本製品の最大のポイントは、iPad Proが宙に浮く形で装着するギミックだろう。iPad Proをマグネットで吸着させる仕組みは従来のSmart Keyboard Folioと変わらないが、本製品はiPad Proの背面に吸着するパネルの下3分の1あたりで折れ曲がるようになっており、宙に浮いた状態で、角度を変更できるようになっている。
ただし、角度を変えられるといっても、ノートPCほど自由度は高くない。多くのノートPCならば、完全にフラットとまではいかなくても、それに近い角度まで画面を開けるケースが多いが、本製品は通常使う画面の角度が精一杯で、それ以上後ろに倒せない。理由は単純で、それ以上開くと、重量バランスの関係で背後に倒れてしまうからだ。
とはいえ、従来のSmart Keyboard Folioが2段階でしか角度を変えられなかったことを考えると十分な進歩であり、ぜいたくは言えないだろう。あくまでも、一般的なノートPCと比べるとあまり開けないというだけだ。
また倒れやすいといっても、パームレストに常時手を載せておく前提であれば特に問題はないので、膝の上に乗せてのキー入力にも向いている。従来のSmart Keyboard Folioはパームレストがなかったため、膝の上に乗せてタイプするにも手のひらで支えることができなかったが、本製品ではそのようなことはない。
従って、置き場所をデスク上に確保できなかった場合に膝の上で作業をするのにも向いているが、その場合は画面の角度を上向きにできないため、どうしても背を丸めて画面をのぞき込むような姿勢になりがちだ。極端な姿勢で使う場合は、ノートPCよりも自由度の低さを感じる場合もあるだろう。
アイソレーションキーボードのタッチ感のよさは、従来のSmart Keyboard Folioとは比較にならない。ただしストロークがしっかりしているぶん入力音は大きめだ。この音は構造に起因するので、ゆっくりタイプしてもあまり変わらないのがつらい。周囲に人がいる環境で気兼ねなく使うためにも、もう少し静かになるのが理想だろう。
また、使っているとキートップに手の脂がやや目立ってくる。マットでザラザラした質感だった従来のSmart Keyboard Folioではなかった問題点だ。手前にあるトラックパッドについても、手の脂がかなり目につくので、神経質な人は気になるかもしれない。
また、Smart Keyboard Folioのように、キーボードが不要な時に背面に折り返して両手で持つことはできない。不要な場合は、iPad Pro本体をキーボードから取り外す格好になる。マグネットで吸着しているだけなので、取り外し自体は容易なのだが、タイピング以外のスタイルで使うには向いていないことは知っておこう。
続いて、ライブ変換を見ていこう。
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