ここ1〜2年でにわかにクローズアップされるようになったデバイスに、スマートリモコンがある。家庭内にあるさまざまな家電製品のリモコン信号を登録しておき、スマートフォンからのコントロールを可能にする製品だ。
きっかけとなったのは、スマートスピーカーの登場によって声で家電製品を操作するというニーズが生まれたためだが、これはどちらかというと「こんなこともできますよ」というサブの機能であり、本命となるのは、さまざまな家電製品をスマホから操作できる機能だ。これ1つあればリモコンを探さなくて済むようになる。
この本来の機能にフォーカスしたのが、ここで取り上げるキングジムの「エッグ(EG10)」だ。名前からも分かるようにタマゴの形状をしており、これをデスク上に置いておくだけで、スマホを使って家庭内のさまざまな家電製品を操作できる。クラウドファンディングでの資金調達を経て国内発売が決まった本製品を試用した。本体価格は税別9800円だ。
エッグのボディーは、その製品名からも分かるようにタマゴそっくりの形状で、サイズも55(直径)×76(高さ)mmと、本物の卵(鶏卵)とほぼ同じだ。スマホとはBluetooth(BLE)で通信することに加え、電源は単3形乾電池×2本を使用することから、完全なケーブルレスでの利用となる。
一般的なスマートリモコンはUSBまたはACアダプターの利用が一般的なので、乾電池駆動というのはやや心細く思えるが、2本の単3形乾電池で最長6カ月も動作するとのことなので、ひんぱんに電池切れで使えなくなる心配はない。これが最長1カ月や2カ月ならば話は別だが、十分に実用レベルの値だろう。
セットアップの手順は一般的なスマートリモコンと同じで、まずスマホに専用アプリをインストールし、Bluetoothでのペアリングを実行。接続が完了したら、後は手順に従って、家電製品のリモコン信号を学習させる。
リモコンの登録方法は、3万を超えるというプリセットされた家電製品のリストから型番を選ぶ方法に加えて、該当メーカーで使われている信号を順番に試して型番を絞り込む「スマートマッチ」なる方法、さらに信号を1つずつ手動で学習させていく方法もある。
今回は、筆者宅の三菱電機製エアコンを上記の「スマートマッチ」で、海外メーカー製の照明器具を手動学習で問題なく登録できた。前者のエアコンはやや古い機種であるため、他社のスマートリモコンのプリセットに型番がなく、手動登録を強いられることも多いのだが、今回はスマートマッチのおかげでスムーズに登録できた。
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