達人レビュアーが選んだ2018年のイチオシPC2018年ベストガジェット(2/3 ページ)

» 2018年12月29日 19時54分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]

増設の余地がある薄型軽量ノート――「LG gram」

 これもまた2018年スタイルのモバイルノートPCの1つ。第8世代Coreに、ディスプレイ出力も充電も可能なUSB Type-Cを搭載し、狭額縁デザインで1クラス上の画面を搭載している。72ワットアワーという大容量のバッテリーが搭載されている(通常は50ワットアワー前後)のでバッテリー駆動時間も長い。

2016年モデルからUSB Type-Cの活用に積極的だったLG Gram。2018年モデルは72ワットアワーという大容量のバッテリー搭載、最長27時間駆動(公称値)も魅力の1つだ

 15型で1095g、14型995g、13型で965gという3サイズで展開されているのもポイント。特に15型で1095gは他にはないだけに貴重。個人的にはテンキーが邪魔に感じるが、インタフェースも充実しているし、実際に手に取ってみると思った以上に堅牢で安心感がある。

 さらに特筆できるのは、これだけの薄型軽量でありながら、メモリとストレージの換装や増設の余地を残していること。底部のカバーを開けると、SO-DIMMソケットと2基のM.2ソケットにアクセスでき、ネットを検索すればメモリやストレージの換装や増設に成功した報告を多数見つけることができる。

 このような換装や増設を行った場合、メーカーの保証対象外となるリスクはあるものの、このクラスの薄型軽量ノートPCでこれほど換装や増設の余地が残されている製品は最近では極めて珍しく、それだけで価値がある。保証期間の1年というのは意外に早くたつもので、1年後に性能に不満が出てきたあとも増設や換装でパワーアップする余地があるというのはうれしい。もちろん、リスクを承知ではじめから大容量メモリや大容量ストレージを単体で別途購入し、自己責任で増設して安くハイスペックマシンを手に入れる選択肢もある。

 薄型軽量化が進んだことでこのようなメンテナンス機構は軽視されがちだが、換装や増設を行って使っているユーザーは決して少なくない。自己責任に委ねるだけでなく、LGでは公式の増設換装サービスも行っている。スペックに対するユーザーニーズは多様化しているだけに、このような形で応えていくのもまた1つの方法だろう。

待望のハイスペックトランスポータブル――「ThinkPad X1 Extreme」

 省電力、放熱、堅牢性など、回路設計や素材の研究含めてノートPCの技術革新はめざましい進化を遂げているが、それが還元されるのは13型クラスかそれ以下のモデルが中心だ。「13型を800gで作れるその技術を生かして、重量は2倍でいいから大画面で高性能な、スリムでかっこいいトランスポータブルなPCを作ってくれませんか」というのが筆者の願いだった。

 2kg未満のトランスポータブルなPCで、筆者の求めるクオリティーを満たせるものには、これまでMacBook Pro(15インチ)という存在があった。実際に2015年までは15インチのMacBook Proを使っていたが、近年はタッチバーを含めた幾つかの理由によりMacBook Proは筆者の選択肢から外れている。

「ThinkPad X1 Extreme」。買わない選択肢がなかった

 近年は重量無視でゲーミングPCを使ってみたり、いわばMacBook Pro難民状態でふらふらとしていたが、いきなり決定版として現れたのがThinkPad X1 Extreme。ThinkPad X1 Carbonなどで培った技術が惜しみなく投入された究極のトランスポータブルPCだ。本製品が搭載しているのは、Intelの第8世代Coreの中でも高性能ノート向けのHシリーズ(Coffee Lake-H)。6コア・12スレッドのメニーコア仕様で、ベンチマークテストではもはや第7世代Core搭載のデスクトップPCを超える。

 外部GPUがNVIDIA GeForce GTX 1050 Tiというのも絶妙だ。個人的には、現在最新の放熱技術をもってしても2Kg未満のフォームファクターでは最大でもGTX 1060までがヘビーユースに耐える水準だと思っている。多くのクリエイティブツールではGPU活用はアクセラレーションにとどまるので、GPUのグレード差ほどの性能差はないことを考えてもクリエイティブとしてはベスト、フルHDならば大抵のゲームはプレイできるのでゲーミング向けとしても使えるだろう。

 重量は1.84kg(FHDモデルは1.71kg)と理想(1.6kg程度)を少しオーバーしているが、ThinkPadクオリティーの堅牢性と入力環境ならばこのくらいは許容範囲だ。個人的にも既にオーダー済みで、Core i7-8750H、64GBメモリ、GeForce GTX 1050 Ti、4K UHD液晶、1TB PCIe SSDのスペックでオーダーした(残念ながら未到着)。

 3年保証も追加し、近年PCに使った最高額になってしまったが、長年ThinkPadを使ってきて、堅牢性や放熱設計、キーボードの使い勝手には全幅の信頼を置いているので、これだけ理想的なスペックならば買わないという選択肢はなかった。今後もハイエンドユーザー向けの選択肢として、同シリーズが継続してくれることを願っている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月10日 更新
  1. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  2. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  3. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  4. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  5. Apple Siliconはなぜ「オンデバイスAI」に強いのか? NVIDIA「RTX Spark」との比較で読み解くシリコン設計の哲学 (2026年06月08日)
  6. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  7. 高騰中のSSD、品薄のHDD──けれど“最終処分”のニーズは変わらず (2026年06月06日)
  8. 新GPU「RX 9070 GRE」搭載カード発売! 既存上位モデル「RX 9070 XT」との価格差に悩む声も (2026年06月08日)
  9. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  10. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー