ここからは、Core i9-10900KとCore i5-10600Kのパフォーマンスをベンチマークテストを通して確認していく。今回のテスト環境は以下の通り。
(※2)Core i5-10600KではDDR-2666メモリとして稼働(CPUの仕様)
なお、マザーボードのUEFI(BIOS)は執筆時点での最新バージョン「0403」を適用している。
まず、MaxthonのCPUレンダリングテスト「CINEBENCH」でCPUの処理能力をチェックしよう。今回は、旧バージョンの「R15」と、より高負荷なテストとなった新バージョンの「R20」の両方でテストを実施した。
CINEBENCH R15のスコアは以下の通りとなった。
前世代の「Core i9-9900K」がマルチテストで2000cb、シングルテストで200cb前後のスコアだったことを思えば、Core i9-10900Kは順当にスコアを伸ばしたといえる。
Core i5-10600Kについても、前世代の上位モデルをしのぐ性能を見せている。ハイパースレッディングが有効となったこともあり、マルチテストはCore i5-9600Kを大きく上回る結果となった。
CINEBENCH R20の結果は以下の通りで、スコア自体の傾向はR15と大きく変わらない。
前世代と同じ14nmプロセスで製造されていることもあり、あくまでも論理コアの増加や動作クロックの上昇による、妥当な性能向上といえる。
CINEBENCH R20を3回連続で実行した場合のCPU温度の推移も計測してみた。今回用いた360mmラジエーター付きオールインワン水冷装置の場合、Core i9-10900Kは最高で80度程度、Core i5-10600Kは最高で65度程度まで上昇する。
どちらも冷やし切れてはいるものの、Core i9クラスともなると、温度がやや高めで気になる。第9世代から劇的に温度が上昇しているわけでもないが、繰り返しだが、上位モデルは水冷CPUクーラーでしっかりと冷却したいところだ。
続いて、ULの3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」を実行してみた。今回は、DirectX 12を利用する「Time Spy」シリーズと、DirectX 11を利用する「Fire Strike」シリーズをそれぞれ実行している。
まずTime Spyシリーズのテスト結果を見ていこう。結論からいってしまうと、CPUの差が有意にスコア差として現われている。
GPUのスコアである「Graphics Score」は、Core i9-10900KでもCore i5-10600Kでも有意な差がない。しかし、総合スコアではそれなりに差が出ている。総合スコアの差こそが、CPUの差なのだ。
DirectX 12のAPIは、CPUを有効活用できるように工夫されている。ゲームエンジンにもよるが、DirectX 12を使うゲームでは、CPUの性能差がフレームレートの差に直結することがあることは心に留めておきたい。
一方、Fire Strikeシリーズのテストの結果は以下の通りとなった。
フルHD(1920×1080ピクセル)描画で一番負荷の低い「Fire Strike」では、CPUによって総合スコアにわずかに差が出た。しかし、WQHD(2560×1440ピクセル)描画の「Fire Strike Extreme」や4K(3840×2160ピクセル)描画の「Fire Strike Ultra」では、Fire Strikeほどの差は出ていない。
DirectX 11のAPIでは、DirectX 12ほどCPUの性能差が出ることはあまりない。レガシーな設計のゲームをプレイする場合は、CPUのランク(性能)を少し上げ下げしたくらいでは有意なパフォーマンス差を見いだしにくい。
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