最後に、せっかくGeForce RTX 20シリーズを比較しているのだから、リアルタイムレイトレーシングのテスト結果も見ておきたい。そこで「バトルフィールドV」をプレイして、こちらもフレームレートを測定した。
リアルタイムレイトレーシングは、光源処理をハードウェアレベルで行う方法で、「バトルフィールドV」は「DirectX Raytracing」(DXR)に対応しており、水面に映る自分の姿や、建物のガラスに映った木々の形などを、キャラクターの移動に合わせてリアルタイムで表現できるようになっている。
また「バトルフィールドV」では「NVIDIA DLSS」も使うことができる。これは「ディープ・ラーニング・スーパー・サンプリング」の略で、リアルタイムレイトレーシングのような負荷のかかる計算を、ディープラーニングを使って平準化することで、GPU負荷の高いシーンでもフレームレートを高めることが可能だ。
なお、DXRを使ったときの測定条件だが、NVIDIAによると以下の条件であればDXRオンでDLSSの能力を発揮する、となっている。
今回はノートPCであり、表示できる解像度が1920×1080ピクセルまでだ。また、RTX 2080であれば基本画質が「最高」にも対応するが、RTX 2060では「高」にしか対応しない。そこで画質を1920×1080ピクセル、基本画質を「高」とした状態で、DXRオン、DXRオフの両方についてフレームレートを測定した。その結果は以下の通りだ。
なかなか微妙な結果となってしまったのだが、何回取り直しても傾向性は変わらないので、素直に受け入れたいと思う。結論から言うと、DXRを使うのであれば、両者に大きな性能差は見られない、ということ。またDXRオンでもそれぞれが60fpsは上回っており、十分なゲーム体験が可能だと思う。ただしこれはRTX 20シリーズを搭載しているからこそであって、DXRとDLSSが使えないGPUとは顕著な差が現れる。
ここまでハードウェア回りとベンチマークテストでGX531GXRを見てきたわけだが、一番のネックとなるのが、税込みで49万円弱という価格だろう。価格を押し上げている要因はGeForce RTX 2080というGPUと、リフレッシュレート240Hzを誇る液晶ディスプレイ、それに薄型のボディーにこれだけのハイスペックを詰め込んだその技術力にある。
細かいところでは、24Gバイトのメインメモリや1TBのM.2 NVMe SSDも要因の1つだと思う。そこに価値を見いだすかどうかが分かれ目となるが、これだけの高い性能であれば、冒頭で述べたように向こう3年は買い換えなくても十分に利用できると思うし、現在の最先端を行くPCであるのは間違いない。
高性能なゲーミングPCは高い買い物であり、後悔をしたくないのであればしっかりとしたモデルを選ぶべきだ。今後の利用方法も考え合わせた上で、GX531GXRは選ぶに値する1台であると思う。
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