GENKI Dockを外付けの液晶ディスプレイやモバイルディスプレイ、さらにはプロジェクターなどとPCをつなぐには、Nintendo Switchの場合と同じように、まずはPCとGENKI DockをUSB Type-Cケーブルで接続する。
USB Type-Cケーブル(Type-C to Type-C)はGENKI Dockに付属しており、後は自前でHDMIケーブルと、場合によっては出力先ディスプレイなどへ給電するケーブルを用意するだけで済む。筆者は元々、モバイルディスプレイ用にそれらを持っていることもあり、「これは最高の組み合わせになるだろう」とニヤニヤしながら持ち出してみた。
ところが、どうやってもモバイルディスプレイには「ケーブルなし」という文字しか表示されない。
使う前に気が付くべきだったが、LAVIE Pro MobileのUSB Type-Cポートは、USB 3.1規格ではあるが、DisplayPort Alternate Modeには非対応だった。モバイルディスプレイやプロジェクターを使いたければ、素直にLAVIE Pro MobileのHDMIポートから出力するしかないのだ。
これでは、GENKI Dockの立場がない。15W以上のPD対応ポートで充電できるLAVIE Pro Mobileにとっては、単なるACアダプターとなってしまう。
とはいえ、GENKI Dockにはハブとしての機能があるので、LAVIE Pro Mobileに1つしかないUSB Type-Aポートが有線マウスなどで埋まっているときにストレージを外付けで使いたい、というときなどには便利だと感じた。
気を取り直して、手元にあったデルのノートPC「XPS 13(7390)」につなげてみた。このバージョンのXPS 13では、左側面にThunderbolt 3ポートを2基、右側面にはDisplayPort Alternate Modeにも対応したUSB 3.1対応のUSB Type-Cポートを1基搭載している。
GENKI DockとモバイルディスプレイのHDMIポート同士をつなぎ、モバイルディスプレイへの電源供給のために電源用USB Type-Cポートとモバイルバッテリーを接続。最後にXPS 13とGENKI DockをUSB Type-Cケーブルでつなげたところ、モバイルディスプレイをXPS 13のサブディスプレイとして使うことができるようになった。モバイルバッテリーがない場合は、XPS 13のUSB Type-Cポートを使っても良い。
ただ、残念だったのが、XPS 13動作時に必要な電力は45W以上だ。GENKI DockのPD出力は30Wのため、「PCは充電されていません 推奨されている充電器とケーブルを使用し、PCを電源に直接接続してください」とアラートが表示されてしまう。緩やかに供給しているのだが、消費に追いつかない印象だ(未使用時であればXPS 13へ給電が行われ、しばらく待てば満充電になる)。
もう1台、手元にあった12インチMacBook(2017)にもGENKI Dockをつなげてみた。こちらは、USB 3.1 Gen 1でDisplayPort 1.2の映像出力に対応しているUSB Type-Cポートを搭載している。
GENKI DockとモバイルディスプレイのHDMIケーブル接続はそのままにしておき、XPS 13につながっていたUSB Type-CケーブルをMacBookにつなぎ替えたところ、こちらもあっけなく表示された。しかも、MacBookの純正ACアダプターは29Wなので、GENKI Dockの出力30Wがちょうどよい。
MacBook(2017)にはUSB Type-Cポートが1つしかなく、ほとんどの人が何かしらのハブを持ち歩いているようだが、GENKI Dockはハブ機能も搭載している。USB Type-Aコネクタを持つUSBフラッシュメモリーしかないような場合、USBフラッシュメモリーに保存してあるデータを出先などで急にコピーしなければならなくなったようなときに有用だろう。
もしかしたら、GENKI Dockは、Nintendo Switchのためというより、MacBookのためにあるのでは? と思ってしまうほど相性が良かった。
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