AMDがIntelに完勝する?――アキバを覆う非日常の風古田雄介のアキバPickUp!(1/4 ページ)

» 2019年06月04日 07時00分 公開
[古田雄介ITmedia]

 令和元年の10連休において、AMD製CPUのシェアがIntelを上回ったというショップがあった。それが局所的、一時的なものではなくなるかもしれない――。5月末にAMDが次世代となる第3世代Ryzenファミリーを発表したのを機に、そういった推測がアキバ自作PC街に広がっている。

アキバを覆う次世代Ryzen待ちの買い控えとIntelへの不安視

 あるショップは「コア性能も消費電力もコスパも、ハイエンド対決でIntelを圧倒しているということで、AMDファンに限らず相当注目されています。7月に登場する見込みということで、正直なところ現行世代の買い控えも起きていますね」という。

 買い控えについては「AMDファンの人は価格絶対主義の人も多くて、むしろ底値になった今のうちに現行のRyzenを買おうという動きもあります」(パソコン工房 秋葉原BUYMORE店)という声もあり、はっきりと潮が引いた状態にはなっていないようだが、CPUの主流が大きく揺らぐという予測はどのショップでも共通している。

 別のショップは「Intel製CPUの潤沢な供給は当分難しく、むしろ今後もっと厳しくなるとのうわさもあります。これで第3世代Ryzenが万全の状態で普及したら、ちょっと太刀打ちできないでしょう」と語る。

Ryzen TSUKUMO eX.の現行Ryzenとマザーボードのセット。Ryzen 7-2700Xを中心に好調さを維持しているという

 “万全の状態”という条件がつけられる背景には、AMD側が残す不安材料がある。TSUKUMO eX.は「AMDは発売して徐々にドライバの完成度が上がっていくというパターンが多いです。次回もその流れだったら、ビギナーは手が出しづらいでしょう」と懸念を明かす。

 また、パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「国内での価格設定ですね。2年前のRyzen Threadripperのようなことを繰り返したら、思い切り水を差すことになるでしょう。最上位の『Ryzen 9-3900X』が税込みで6万円台、理想としては6万6000円くらいで登場したら大ヒット間違いなしだと思います」と話していた。

Ryzen 第1世代「Ryzen Threadripper」は国内代理店価格のバランスが悪く、2週間後に2万円近く下がった経緯がある。各ショップは初回購入者のケアに追われた。画像は2017年9月当初のもの

 逆に、そうした落とし穴にはまらなければ、AMDがCPUの主流となることを非現実とみなすショップはないようだ。ドスパラ秋葉原本店は「2000年頃にあったPentium IIIとAthlonの“1GHz対決”のときでも、AMDがここまで優勢という感じではなかったです。今まで経験したことがない感じになるかもですね」と非日常に向き合うようにつぶやいていた。

 今後の動向に注目したい。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月22日 更新
  1. 「こりゃ買えないわ」の声――ついに30万円突破の128GB DDR5メモリも (2025年12月20日)
  2. 3COINSで1万6500円の「10.1インチ タブレット」を試す 雑に扱える手軽さで、子供や大人の2台目に検討の価値アリ (2025年12月20日)
  3. 香港と深センのPC向けメモリ/ストレージ価格はどうなっている? 日本の状況と比べてみた (2025年12月19日)
  4. Kindle本の一部がEPUBまたはPDF形式のダウンロードに対応/MicrosoftがWindowsライセンスの電話認証を終了 (2025年12月21日)
  5. Thunderboltがあればメイン環境を持ち歩ける? 「ThinkPad P14s Gen 6 AMD」と外付けGPUユニットを試してみた (2025年12月19日)
  6. ナカバヤシ、小型トラックボールを内蔵した薄型ワイヤレスキーボード (2025年12月19日)
  7. PC版「ホグワーツ・レガシー」の無料配布が間もなく終了 累計販売4000万本突破、“ハリポタ”舞台のオープンワールド・アクションRPG (2025年12月18日)
  8. スマートホーム“ガチ勢”向け「SwitchBot AIハブ」を試す 映像内の“出来事”をトリガーに家電操作できるAIカメラ実現 (2025年12月15日)
  9. Steamで2025年最後の安売り「ウインターセール」開催中! 恒例の「Steamアワード」も投票開始 (2025年12月19日)
  10. メモリは64GBキットを断念する空気感――128GBは何と20万円前後に (2025年12月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー