ここからベンチマークテストで性能をチェックしていこう。今回テスト環境は別表の通りで、今回は、Z370チップセットの環境を利用した。比較対象には、先代の970 EVOの1TBモデルを用意。OSはWindows 10 Pro 64bit(1809)だ。
まずは、ひよひよ氏制作の定番ベンチマークテスト「CrystalDiskMark 6.0.2」で基本性能を見よう。テストデータのサイズは4GiBと32GiBも実行した。データタイプは標準のRandomを利用している。
シーケンシャルリード・ライトは公称値通りの数値。テストサイズが32GiBになっても変わらない。QD1の4Kリードでも970 EVOより少しだがスコアアップしている。
HD Tune Pro 5.70のTransfer Benchmarkでテストサイズ200GBで転送速度の推移を見た。
まずオレンジ色のシーケンシャルライトのグラフに注目。970 EVO Plus、970 EVOともにIntelligent TurboWriteによるSLCバッファーを利用している。バッファー容量はどちらも最大42GBなので、40GBを超えたあたりで性能が急落するのは仕様通り。
急落する前と急落した後のパフォーマンスに注目だ。970 EVOでは、急落前が2400MB/s前後、急落後が1200MB/s前後だ。970 EVO Plusは、急落前が2800MB/s前後、急落後が1500MB/s前後と、どちらもパフォーマンスが向上している。公称値ではSLCバッファー外の転送速度は1700MB/sなので少し及ばないが、それでも970 EVOからの性能向上は明らかに分かる。
FINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークのローディングタイムを計測した。計測条件は、3840×2160ピクセル、最高品質。970 EVOと比べて少し良いスコアが出ている。
システムSSDからのファイルコピー(書き込み)時間を比較した。コピーに利用したのはSteamのゲームフォルダで、54GB、96GB、150GBの3種類を比較した。ここでは同じ環境で計測した860 EVO、860 QVO(いずれも4TBモデル)の結果も併記する。
Intelligent TurboWriteのSLCバッファー容量は、970 EVO Plusと970 EVOは最大42GB。それを超えるデータの書き込みは遅くなるわけだが、それでもSerial ATA 6Gb/sインタフェースの理論帯域(600MB/s)よりはるかに速い。
54GBのデータは、970 EVO Plus、970 EVOのバッファーには入りきらず、860 EVO/860 QVOのSLCバッファーには全て入る容量だが、前者の方が圧倒的に速い。970 EVO Plusは、970 EVOより確実に速くなっていることも分かる。
なお、今回はZ370チップセット環境でシステムSSDも評価SSDもチップセット側のPCI Expressに接続しているため、コピー時にはシステムバスであるDMIの帯域(約4GB/s)の影響を受ける。
実際、エクスプローラの表示を見ていると、970 EVO Plus、970 EVOともSLCバッファー有効時の転送速度は2GB/s前後で頭打ちになっていた。バス帯域に余裕があるX299やX399環境で行った方がより正確(970 EVO Plusと970 EVOの差はもっと開くと思われる)ではあろうが、今回は一般的な環境での評価ということでご容赦いただきたい。
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