Sidecarで液タブは不要に? refeia先生がガッツリ試したよ人気イラストレーターが徹底チェック(3/5 ページ)

» 2019年12月23日 10時30分 公開
[refeiaITmedia]

実際に使ってみると弱点もチラホラ

 さて、遅延も小さくて表示品質も良い! 完璧だ!――と言いたいところですが、やはり実際に使った感触は気になりますし、本当に液晶タブレットの代わりになるのか? というのも興味がわくところです。そこで、線画やラフ、塗りの作業を試しながら、手元のCintiq Pro 16の使用感と比べてみましょう。

sidecar わざと筆圧の振れ幅を大きくしたりしながら試しています

 SidecarによるiPadでの作画は、無線接続しているとは思えないようなレスポンスでサクサク描けますし、Apple Pencilの筆圧検知も動作します。また、画面端にOptionなどの装飾キーやTouch Barが表示され、特にTouch Bar対応アプリでは素早く操作できる項目が増えるのは便利でした。これらは位置を変えたり、非表示にして画面の広さを優先させたりすることもできます。

sidecar MacBookのTouch Barがここに表示されます。これはPhotoshopのレイヤーの設定を操作できるUIですね

 ただ、致命的な問題が1つありました。Photoshopで始筆の一瞬だけ、かなり強い筆圧が入力されてしまいます。

sidecar なぜか書き出しの筆圧検知がおかしいPhotoshop

 この問題はCLIP STUDIO PAINTでは起こりませんし、ほどなく直るだろうと期待していますが、テストしている時点ではPhotoshopでイラストを描くのは無理でした。

 他にも、Sidecarを使ったときに引っかかる点は、以下のものがありました。今回は液晶タブレットの代用として評価したいので、Sidecar固有の問題ではなくてiPadを使っていれば普通に起こることも挙げています。

  • Sidecarに表示されたMacの画面をタッチ操作できない
  • サイドボタンがなく、ペンだけでは右クリックできない
  • ホバーでマウスカーソルやブラシカーソルを見ることができない
  • ツールチップなどの一般的なホバー操作も機能しない
  • ホバー状態で筆圧が検知されてしまう「空中筆圧」問題

 まず、タッチ操作ができないのがなかなか厳しいです。スクロールやピンチズームなどの、トラックパッドとしてのジェスチャーはできますが、一般的なタッチ操作はできません。Appleとしては「Macは画面をタッチさせない。タッチするのはTouch Bar」という方針でしょうが、iPadにUIが表示されていたら普通にタッチするじゃないですか……そこで反応しないと、「なんで……」と感じてしまいます。一方、Cintiq Proではマウス操作のフリをさせているのか、タッチ操作ができました。

 次にサイドボタンについて、第2世代のApple Pencilは本体にタッチセンサーがあるはずですが、何かが動作する様子はありませんでした。Cintiq Proのペンでは、2つのサイドボタンを右クリックや自分でカスタマイズしたツールに割り当てられるので、作業効率に差が出ます。

 ホバーでブラシサイズのプレビューが得られない問題も、太いブラシで始筆の前にカーソルを見ながら位置を決めることができず、描きづらかったです。元々iPadで描いている人なら気にならないのかもしれませんが、PC作業に慣れた人だとストレスになるかもしれません。

 「空中筆圧」は、Apple Pencil自体の問題です。ペン先がギリギリ触れていない状態で線が描かれてしまう動作で、一度触れてから離れる時に特に粘りが大きくなります。手元の古いiPad Proと、最新の評価機で同様に発生していて、試用する限りでは、第2世代のApple Pencilでは軽減されていました。

sidecar 見づらいですが、少し浮いた状態でも線がついてきてしまっています

 字を書いたりハッチングをしたりするときに、線に余分なハネが現れやすいです。好ましい動作ではないですし、液晶タブレットや実在のPencilでは経験しない現象なので、やはり気になります。

sidecar 細かいハッチングをした例です。左側のApple Pencilで描いたものは線がハネてしまっています

 その他、使い勝手で感心する面も多々ありました。

  • 無線接続中にUSBケーブルを抜いたりWi-FiルーターをオフにしたりしてもSidecarは継続して動作
  • Wi-FiルーターがオフでもSidecarを開始できる
  • スリープからの復帰もSidecarの状態が維持される

 こういった動作は、日常や外出時の使い勝手としてかなり良さそうですね。

 そのあたりを、プロのSidecar使いに聞いてみましょう。

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