ASRockのAMD X570搭載マザーボードにみる最新トレンド:夏の自作特集(1/3 ページ)

» 2019年07月07日 22時01分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

 7月7日に販売が解禁されたAMDの新CPU第3世代Ryzenは、プラットフォームが大きく刷新されているのがトピックだ。第3世代Ryzenと、同時に発表されたAMD X570チップセットは、PCI Express 4.0をサポート。これはIntelプラットフォームではまだ導入されていない大きな進化だ。

最新トレンドに対応した第3世代RyzenとX570チップセット

 PCI Express 4.0では、信号速度がPCI Express 3.0の2倍(毎秒16GT)になり、1レーン片方向あたりのデータ帯域も従来の2倍となる毎秒約1.97GBに上昇している。

 特に影響を受けるのがSSDだ。M.2フォームファクターのPCI Expressは、通常4レーンが使われるが、従来の標準であるPCI Express 3.0 x4(理論帯域は毎秒約3.94GB)ではすでに帯域がボトルネックになる兆候がみられていた。

 これがPCI Express 4.0x4(同毎秒7.88GB)となったことで上限が一気に開放された。早速、CFD販売やGIGABYTEなどから、シーケンシャルリードが毎秒5000MB超えをうたう対応SSDが発表されている。

 X570チップセットを搭載したマザーボードは各社の最新の主力製品だけに、PCI Express 4.0以外の見どころも多く、最新の技術トレンドを大きく反映したものとなっている。ここでは、そうしたトレンドに注目しながら、ASRockのX570マザーボードの新製品発表会で紹介された技術や製品を見ていこう。

第3世代Ryzen、新しいX570チップセットともにPCI Express 4.0に対応している。CPU側は最大24レーン、チップセット側は最大16レーンが使える。
CFD販売のPCI Express 4.0対応SSD「CSSD-M2B1TPG3VNF」のCrystalDiskInfoでの情報表示画面。対応転送モードとして「PCI Express 4.0」と認識されている(画像提供:ASRock)
「ASRock X570 Taichi」との組み合わせで実行したCrystalDiskMarkでのベンチマーク結果(画像提供:ASRock)
PCI Express 4.0の影響でX570チップセットは発熱が高く、各社ともファンを実装している。ASRockのX570マザーボードでは、高風量かつ高耐久性の「P25 EBRベアリングファン」を採用する
ASRockエクストリームプロダクトマーケティングの原口有司氏。ASRockの新製品説明会で同社の技術や製品を紹介した

超メニーコアに対応する高耐久設計

 第3世代Ryzenは、最大16コア32スレッド(Ryzen 9 3950X)にも到達する。7nmプロセスルールの導入で電力効率が上昇しているとはいえ、マザーボードの電源回路(VRM)への負担は大きい。

 各社ともVRMを中心としたマザーボードの高耐久設計に力をいれている。高耐久設計の目安の1つがVRMのフェーズ数だが、単純にフェーズ数が多ければ良いというものでもない。VRMを構成するMOSFET(スイッチング素子)やコンデンサ(キャパシタ)、チョークコイル(インダクタ)などの特性、品質によって変わってくる。

 ASRockでは、DrMOSや大電流対応のチョークコイル、ニチコン製1.2万時間ブラックキャパシタなどの高級部品を積極的に採用している。フェーズ数は最大14フェーズだが「部品の特性が良いため14フェーズでも2000W級のCPUに対応できる。これ以上増やす必要がなかった」(ASRock 原口氏)という。

ASRock X570 Taichi、X570 Phantom Gaming Xは14フェーズのVRMを搭載。他社の最新世代ではより多フェーズのVRMを搭載する製品もあるが、DrMOS、60Aパワーチョークなどの高級部品を使って最適化しているため「これより増やす必要がなくなった」(ASRock原口氏)とのこと
ASRock DrMOSは、スイッチング回路を構成する2つのMOSFETとドライバICをワンチップに統合。高効率低発熱で大電流を供給できる。先進技術だけに扱えるエンジニアは限られているという。「DrMOSを扱えるエンジニアを多く擁するのがASRockの強み」(ASRock 原口氏)
ASRock CPUのメニーコア化にともない、電源コネクタが強化されているのも最近のトレンドだ。ASRockの場合は内部のピンの素材にこだわった高密度コネクタを採用。「8ピン+4ピンで3000W級の電流にも耐えられる」(原口氏)という
ASRock 高耐久アプローチの1つ。60Aの大電流でもインダクタンスが低下しないプレミアムなチョークコイルを採用する
ASRock 通常の2倍にあたる量の銅を使用した2オンス銅箔(どうはく)層を採用した基板を備える。電気抵抗が低く、信号品質の向上、低発熱に貢献している
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