のままなのだろうが、もう少し控えめの方がよかったというのが本音だ。

バッテリー内蔵ならではの作り込みは?

 さて、JBL LINK 20の最大の特徴は、バッテリーを内蔵しており、ワイヤレスで使用できることだ。JBL LINK 20はIPX7の防水機能を備えることから、メーカーでは「キッチンや浴室など水しぶきが気になる場所に持ち出して音声操作や音楽再生ができます」としている。

 実のところ、バッテリー駆動と聞いて筆者が期待したのは、通常は部屋のデスク周辺に設置して使用し、就寝時には枕元に持っていき目覚ましに使うという利用スタイルだ。これならば、居場所ごとにスマートスピーカーを設置しなくて済むため、トータルでの導入コストを安く上げられる可能性がある。

 が、実際に使ってみて、こうした使い方は不可能であることが分かった。というのもJBL LINK 20はバッテリー駆動時には、操作や音声入力が1時間ないとスリープする仕様だからだ。これでは就寝前には使用できても、起床時にアラームを鳴らすことができない。メーカーに確認したところ、この「1時間」という時間を変更したり、オフにしたりはできないとのこと。

 もちろん、置き場所ごとに充電用のケーブルとアダプターを設置しておけば、これに近い使い方ができるのだが、バッテリー利用時のJBL LINK 20の連続再生時間は公称10時間とかなり長く、わざわざスリープにしなくとも待機状態で起床時まで持たせることは可能なはずで、そうした使い方が想定されていないのは少々もったいないと感じる。

JBL LINK 20 本体をスリープさせないためには、ケーブルをつないで常時給電している必要がある

 また、試した限りでは、バッテリーが減った際の音声通知もない。JBL LINK 20と同様にバッテリー駆動に対応しているLINEの「Clova WAVE」では、バッテリー残量が20%、10%、5%、0%になると音声でそのことを知らせてくれるし、国内未発売のAmazon TapもAlexaがその旨を通知してくれるのだが、JBL LINK 20はいつの間にか電源が切れてしまっている。

 バッテリーの残量は、背面の電源ボタンの上部にあるLEDで確認でき、残りわずかになるとLEDが白から赤に変化するのだが、いかんせん本体背後であるため、前後逆の向きにしないと見えない。筆者は今回の試用期間中、LEDがいつでも確認できるよう、JBL LINK 20を常に後ろ向きに置いていたほどだ。この辺り、少々ちぐはぐな印象を受ける。

JBL LINK 20 バッテリーの残量を示すLEDは、本体背面、電源ボタンの上部にある。むしろこちらが本体の正面でもよかったように思える

 なお、JBL LINK 20は「OK Google」という呼びかけには反応するのだが、「ねぇ Google」というウェイクワードに反応しない。メーカーによると今後アップデートで対応するとのことだが、本来ならば国内発売時点で対応しているのが普通で、実際のところ使い勝手の面でも大きなマイナスだ。早期の対応を要望したい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年03月28日 更新
  1. Synology「BeeStation」は、“NASに興味があるけど未導入”な人に勧めたい 買い切り型で自分だけの4TBクラウドストレージを簡単に構築できる (2024年03月27日)
  2. 「ThinkPad」2024年モデルは何が変わった? 見どころをチェック! (2024年03月26日)
  3. ダイソーで330円の「手になじむワイヤレスマウス」を試す 名前通りの持ちやすさは“お値段以上”だが難点も (2024年03月27日)
  4. ダイソーで550円で売っている「充電式ワイヤレスマウス」が意外と優秀 平たいボディーは携帯性抜群! (2024年03月25日)
  5. ミリ波レーダーで高度な検知を実現する「スマート人感センサーFP2」を試す 室内の転倒検出や睡眠モニターも実現 (2024年03月28日)
  6. 次期永続ライセンス版の「Microsoft Office 2024」が2024年後半提供開始/macOS Sonoma 14.4のアップグレードでJavaがクラッシュ (2024年03月24日)
  7. いろいろ使えるFireタブレットが最大7000円オフ! Echo Budsは半額以下で買える! (2024年03月26日)
  8. 2025年までに「AI PC」を1億台普及させる――Intelが普及に向けた開発者支援をアップデート ASUS NUC 14 Proベースの「開発者キット」を用意 (2024年03月27日)
  9. 15.5万円の有機ELディスプレイ「MPG 271QRX QD-OLED」に指名買い続出 (2024年03月25日)
  10. サンワ、Windows Helloに対応したUSB Type-C指紋認証センサー (2024年03月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー