しかし、二度あることは三度あるという。
40周年記念モデルにあるNECのロゴを昔の赤いマークにできないかという要望が、デビット社長から最後の最後に来たという。
松井氏 「昔のロゴの版下が残っているわけではなく、Webページのどこかから拾ってくればいいというものでもない。そこで、新規に部材を起こして関係者で確認をしながら進めていった。ボディーにあるシルクプリントだけでなく、起動直後の画面に出すロゴの変更も必要になる。このロゴの色を何色にするかということで議論になり、最終的には黒地に白で落ち着いた。エンジニアにロゴのサイズや色つけといった部分で変更依頼を複数回行って実現した」
デビット社長 「この話は初めて聞いて驚いた。ご迷惑をおかけしてすみません。ただ、40周年記念モデルの発表会で電源を入れて、あのロゴが出たときに会場から“オーッ”という声が挙がったので非常にうれしかった」
旧タイプのロゴを製品化するに当たり、デビット社長が関係各所に働きかけて最後の最後でOKが出たという。そこには社長対開発チームという構図はなく、とあるユーザーの何気ない要望に誠実に応える、それを応援するというある意味理想的な関係性が垣間見える。
国内では、まだまだ最軽量を目指す戦いが続いている。NECはどう対応するのだろうか。
デビット社長 「最軽量だけを目指すのは間違っている。というのも、何かを犠牲にしないといけないからで、大事なのはバランスだ。最軽量というよりも、頑丈さを維持した上での最軽量モデルを作りたいと考えている。バランスという言葉はマーケティングしづらいが、お客さまが喜んでくれるPCを出したいという思いだ」
LAVIE Pro Mobileの基板とバッテリー。山形といえば上杉氏。米沢藩第9代藩主の上杉鷹山(治憲)の有名な一節「なせばなる〜」をほうふつとさせるデビット社長。「来年のモデルも楽しみですね!」という一言が印象的だった
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