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» 2020年01月01日 08時00分 公開

「Thunderbolt 3」でちょこっとパワーアップ GPUとRAIDストレージを外付けしてみた(1/2 ページ)

最近「Thunderbolt 3」に対応するPCが増加傾向にある。「USB4」として標準化が決まったこの規格では、USB規格よりも高速なデバイスを接続できる。そこで、外付けGPUボックスと外付けRAIDストレージを使ってみようと思う。

[井上翔,ITmedia]

 最近、Thunderbolt 3端子を備えるPCが少しずつ増えてきた。「USB4」として標準化が決まっているThunderbolt 3は、データ伝送速度が最大40Gbps(毎秒5GB)と非常に高速だ。この速度を生かした周辺機器も次第に増えてきた。

 この記事では、2017年に発売された「ThinkPad X1 Carbon(第5世代)」をThunderbolt 3対応周辺機器でパワーアップしてみようと思う。

ThinkPad X1 Carbon 今回、パワーアップのベースとなる筆者の愛機「ThinkPad X1 Carbon(第5世代)」。Core i7-7600U、16GBメモリを搭載する当時としては一番ハイスペックな構成だった
Thunderbolt 3端子 ThinkPad X1 Carbon(第5世代)のThunderbolt 3端子は2基。どちらもUSB Power Delivery(USB PD)規格の電源入力とDisplayPort規格の映像出力に対応している

Razer Core X(外付けGPUボックス)

 「Razer Core X」は、PCI Express接続のGPU(グラフィックスカード)を搭載できるRazer製の外付けGPUボックスだ。最大で3スロットサイズのカードを収納可能で、650Wの独立電源も搭載している。直販価格は3万2800円だ。

Razer Core X Razer Core X

 ケース背面にある取っ手を持って後方に引っ張り出すと、カードスロットと電源が取り付けられた基部を取り出せる。

 カードスロットはPCI Express x16サイズのものが1基付いている。ボックスは奥行きがしっかりと確保されているため、長さ330mmまでのグラフィックスカードのGPUでも問題なく装着可能だ。着ける際に特別な工具は不要だ。

 電源はGPUやUSB Power Delivery(USB PD)デバイスに電源を供給するために用いる。GPU用の電源ケーブルは8ピン(6ピン化も可能)のものが2本付いており、両者合わせて500Wまで供給できる。USB PDデバイスへの電源供給は最大で100Wまでとなる。

 ThinkPad X1 Carbonのように、USB PDによる電源入力に対応しているThunderbolt 3端子を持つノートPCなら、Razer Core Xと直接接続すれば電源も供給されるので便利だ。

背面 背面はシンプル。GPUは3スロットサイズのものまで搭載可能で、取り付ける際は赤矢印で示した取っ手を持ってボックスの基部を取り出す
取り付けの図 基部を取り出しGPUを装着。比較的奥行きのあるカードでも対応できる
電源ケーブル GPU用の電源ケーブルは8ピンのものが2本付いている。2ピンを外して6ピン化することも可能だ
電源供給 USB PDによる電源供給は最大100W。ケーブル1本でGPUと電源の両方をつなげる

GPUをしっかり吟味すれば効果てきめん

 問題は、GPUを装着してどこまでパフォーマンスが向上するかである。今回は分かりやすさを重視して「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチ)」を使って比べてみよう。ここでは、AMDの「Radeon RX 5500 XT」(8GB)やその上位に相当する「Radeon RX 5700 XT」(8GB)をRazer Core Xと組み合わせてテストする。

GPUたち 今回試すGPU。手前がRadeon RX 5700 XT、奥がRadeon RX 5500 XT(撮影:矢野渉)

 まず、CPUに内蔵された「Intel HD Graphics 620」単体で、フルHD(1920×1080ピクセル)のフルスクリーンで標準画質のテストをしてみる。誰の目から見ても非常にカクカクしている。オブジェクトが多い場面ではコマ飛びの多い紙芝居状態だ。

 スコアは471で「動作困難」。ある意味で当然といえる結果だ。

単品結果 ThinkPad X1 Carbon単体での結果。当然といえば当然だが、かなり厳しい結果に

 次に、Radeon RX 5500 XTをRazer Core Xに装着し、最新のRadeon Softwareをインストールした上でX1 Carbonと接続してテストをしてみる。今回は描画を外部出力せず、内蔵GPUを介してX1 Carbonの液晶ディスプレイに表示している。解像度や品質などの条件は先ほどと同様だ。

 今度はテストの立ち上がりから非常になめらかに進行し、どんどんスコアが上がっていく。ただし、Thunderbolt 3の帯域が40Gbpsに限られるせいか、オブジェクトが多くなると少し「固まる」場面も見受けられる。

 スコアは4809で「やや快適」。スコアが10倍に伸びた。恐らく、Radeon RX 5500 XTから直接映像を出力すればもう少しスコアは改善するだろう。

Radeon RX 5500 XT Radeon RX 5500 XTを装着したRazer Core Xと接続した場合のスコア。内蔵GPU単体時の10倍だ

 少し気を良くした所で、GPUをRadeon RX 5700 XTに差し替えて同じテストを敢行した。

 当然ながらスコアはスムーズに伸びていく。オブジェクトが多いと少し「固まる」ことはRX 5500 XTと同じだが、その頻度は気持ち少なくなった。

 スコアは5214で「やや快適」。あまり伸びが見られない。Thunderbolt 3の帯域がボトルネックなのだろう。

Radeon RX 5700 XT Radeon RX 5700 XTを装着したRazer Core Xと接続した場合のスコア。RX 5500 XTからの伸びは少ない

 以上の結果を見れば分かる通り、3Dゲームでは外付けGPUの効果は“てきめん”だ。今回は時間の都合でテストは省略したが、GPUアクセラレーションが利用できる画像や動画の編集ソフトを使う場合も、外付けGPUを装着すれば重い処理ほど速度の改善を期待できる。

 ただし、ハイスペックなGPUを装着すると、Thunderbolt 3の帯域がパフォーマンス面でのボトルネックとなりうる。ミドルレンジのGPUを装着すると費用対効果の面で最適といえそうだ。

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