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» 2020年05月07日 21時30分 公開

本田雅一のクロスオーバーデジタル:新「13インチMacBook Pro」下位モデルはMacBook Airより買い? 価格もサイズも近い2台のテストで分かった実力差 (1/4)

2020年5月4日に発表された新しい「13インチMacBook Pro」。いち早く下位モデルを入手したので、ディスプレイのサイズが同じで価格が近いMacBook Airと性能を比べてみた。

[本田雅一,ITmedia]

 「MacBook Pro」シリーズが、現在のフォルムの基本となる「Touch Bar」と「Touch ID」を備えるデザインに変わったのは2016年のことだ。以来、最も幅広いユーザー層から受け入れられている13インチ(13.3型)モデルのルックスは変化していないが、その中身はIntelのモバイルプロセッサと内蔵GPUの進化に合わせてパフォーマンスを高めていること以外にも改良が加えられてきた。

MacBook Pro 13 新しい「13インチMacBook Pro」

 Apple独自開発の「T1」チップ、「T2」チップなどを搭載することで、セキュリティや動画圧縮パフォーマンスなどを高めていることもそのひとつだ。2018年にはエアフロー設計を見直して、より静かに高いパフォーマンスが得られるようになり、13インチMacBook Proにもクアッドコアプロセッサが搭載されるようになった。

 2019年末に「16インチMacBook Pro」が投入され、その設計が刷新されると13インチMacBook Proもいずれは改良されるのではないか、と期待が集まった。周囲を見渡すとディスプレイベゼルを狭くすることで、13.3型クラスのボディーに14型クラスのディスプレイを搭載しているWindowsノートPCも多数存在している。

 16インチMacBook Proでは、たった少しの大画面化(15.4型から0.6型大型化)が作業性を高めるだけでなく、より高性能なCPU、GPUを搭載する上での余裕を生み出していただけに、13インチMacBook Proも大画面化と外部GPUの採用に期待していた向きはあったのではないか。少なくとも筆者はそうだったが、実際に登場した新型のコンセプトは少し異なるものだった。

同じ製品名ながら2つの異なるハードウェア

 5月4日に発表された2020年版の「13インチMacBook Pro」は、事実上、旧モデルのキーボードをシザー構造の「Magic Keyboard」に換装した下位モデル(プロセッサは第8世代Core、開発コード名:Coffee Lakeのまま)と、最新の第10世代Core(開発コード名:Ice Lake)にシステムを刷新した上位モデルの2つに分けられる。

MacBook Pro 13 キーボードはシザー構造の「Magic Keyboard」になった。キーストロークは1mm

 この2つは大きく構成が異なるため、別の製品として分けて評価した方がいいだろう。下位モデルと上位モデルでは、外見上もThunderbolt 3の数(2ポートと4ポート)という面でも大きな違いがあるが、それ以上に搭載するプロセッサの違いが、単なる性能の上下関係以上に機能性などの違いを生み出している。

 “上下関係”という面では、この2つの異なる構成間よりも「MacBook Air」との関係の方が明確だ。新しい13インチMacBook Proの上位モデルと2020年3月発表の新しいMacBook Airは、いずれもIce Lakeアーキテクチャであり、機能面やサポートする命令セット、メモリなどが共通しているからだ。

 MacBook AirのCore i3モデルはデュアルコアだが、Core i5以上になるとクアッドコアになる。いずれも「G7」という64基の実効ユニットを持つIntel Iris Plus Graphicsを備える他、メモリがLPDDR4Xとなって帯域が拡大されている点や、機械学習処理に特化した命令セットが追加されているなど、システム全体の構成が刷新されていた。

 こうしたIce Lakeの特徴は、新しい13インチMacBook Proの上位モデルも同じだ。そうした意味では、13インチMacBook Proの上位モデルはMacBook Airを高性能・高機能化した製品という意味で位置付けが明確だ。価格と性能の違いという面で、(詳細な性能は後述するが)値段なりの投資価値がある違いが出ている。

 一方で評価が分かれるのは、MacBook Airと13インチMacBook Proの下位モデルだろう。この両者は価格が近い上、ディスプレイのサイズも同じだ。MacBook Proの最も安価なモデルは13万4800円(税別、以下同)で、SSDは標準256GBだが、MacBook AirのCore i5モデルと同じ512GBに増量しても15万4800円と2万円高いだけだ。

MacBook Pro 13 左がMacBook Air、右が13インチMacBook Pro下位モデル。幅と奥行きのサイズは同等で上から見るとほとんど同じ。MacBook Airはくさび型のフォルム(高さ41〜161mm)、MacBook Proはフラットなフォルム(高さ156mm)だ

 また、上位モデルが28W TDP(熱設計電力)のプロセッサを搭載できるように設計されているのに対し、下位モデルは15W TDPとなっており、エアフロー設計そのものはMacBook Airに近い(底面サイドの切り欠き、吸入口がない)。

 今回、下位モデルの評価機を先に入手できたため、まずはMacBook AirのCore i5モデルと13インチMacBook Proの下位モデル(第8世代Core i5搭載)のどちらを選ぶべきか、という視点でコラムを進めていくことにしたい。

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