最近ではマザーボードに取り付けて内蔵するものや、外付けで利用するタイプのSSDも当たり前になってきたし、大容量SSDの単価が下がってきているため、選択肢の幅も広くなってきた。
求めやすい価格のSSDを購入しようと思ったとき、手頃なのは512GB〜1TBの容量で、ここを目指して各社が外付け/内蔵SSDを発売している。それゆえ、既にこのクラスのSSDを使っている人は多いのではないだろうか。
ただし、1TB以上あればストレージに余裕ができるが、512GB程度だとちょっと心もとない。筆者の環境もそうで、普段使っているノートPCのSSDは512GBだ。2.5インチSATAのドライブが内蔵できるため、2TB HDDをデータ/ゲーム保存用に取り付けているが、できればもう少し早いスピードでアクセスしてくれるドライブが欲しくなる。
となると、外付けで利用できるSSDが購入の視野に入ってくる。昨今のテレワークが推奨される環境では、バックアップ用のストレージとしても重宝するだろう。
ここで紹介する日本シーゲイトの外付け用SSD「BarraCuda Fast SSD」(以下、Fast SSD)は、筆者のような要望に適していて試してみたくなってくる。転送速度は毎秒最高540MBで、ラインアップとしては500GB(原稿執筆時のAmazon.co.jpの価格は税込み1万3573円)、1TB(同2万1894円)、2TB(同4万230円)が用意されており、選択肢の幅が広いのもうれしい。その中から、今回は1TBの容量を持つSSD(STJM1000400)を評価機としてテストした。
Fast SSDのサイズは約79(幅)×93.45(奥行き)×9.1(厚さ)mmと、設置面積は名刺よりも少し大きい程度とコンパクトだ。重量は約140gと小型で薄く軽いため、シャツやバッグのポケットに入れて簡単に持ち運びできる。
PCとの接続はUSBケーブルで行うが、USB 3.0に対応したコネクターがType-Aのものと、Type-Cのものが2本用意されている。ドライブ本体とはUSB Type-Cでの接続だ。ノートPCにはType-A以外にType-Cのコネクターも用意されているケースが多いので、どちらか好きな方を選べばよい。
ただし後ほど触れるが、筆者のノートPCはUSB 3.1(USB 3.2 Gen2/10Gbps)対応だ。このため転送速度は、理論値が最大5GbpsのUSB 3.0(USB 3.2 Gen1/5Gbps)にしか対応していないType-A接続よりも、最大10GbpsのUSB 3.1に対応するType-Cの方が当然ながらパフォーマンスがよい。このためUSB 3.1 Type-Cポートがあるなら、そちらを使うことをお勧めする。
なお、初期状態のファイルフォーマットはexFatで、WindowsやmacOS(10.12以降)環境で利用可能だ。
同社のSSDには、より小型な「Seagate One Touch SSD」も用意されているが、本製品はゲーミング用途での利用が想定されている。それもあってか、本体の段差部分には緑のLEDがあしらわれており、“BarraCudaカラー”の緑色ラインが光るようになっている。
光り方や光る色はコントロールできないが、接続してしばらくは緑色のラインがともっているが、時間がたつと自動的に消灯する。この緑色のラインがアクセントになっていてとてもいい。
残念なのは、ケーブルを差す方向にLEDが配置されていることだ。ノートPCの左側あるいは右側に接続する場合でも、こうしたデバイスを使うときには、手前側に配線が来るようには置かないと思う。マウスを取り扱うときに邪魔になるからだ。
このため、配線を奥側に逃がそうとすると、この緑色に光るランプが見えなくなってしまう。ファン心を刺激したせっかくいい試みなのに、それを生かせないのはもったいない。横向きに置けばいいと思うかもしれないがケーブルは固く、しっかりとした作りなので(これは評価できるポイントだが)曲げて扱うのが難しく、横にだらっと伸びた形になる。カフェなどの極端に狭いテーブルで作業する際には扱いづらいかもしれない。
Fast SSDには、ストレージのパーティション作成やデータのバックアップが可能な「DiskWizard」、PCに保存されているデータを自動的にバックアップする「Toolkitサポート」、使用しているドライブの健全性をチェックできる「SeaTools」という3つのユーティリティーを使うことができる。このあたりは、Seagateユーザーならばおなじみのツールだ。
さらに、Adobeの「Creative Cloudフォトプラン」2カ月分も付属する。
続いて、ノートPCに接続してパフォーマンスをチェックした。
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