実力やいかに? 第10世代「Core i9-10900K」と「Core i5-10600K」の性能を検証する(2/3 ページ)

» 2020年06月03日 12時00分 公開
[松野将太ITmedia]

ベンチマークで実力をチェック!

 ここからは、Core i9-10900KとCore i5-10600Kのパフォーマンスをベンチマークテストを通して確認していく。今回のテスト環境は以下の通り。

  • CPUファン:360mmラジエーター付きオールインワン水冷ユニット
  • マザーボード:ASUS「ROG MAXIMUS XII EXTREME」(Intel Z490チップセット)
  • メインメモリ:DDR4-2933MHz 8GB×2(合計16GB、※2)
  • グラフィックス:ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING(GeForce RTX 2080 Ti/GDDR6 11GB)
  • ストレージ:500GB NVMe SSD
  • 電源:1250W(80 PLUS TITANIUM認証取得)
  • OS:Windows 10 Pro(64bit)

(※2)Core i5-10600KではDDR-2666メモリとして稼働(CPUの仕様)

 なお、マザーボードのUEFI(BIOS)は執筆時点での最新バージョン「0403」を適用している。

CINEBENCH R15/R20

 まず、MaxthonのCPUレンダリングテスト「CINEBENCH」でCPUの処理能力をチェックしよう。今回は、旧バージョンの「R15」と、より高負荷なテストとなった新バージョンの「R20」の両方でテストを実施した。

 CINEBENCH R15のスコアは以下の通りとなった。

  • Core i9-10900K:2630cb(マルチ)/225cb(シングル)
  • Core i5-10600K:1460cb(マルチ)/209cb(シングル)

 前世代の「Core i9-9900K」がマルチテストで2000cb、シングルテストで200cb前後のスコアだったことを思えば、Core i9-10900Kは順当にスコアを伸ばしたといえる。

 Core i5-10600Kについても、前世代の上位モデルをしのぐ性能を見せている。ハイパースレッディングが有効となったこともあり、マルチテストはCore i5-9600Kを大きく上回る結果となった。

CINEBENCH R15の結果 CINEBENCH R15の結果

 CINEBENCH R20の結果は以下の通りで、スコア自体の傾向はR15と大きく変わらない。

  • Core i9-10900K:6354ポイント(マルチ)/533ポイント(シングル)
  • Core i5-10600K:3609ポイント(マルチ)/499ポイント(シングル)

 前世代と同じ14nmプロセスで製造されていることもあり、あくまでも論理コアの増加や動作クロックの上昇による、妥当な性能向上といえる。

CINEBENCH R20の結果 CINEBENCH R20の結果

 CINEBENCH R20を3回連続で実行した場合のCPU温度の推移も計測してみた。今回用いた360mmラジエーター付きオールインワン水冷装置の場合、Core i9-10900Kは最高で80度程度、Core i5-10600Kは最高で65度程度まで上昇する。

 どちらも冷やし切れてはいるものの、Core i9クラスともなると、温度がやや高めで気になる。第9世代から劇的に温度が上昇しているわけでもないが、繰り返しだが、上位モデルは水冷CPUクーラーでしっかりと冷却したいところだ。

CPU温度 CINEBENCH R20を3回連続実行した際のCPU温度の推移

3DMark

 続いて、ULの3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」を実行してみた。今回は、DirectX 12を利用する「Time Spy」シリーズと、DirectX 11を利用する「Fire Strike」シリーズをそれぞれ実行している。

 まずTime Spyシリーズのテスト結果を見ていこう。結論からいってしまうと、CPUの差が有意にスコア差として現われている

  • Time Spy(Core i9):14122(総合)/14391(Graphics)
  • Time Spy(Core i5):12781(総合)/14403(Graphics)
  • Time Spy Extreme(Core i9):6731(総合)/6772(Graphics)
  • Time Spy Extreme(Core i5):6030(総合)/6797(Graphics)

 GPUのスコアである「Graphics Score」は、Core i9-10900KでもCore i5-10600Kでも有意な差がない。しかし、総合スコアではそれなりに差が出ている。総合スコアの差こそが、CPUの差なのだ。

 DirectX 12のAPIは、CPUを有効活用できるように工夫されている。ゲームエンジンにもよるが、DirectX 12を使うゲームでは、CPUの性能差がフレームレートの差に直結することがあることは心に留めておきたい。

Time Spyシリーズ 3DMark(Time Spyシリーズ)の計測結果

 一方、Fire Strikeシリーズのテストの結果は以下の通りとなった。

  • Fire Strike(Core i9):26980(総合)/34961(Graphics)
  • Fire Strike(Core i5):25619(総合)/34976(Graphics)
  • Fire Strike Extreme(Core i9):16198(総合)/16850(Graphics)
  • Fire Strike Extreme(Core i5):15866(総合)/16899(Graphics)
  • Fire Strike Ultra(Core i9):8548(総合)/8312(Graphics)
  • Fire Strike Ultra(Core i5):8405(総合)/8329(Graphics)

 フルHD(1920×1080ピクセル)描画で一番負荷の低い「Fire Strike」では、CPUによって総合スコアにわずかに差が出た。しかし、WQHD(2560×1440ピクセル)描画の「Fire Strike Extreme」や4K(3840×2160ピクセル)描画の「Fire Strike Ultra」では、Fire Strikeほどの差は出ていない。

 DirectX 11のAPIでは、DirectX 12ほどCPUの性能差が出ることはあまりない。レガシーな設計のゲームをプレイする場合は、CPUのランク(性能)を少し上げ下げしたくらいでは有意なパフォーマンス差を見いだしにくい

Fire Strikeシリーズ 3DMark(Fire Strikeシリーズ)の計測結果

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー