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» 2018年09月25日 17時00分 公開

山口真弘のスマートスピーカー暮らし:スマートスピーカーの聞き取り性能を徹底比較(傾向と対策まとめ) (1/2)

スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はこれまでにお届けしたスマートスピーカー9製品の聞き取り性能テストの結果を踏まえて、シリーズごとの傾向と課題について考察する。

[山口真弘,ITmedia]

 本企画では、2018年9月時点で国内で市販されている、サードパーティー各社の製品を除いたスマートスピーカー9製品について、距離および音量を変えつつ、聞き取り性能をチェックしてきた。

 第1回はコンパクトモデル編として「Amazon Echo Dot(第2世代)」「Google Home Mini」「Clova Friends Mini」を、第2回はスタンダードモデル編として「Amazon Echo」「Google Home」「Clova Friends」を、そして第3回は大型・画面付きモデル編として「Amazon Echo Spot」「Amazon Echo Plus(第1世代)」「Clova WAVE」の聞き取り性能を比較した。

smartspeaker 今回テストしたスマートスピーカー9製品

 最終回はこれまでのテスト結果を踏まえて、シリーズごとの傾向と課題について考察する。

「Amazon Echo」シリーズ──極めて高い聞き取り性能

Echo Amazon「Echo」シリーズ。「Echo Spot」(前列左)、「Echo Dot」(前列右)、「Echo Plus」(後列左)、「Echo」(後列右)
Echo Amazon「Echo」シリーズ、音量「小」の聞き取り性能の比較
Echo Amazon「Echo」シリーズ、音量「中」の聞き取り性能の比較
Echo Amazon「Echo」シリーズ、音量「大」の聞き取り性能の比較

 Amazonの「Echo」シリーズはいずれのモデルにおいても聞き取り性能は極めて高く、他社ではムラのあることが多い音量「中」でもほぼ完璧に聞き取れている。スマートスピーカーの元祖といわれる製品であり、これまでに世代を重ねている分、後発メーカーに比べて一日の長があると見てよいだろう。

 また以前行った別のテスト結果からも分かるように、テレビの音声での誤反応も起こりにくいなど、スマートスピーカーとしては理想的な製品といえる。後述するが、Clovaシリーズのように、ウェイクワードには反応するものの、それに続く音声コマンドを認識できずに固まってしまうこともほぼない。

 唯一気になるのはコンパクトモデルの「Echo Dot」で、音量「中」では聞き取り可能な範囲が斜め方向に分布するという、他にない変わった傾向を示している。意図的にそのような設計になっている可能性はあるが、それを差し引いても性能は全体的に低い。特に同じコンパクトモデルである「Google Home Mini」と比べると、垂直方向の聞き取り性能の低さは気になるところだ。

 コンパクトタイプのモデルは、ボディーサイズが限られることから、今後のモデルチェンジで出力側の性能が劇的に向上するとは考えにくく、むしろ聞き取り性能の弱さをどれだけ改善できるかがポイントになる。10月に発売される第2世代モデルでどのような進化が見られるかに注目したい。

「Google Home」シリーズ──離れた位置からの聞き取りが課題

Echo Google「Home」シリーズ。「Google Home」(左)、「Google Home Mini」(右)
Echo Google「Home」シリーズ、音量「小」の聞き取り性能の比較
Echo Google「Home」シリーズ、音量「中」の聞き取り性能の比較
Echo Google「Home」シリーズ、音量「大」の聞き取り性能の比較

 Googleの「Google Home」シリーズが面白いのは、スタンダードモデルであるGoogle Homeと、コンパクトタイプのGoogle Home Miniとで、聞き取り性能にほとんど差がないことだ。むしろエアポケットのように聞き取れないゾーンが存在しない分、コンパクトなGoogle Home Miniの方が優秀といえる。通常、同一メーカーのスマートスピーカーは、同一世代のモデルであればコンパクトモデルの方が聞き取り性能が低いのが普通なので、意外といえば意外だ。

 両モデルに共通する課題としては、やはり小さな声への対応だろう。ライバルであるEchoシリーズ(Echo Dotを除く)は、小声でも聞き取れるケースが多く、今後モデルチェンジで強化すべきポイントがあるとすればそこだろう。特にGoogle Homeの聞き取り性能の向上は急務といえる。

 また両モデルとも、音量「中」以下では距離が2mを超えたあたりから、聞き取り性能が低下する傾向があるのも気になるところ。中でも発売から約2年が経過しようとしているGoogle Homeは、性能向上を図ってモデルチェンジのうわさが聞こえてきてもよさそうなものだが、最近の同社は画面付きスマートスピーカーの「スマートディスプレイ」を積極的に推進していることもあり、今後の展開がやや気掛かりではある。

 余談だが、画面付きのスマートディスプレイは、情報を画面に表示する関係上、離れた位置に置くことは考えにくい。つまり室内でのカバー範囲を考えると、スマートディスプレイは近距離、スマートスピーカーは広域と役割を分担するのがベターに思えるが、現行のGoogle Homeシリーズの特性は、どちらかというとその逆にあたる。これらのすみ分けを今後どう改善していくのかも気になるところだ。

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