以上のように、機能自体は同等なのだが、Echoと使い比べると、使い勝手などの面で差を実感することもしばしばだ。詳しく見ていこう。
まずは何といっても、小声ではなかなか反応してくれないのが大きなネックだ。これは既存のFire HD 10でも見られる症状で、マイク性能がいまひとつだと思われる。Echoに慣れた人がいつもの感覚で使うと、全く反応してくれず戸惑うだろう。本製品が初めてのAlexaデバイスという人の方が、かえってなじめそうだ。
それ故、利用にあたってはなるべく手元に設置し、近い距離から呼びかけることが前提となる、リビング全体をカバーするような使い方はまず無理で、設置場所は事実上、デスク上やベッドサイドに限られるだろう。最も、画面に表示される情報を目視するためには、ある程度近づかなくてはならず、製品のコンセプトと機能の整合性は取れているともいえる。
加えて、先にも述べたShowモードが使えないのもマイナスだ。スタンバイ中に時計やトレンドが表示されないのは好みの問題なのでまだいいとして、遠くからでも見やすいように大きいフォント、大きいアイコンで情報を表示するShowモードをサポートしないため、遠くからでは画面が見づらい。やはり手元に置いて使うのが前提となるだろう。
設定関連も、呼びかけ時の応答音がデフォルトでオンになっていて無効にできなかったり、Echoでは4種類から選べるウェイクワードが「Alexa」「Amazon」の2択しかなかったりと、気になる点がちょくちょくある。
以上のように、Echoはもちろん、Fire HD 10と比べても機能は限定的で、簡易版という表現がぴったりだ。本格的にスマートスピーカーを中心としたスマートホームを構築するのであれば、やはりEchoデバイスは欠かせない印象だ。
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