以上のように、スマートリモコンとしては初心者向けの製品という印象だが、一通りの機能は備えており、なかなか便利に使える。当初は電池式ということで何か不便な部分があるのではと予想していたが、全くの見当外れだったようだ。むしろ完全ワイヤレスで、リビングのテーブル上などに置いて置けることこそが、本製品の売りだ。
ただし、実際に使ってみて、ちょっと気になった点が2つある。1つは本製品とスマホの組み合わせが、つねに1組だけに限られ、別のスマホからは操作できないことだ。
これはBluetoothによる1対1でコネクションを張っているのが理由のようで、ログアウトして別のスマホからログインすれば、複数のスマホからも操作できるのだが、同時に使うのは不可能だ。ログアウト後にBluetoothを手動でオフにすると、その瞬間に別のスマホで検出されることからも、完全な排他利用になっているのが分かる。
本製品を家族で共有する際は、わざわざこのようなログアウトおよびログインをするケースは考えにくいので、本製品は実質的に個人利用に限られることになる。登録した家電製品はクラウドにバックアップされており、別のスマホからログインしても再設定することなく使えるだけに、なんとももったいない印象だ。
また、本製品と組み合わせて使うスマホは、もし選ぶことが可能であれば、iOSではなくAndroidの方がよい。というのも、本製品に登録した家電製品をiOSで操作すると、まずアプリを起動し、次に一覧から目的の家電をタップしてインタフェースを開き、そこで目的のボタンをタップするという手順になる。
これに対して、Androidはホーム画面にウィジェットを配置できる。この差はとてつもなく大きい。
元々、本製品の連携アプリはメーカー名の「キングジム」も、製品名の「EGG」も入っておらず、他のアプリに埋もれて直感的に探しにくい。そうした意味でも、ホーム画面にウィジェットを配置できるAndroidであれば、アプリを探す必要もなく、すばやく操作できる。
それゆえ、もし古いAndroidスマホが自宅に眠っているのであれば、そこにアプリをインストールし、そのスマホ自体をリモコン端末として家族で共有するのも一つの手だろう。本製品を便利に使うためには、このように運用面でも一工夫が必要となりそうだ。
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