あえてWindows 10環境で使ってみたがMBAだが、想像以上に快適だった。
macOSとの行き来のために再起動する機会が多かったために気付いたことだが、コールドブート(OSを完全にシャットダウンして、完全に電源を切った状態からの起動)はWindows 10の方が少しだけ速い。macOS時が30秒程度、Windows 10時が25秒程度なので、本当に微々たる差ではある。
第3回のレビューでも述べた通り、Windows 10でもTouch ID(指紋センサー)以外のデバイスはしっかり利用できる。一般的なWindows PCと比べて一部のキー配列が異なること以外は、“普通のWindows PC”として問題なく運用可能だ。
ただし、これも第3回レビューで述べたが、主要なWebサービスやアプリケーションはmacOSでもWindowsでも利用できる。Windows 10のライセンスを別途用意しなければいけないことを考えると、macOSの操作にどうしても慣れない人か、Windowsではないとどうしても動作しないアプリケーションや業務システムを使いたい人以外は、ここまでして“Windows化”しなくても良いだろう。
過去のレビューの反応では「Boot Campではなくて仮想マシンを使えば利便性が上がるのでは?」という指摘もあった。確かに仮想マシンを使えばmacOSとWindowsとの間のデータ共有も楽で、何よりMacを再起動しなくても気軽に使えるというメリットはある。
ただ、今回レビューしているMBAは店頭販売モデルで、メインメモリが8GBしかない。macOSと仮想マシン上のWindows 10の双方を“快適”な状態で両立するには間違いなく心もとない。一方CPUのパフォーマンスは、仮想マシンを動かすには十分ではある。
もしもMBAで仮想マシンを使う予定があるなら、Apple Storeや一部の量販店でメインメモリを16GBにカスタマイズして購入することをお勧めしたい。カスタマイズ価格は2万2000円(税別、以下同)だが、Webブラウザで多くのタブを開くような使い方をしたり、表計算シートをたくさん表示する使い方をしたりする場合も快適になるので、仮想マシンを使うかどうかに関わらず検討の余地はある。
ともあれ、MBAはmacOS環境でもWindows 10環境でも便利に使える。MBAの直販価格は11万9800円からで、Microsoft StoreにおけるWindows 10のライセンス料金はHome版が1万7600円、Pro版が2万5800円となっている。バッテリー持ちが良好なモバイルWindows PCを探している人も、選択肢に加えても良いだろう。
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