Lenovoとの合弁はどう? 「兄弟」との関係は? USキーボードモデルは?――富士通クライアントコンピューティング齋藤社長に聞く(2/2 ページ)

» 2019年11月20日 12時30分 公開
[井上翔ITmedia]
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初代の「LIFEBOOK UH」は失敗だった? 3世代目は「もっと軽くする」

―― 最近の「LIFEBOOK UH」シリーズに見られるように、御社は軽量ノートPCに注力している印象があります。私も「LIFEBOOK UH-X」を使っていますが非常に快適です。

齋藤社長 UH-Xの世代は、13.3型の軽量ノートPCとしては2世代目です。1世代目(UH75/B1など)や他のシリーズで得られたフィードバックを反映していることもあり、(設計に起因する)トラブルはグッと減りました。

―― ということは、1世代目はいろいろあったのでしょうか。キーボードに問題があるという旨の記事を見かけたことがあるのですが……。

齋藤社長 今振り返ると、1世代目は薄さや軽さを追い求めたばかりに妥協してしまった部分は正直あります。「お客さまがどういうふうに使うのか」という視点を見失っていました。

 正確に速く打てるキーボードを作るとという観点で、(1世代目で起こった問題は)良い勉強になったと思います。

―― 現行のUH-Xは、公称で698gです。もっと軽くする予定はありますか。

齋藤社長 そうですね。もっと軽くする方向で開発を進めています。

UH75/B1 2017年に発表・発売された「LIFEBOOK UH75/B1」。当時としては世界最軽量だったが、キーボード回りに問題を抱えていた

―― 軽量ノートPCといえば、「兄貴」(NECPC)はむやみに「世界最軽量」をに追いかけるのではなく、実用性を重視する方針に転換しました。御社としてはあくまでも「世界最軽量」にこだわるのでしょうか。

齋藤社長 そうですね。

―― 抜かれたら抜き返す、ということですか。

齋藤社長 ここには人間の「欲」が関係してきます。軽さに慣れてしまうんですよね。

 どこまで行くのか、という話はありますが、可能な限り軽量化を進めて、そこにしっかりと利便性を加えたものを出したいと思います。

小学生向けPCは「継続して取り組む」 USキーボードは「検討したい」

―― 小学生向けPCをリリースして1年少々経過しました。個人的には良い取り組みだと思ったのですが、一方で「小学生向けとはいえスペックが低すぎるのではないか?」という指摘もありました。

 小学生向けノートPCの手応えと、今後もこの取り組みを続けていくのか教えてください。

齋藤社長 率直にいうと、想定より数は出ませんでした。販売店からは好評だったのですが。

 ただ、だからといって小学生向けPCを諦めるということはありません。後継モデルを出したいと思っています。教育関連市場は私たちの強みですし、他社に渡したくありませんから。

小学生向けPC 小学生の利用を想定した「LIFEBOOK LH35/C2」(左)と「LIFEBOOK LH55/C2」(右)。後継モデルを検討中だという

―― FCCLは海外でもPCを販売していて、その一部は国内生産だと聞いています。そこで、私の個人的なお願いでもあるのですが、米国英語(US)配列キーボードをWEB MART(直販)モデルで選べるようにしてほしいです。

齋藤社長 WEB MARTでは「かな刻印なしキーボード」も選べますが、それでは不十分なのですか?

―― そうですね。キーボードの最下段をスッキリさせたいのです。せっかく海外向けモデルで用意があって国内で組み立てているのなら、それをぜひ国内に一部回して、と……。

齋藤社長 ぜひ検討したいと思います。

―― テレワークを見越して、他社ではLTE(モバイル通信)対応モデルを個人向けにも用意することが増えてきました。私も一番利用頻度の高いノートPCはLTE対応モデルです。

 御社でも、法人向けの同等モデルではLTE対応の構成も用意されていることがありますが、直販限定でも、個人向けにLTE通信機能を搭載対応モデルを出すというお考えはないのでしょうか。

齋藤社長 こちらも、ぜひ検討したいです。

齋藤社長 筆者からの質問に率直に答えてくださった齋藤社長。この場を借りて感謝したい
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