震災8年目で改めて考える、終活込みのバックアップ天災にも人災にも耐えるバックアップ術(3/3 ページ)

» 2019年03月11日 11時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

データを物理的に残す手段も

 多少、穴があるバックアップ方法ですが、長期的にデータを残す、極力運用の手間を減らすという観点で今でも続けられています。実家にはSASIからSCSI、Parallel ATAやSerial ATAといったさまざまなコネクターのHDDがちょっとした山脈を形成していますが、いざというときはHDDをPCにつなぐだけでデータにアクセスできる(SASI用のPC-98は2台しか保存していませんが)安心感は何物にも代えがたいものです。

 細かいところですが、写真はデータとしてだけでなく、紙焼きとして残すのもお勧めです。今ではネットプリント(しまうまプリントなど)を使えば1枚6円程度で印刷してもらうことができます。別途送料やアルバム化すると追加費用が必要になりますが、紙焼き自体がバックアップとなるのはもちろん、印刷したものを手元に保存してみんなで見る、部屋に飾るといった際に重宝します。

Backup 場所は取りますが、写真データを印刷して“バックアップ”する方法も。VHSテープもデジタル化して保存します

 セキュリティとの兼ね合いは悩ましいところですが、終活を兼ねて簡易デジタルエンディングノートとして、A4用紙にPCやスマホのログインパスワード、各種クラウドサービス、NetflixやYouTube Premiumなどの有料サービス、ソーシャル関連のIDとパスワードに加え、銀行口座やネット銀行の口座をまとめて記入し、印鑑なども分かるところに置いておくことで“真のバックアップ”を完結させました。

 データの整理やバックアップとともに、部屋の震災対策も行いました。具体的には、重いものほど床に近づけて置く、高さ1m以上の棚やラックは置かない、できる限りものを減らすという生活を心がけてきました。ようやく、最後に残った水冷PCもつい最近になってリプレースでき、当初想定した環境が整った格好です。

 普段見過ごしがちなデータの保護や保全を考えるとともに、誰に何を残すのか残さないのか、いざというときに慌てない、周りも困らない対策を一度考えてみてはいかがでしょうか。

記事初出時、空港名に誤りがありました。おわびして訂正いたします(3月11日)。


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー