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テレワークを少しでも快適に! ノートPCにサブディスプレイを付けてみよう(1/3 ページ)

» 2020年04月14日 12時00分 公開
[井上晃ITmedia]

 昨今の新型コロナウイルスの感染拡大を予防する観点から、急きょテレワーク(遠隔勤務)制度を導入、あるいは拡大する企業が増えているという。テレワークが急に始まり、手持ちのノートPCで自宅オフィスを急ごしらえで整えた――そんな人も多いのではないだろうか。

 しかし、ノートPCでテレワークをしていると、始めは良いとしても、しばらくすると「画面が小さい」「表示できる情報が少ない」といった作業上の不満を覚え、イライラが募る可能性が高い。そんな不満を少しでも低減し、作業効率を上げる手段の1つが、「サブディスプレイ(外付けディスプレイ)」の導入だ。

 筆者は元々、自宅で作業をする機会が多いフリーランスライターで、サブディスプレイを使った作業をする機会も多い。その視点から、その導入について幾つかのアドバイスをしてみたいと思う。参考になれば幸いだ。

イメージ図 サブディスプレイを導入して効率アップを図ろう!

まずは使えるディスプレイを用意 選択肢は意外とある

 そもそも、ノートPCのディスプレイのサイズはTVや外付けディスプレイと比べると小さい傾向にある。携帯性を重視した製品なら12型前後が多く、持ち運びを前提としないものでも15型前後が一般的だ。

 画面に表示できるウィンドウの数は、多くても3つが良いところ。ディスプレイの解像度やサイズ、利用する利用するアプリケーションによっては、視認性の面で1つ表示するだけで“いっぱいいっぱい”になってしまうこともある。

 ブラウザ、メーラー、カレンダーなど、利用頻度の高いアプリケーションを起動する度に、ウィンドウを切り替える作業が発生するのは、意外と大きな手間だ。

フルHDディスプレイ Windows 10で、フルHD(1920×1080ピクセル)の等倍(拡大・縮小なし)でウィンドウを表示したイメージ。ディスプレイのサイズにもよるが、ウィンドウを2つ並べただけでも意外と窮屈に感じる

 しかし、ノートPCにサブディスプレイを接続して画面を拡張すれば、表示にゆとりができて、常に表示したいウィンドウをいずれかのディスプレイに常時表示したり、広い画面で書類やワークシートを編集したりしつつ、資料やビジネスチャットツールを横に表示して参照したりといったように、体感上の作業効率をグンとアップできる。

フルHD×2のイメージ 先ほどと同じフルHDの等倍表示を、デュアル(2枚)化したイメージ。ウィンドウを4つ並べられるようになったのに加えて、体感的に広々とした印象を受ける

 ノートPCにサブディスプレイを接続する際は、外付けディスプレイケーブル、場合によってはノートPC側に変換アダプターが必要となる。まず、外付けディスプレイについて考えてみよう。

 ディスプレイのサイズは、20型以上をお勧めしたい。筆者は台湾ASUSの21.5型フルHDディスプレイ「VS229H」を主に愛用している。選んだ理由は、「中古で安かったから」という身もふたもないものだが、執筆作業時にWebブラウザやPDF表示アプリなどで資料を見るという用途が主であるため、十分に満足だ。

VS229H 筆者が主に利用しているサブディスプレイは、ASUSのVS229H。フリーマーケットアプリでポイントを併用して数千円で入手した

 予算が潤沢にある人なら、さらに大きなディスプレイ、4K(3840×2160ピクセル)以上のディスプレイ……といったように、機能性を追求しても良いだろう。

 画面の縦横を自由に変更できる「ピボット機能」がついたディスプレイなら、縦向きに表示することで、資料(特にWebサイト)の見やすさが向上し、写真編集やデザイン関連作業もしやすくなる。購入前に一度検討しておくと良いだろう。

ピボット 画面の縦横を自由に変更できる「ピボット」に対応したスタンドを持つディスプレイなら、縦向きの方が見やすい表示もしやすい(写真はiiyamaの「ProLite XUB2493HS-3」)
横向きイメージ縦向きイメージ フルHDの等倍でWebサイトを横向き、縦向きで表示した際のイメージ。一般的に、Webサイトは縦表示の方が見やすい

 現在、地域によっては家電量販店が営業を停止していることもあり、すぐに外付けディスプレイを入手できない場合もある。そのような場合は、自宅にあるHDMI入力のあるTVを外付けディスプレイ代わりに使う手もある。HDMIケーブルと、環境次第でノートPC側に変換アダプターを用意すればすぐに使える。

 ただし、TVの画面解像度はHD(1280×720ピクセル、あるいは1366×768ピクセル)、フルHD、4K、8K(7860×4320ピクセル)と非常に幅広く、ノートPCによっては本体ディスプレイよりも位置が高かったり低かったりする。ディスプレイサイズもさまざまだ。

 複数のディスプレイに映像を出力する「マルチディスプレイ」で運用する場合、ディスプレイサイズが違いすぎると、視線の移動が大きくなりすぎて、作業効率がかえって悪化する場合もある。TV(外付けディスプレイ)のディスプレイサイズがノートPCのディスプレイよりも大きくて、かつ解像度も高い場合は、本体ディスプレイの表示をオフにして外付けディスプレイにだけ表示する、という選択肢も有効だ(方法は後述する)。この場合、外付けのキーボードやマウスを活用して、TVから少し離れた所から見るとより快適に使えるだろう。

4KTVに接続 外付けディスプレイ代わりにTVを使う場合、ディスプレイサイズが大きく違うことも珍しくない。TV側の解像度がノートPCのディスプレイより高いなら、ノートPC側の表示をあえてオフにするとむしろ快適さが増すこともある

 MacBookシリーズ(2016年以降のモデル)とApple Pencilに対応するiPadを持っているなら、iPadをサブディスプレイとして利用する「SideCar(サイドカー)」も便利だ。USB、またはWi-Fi経由でMacBookとiPadをつなげばすぐに画面領域を広げられる。

 一方、Windows 10は、「Miracast(ミラキャスト)」という汎用(はんよう)のワイヤレス映像伝送を利用できる。Wi-Fi(無線LAN)に対応するWindows 10 PCを2台持っているなら、どちらか片方のPCで「接続」アプリを起動しておけば、もう片方のPCのサブディスプレイとして使うこともできる。Miracastに対応するTVもサブディスプレイとして利用可能だ。

Sidecar Sidecarは、macOSで稼働するMacBookシリーズと、Apple Pencilに対応するiPadを組み合わせてマルチディスプレイ環境を構築できる
Miracast Wi-Fiを搭載するWindows 10 PCは、Miracastによる映像伝送に対応している

 その他、専用アプリを用いてスマホやタブレットをサブディスプレイとして利用できるソリューションも幾つか用意されている。

 Duetの「Duet Display」は有料アプリだが、PC側はWindowsでもMacでも、スマホやタブレット側はAndroidでもiPhoneやiPadでも、どちらでも利用できることが魅力だ。ただし、接続の安定性は、使用するマシンの性能やケーブルやWi-Fiの伝送速度などによっても変わる。

Duet Duetは、Windows、macOS、Android、iOS/iPad OSに対応している有料アプリ
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