日本HPが2019年1月23日、報道陣向けに事業説明会を開催した。
冒頭、同社代表取締役 社長執行役員 岡隆史氏が同社の業績について「2018年度は全ての事業、全ての国で成長ができた珍しい年度となり、改めて自信を深めている。一方で将来を考えると、今ある事業だけでなく戦略的な投資を積極的に行っている最中だ。新しいサービスモデルを考えながら、コア事業を成長させていくこれまでの方針に変更はない。国内の成長率は13期連続で成長を続けており、PC事業の直近5期は業界の中で最も成長率が高く、国内シェアも15%に伸びた。しかし、グローバルの成長率は23%なので追いつけ追い越せで頑張っている」と述べた。
岡氏は「HPは1939年に米パロアルトで設立され、2019年で創立80周年を迎える。これまでも世界初のオーディオ発振器を皮切りとして、新しいイノベーションを届けてきたが、それが成長の母体となっている。HPのワールドワイドでテーマとなっているのが“持続可能性”で、ビジネスの中でエネルギーの使い方や環境保護といった観点で、HPとして意識してケアをする対象を地球と捉えてやっているイメージだ」と解説した。
さらに「日本の常識は世界と違うということは分かっており、世界のスタンダードを一番いい形で国内にお届けするのが日本HPの使命だ。そのために工場やコールセンターを日本独自のものとして持ち、日本の顧客に最適なものを届け続けるというのが日本HPの最大のミッションとなる」とまとめた。
コア事業の一つとなるPC事業については、専務執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の九嶋俊一氏が登壇し、「PCの事業は2015年度から、“コア・成長・将来”というカテゴリーに分けてそれぞれに取り組んでいくという大きな戦略は一貫している。2018年度は個人向けPCでデザイン訴求やゲーミング領域で成長していくとし、法人はデザインに加え、セキュリティ強化や月額課金と付加価値のサービスを強化してきた。将来という意味ではVR市場を立ち上げるべく先進事例に注力した」と総括。
「その成果として、個人向けでは13型のプラミアムノートPC市場では2倍に成長(出荷台数の前年同期比成長率)したのと、国内のゲーミングPC出荷台数で第1位を獲得(2018年度第1四半期〜第3四半期の累計出荷台数)したのがポイントだ」と振り返った。
さらに九嶋氏は「日本のPCの市場は15型の古いPCを使っている人がまだまだ多く、2019年は積極的に15型プレミアムノートPCを訴求する。法人市場では、PCのセキュリティが経営課題になると考えており、日本や米国の新しい基準にきちんと答えた上で製品やサービスを届けていきたい」と新年度に向けた意気込みを語った。
昨今話題になっているIntel製CPUの供給不足については、「日本のお客様の需要に応える形でCPUの確保に努めている。各メーカーに対して十分な供給がなされていないのは事実だが、国と国との力関係なので、日本では今これだけ大事なんだということを週替りでコミュニケーションしている最中だ」と岡氏および九嶋氏が説明した。
※記事初出時、グラフの説明などで誤りがありました。おわびして訂正いたします(2019年1月25日)
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