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“飲み物を横に置ける”コンパクトサイズで働き方改革を支援――「Let's note QV8」の秘密に迫る(2/3 ページ)

» 2019年09月25日 06時00分 公開
[井上翔ITmedia]

QV8は「より薄く、より軽く、よりコンパクト」に

上田大プロジェクトリーダー 上田大プロジェクトリーダー

 今回発表されたLet's note QV8は、4コアCPUを搭載する12型ノートPCとしては世界最小で、「A4用紙よりもコンパクトでも高性能」「書類を見やすいアスペクト比3:2のディスプレイ」「頑丈なボディーに強固なセキュリティ」の3点にこだわって開発された。

 ボディーサイズは約273(幅)×209.2(奥行き)×18.7(高さ)mmで、最軽量構成の本体重量は約969g(バッテリーパック込み)となっている。特筆すべきは設置面積で、「新幹線や飛行機の座席のテーブルで、横に飲み物を置ける」(坂元氏)ほどに小型化されている。

飲み物を置ける 飛行機のエコノミークラスの一般的な座席テーブルなら、ペットボトルの飲み物を置ける程度には余裕が生まれるサイズ感

 本体の小型化は、大きく「キーボードの実装方法の変更」と「液晶モジュールの最小化とはめ合わせ方の変更」によって実現している。

 従来のLet's noteでは、キーボードをトップキャビネットの“上側”に付けるような設計となっていた。これに対し、QV8のキーボードはトップキャビネットの“下側”からはめ込む設計とすることで、左右端の桟の幅を削減した。

 また液晶モジュールのをカスタム設計とすることで通常よりもコンパクト化し、天板とのはめ合わせ方を変えることで左右の縁の幅を極小化した。

設計上の工夫 設計を見直すことでコンパクト化
MXシリーズのキーボードQV8のキーボード 従来のLet's note(MXシリーズ)のキーボード(左)と、QV8のキーボード(右)。QV8のものは、従来と逆のはめ込み方で、トップキャビネットに桟が設けられている

 さらに、天板のボンネットを「逆ドーム型」とすることで薄型化も実現している。こうなると強度面で不安を覚えるが、ボディーの負荷が掛かる部分にピンポイント補強を施し、逆ドーム型ボンネットも同様にピンポイント補強することで従来のLet's noteと同等の強度を確保している。

設計上の工夫 ボディーにピンポイント補強を施すことで丈夫さを維持
すごく……薄くなりました 2005年モデルの「Let's note T4」(左)とQV8(右)。最薄部の厚み(高さ)が6mm削減されたにも関わらず、変わらぬ強度を維持している
人が乗っても大丈夫 面加圧のデモ。成人女性が乗っかっても大丈夫な程度には頑丈だ

プロセッサは「Uプロセッサ」 放熱にも工夫

 QV8は第8世代Coreプロセッサを搭載している。従来のLet's noteでは、コンパクトモデルでは消費電力を抑えた「Yプロセッサ」を搭載する傾向にあったが、QV8では処理能力を優先してモバイル向けとしては一般的な「Uプロセッサ」を搭載している。ストレージに関しても、量販店モデルについては読み書き速度を優先してPCI Express接続のSSDを採用している。

 CPUやSSDの処理パフォーマンスが上がるなると、放熱の問題が常につきまとう。この点については、新型の薄型CPUファンを投入し、ボディー内の放熱シミュレーションを繰り返して吸気・排気のフローを最適化することで解決している。

フロー改善 パフォーマンスを上げた分、放熱についてもしっかり配慮している
基板 裏ぶたを外して基板を見る。部品配置は吸気から排気までのフローを考慮している

 ディスプレイは2880×1920ピクセルのマルチタッチ対応12型液晶で、反射防止フィルムが付属する。アクティブペン(別売)による操作にも対応している。

ディスプレイ ディスプレイはアスペクト比3:2。表計算など縦解像度があると便利なソフトで威力を発揮する
ペン 別売のアクティブペン

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