iPad Pro用「Magic Keyboard」のよいところ気になるところじっくり使って分かった(3/4 ページ)

» 2020年06月22日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

ライブ変換の実用性は?

 ここからはソフトウェア側に目を移し、テキスト入力ツールとしての実力を見ていこう。iPadOS 13.4では、本製品を始めとするハードウェアキーボードを接続することにより、ライブ変換なる機能が利用できる。

 ライブ変換とは、文節ごとにスペースキーを押して漢字変換を行うことなく、自動的に漢字変換が行われる方式だ。感覚的には音声入力に近く、変換精度もそこそこ高いが、筆者のようにこれまで何十年もスペースキーを使った文節単位の変換に慣れていると、気持ち悪さも感じる。

Magic Keyboard ライブ変換はデフォルトで有効になっている。ちなみに、ハードウェアキーボードを接続している場合のみ利用できる
Magic Keyboard スペースキーを押さなくとも漢字に変換されていく。確定前であれば、変換候補の中から選ぶことも可能だ

 こうしたソフトウェアは、ユーザーの慣れに評価が左右されがちで、客観的な評価が難しい。そこで仮に、これが世界で初めて登場していた日本語の漢字変換システムで、逆に既存のIMEが後から遅れて登場していた場合、どのように評価されていただろうか? と考えてみる。するとおのずから答えは出てくる。

 仮に現実がそうだった場合、このライブ変換こそが主流になり、遅れて登場した文節単位での変換は、毎回スペースキーを押して変換候補を選択しなければならない、不便極まりないIMEとして酷評されていただろう。このライブ変換だが、いまいち使いづらいという声は多いが、それは慣れの問題であり、優劣だけで言えば圧倒的に上というのが、筆者の見解だ。

 ただし筆者の場合、実はこのライブ変換はしばらく使って試した結果、現在はオフにしている。というのもテキストの新規入力ならともかく、既に存在するテキストを部分的に修正する用途では、ライブ変換は慣れうんぬんを差し引いても、使いやすいとはお世辞にも言えないからだ。

 例えば上の段落にある「存在する」という言葉を「存在している」に修正する場合、「す」を削除して「してい」に書き換えることになるが、ライブ変換では「してい」と入力した瞬間、すかさず「指定」に変換されてしまう。これでは使い物にならない。

 筆者はiPadにキーボードを組み合わせたテキスト入力は、修正用途で使う割合が多いので、やむを得ずオフにせざるを得なかったが、もしライブ変換のオン/オフをもう少し簡単に切り替えられるようなショートカットがあれば、ライブ変換はデフォルトでオンにして使ってもよいと感じる。今後の進化を期待したいところだ。

Magic Keyboard 言葉の一部分のみを修正しようとすると、そこだけが独立した言葉として扱われ、自動的に漢字に変換されてしまう。どちらかというとテキスト全体を新規に作成する用途に適している

 気をつけたいのが、本製品にはキーボード上段にMacBookシリーズでいうところのTouch Barに相当する列がないことだ。本製品のキーボードはMacBookのそれと同じ配列で、キーピッチも含めて同じ感覚で使える(ただし11インチ版は気になるところがある。詳しくは後述)が、Touch Barがないため、完全に同じ操作ができるわけではない。

 Touch Bar列がない最大の問題はEscキーがないことだが、これについては2通りの回避策がある。1つは「cmd」+「.」というショートカットを使うことだ。これにより、Escを入力したものとして扱われる。前述のライブ変換で、意図しない変換が行われた時にこのショートカットを使えば、速やかに確定前のひらがなに戻せる。

 もう1つ、任意のキーにEscを割り当てることもできる。コントロールパネルの「一般」→「キーボード」→「ハードウェアキーボード」で、あまり使っていない地球儀キーなどに「Esc」を割り当てるとよい。2つのキーを組み合わせたショートカットよりは直感的に操作できるので、優先的に試してほしい。

Magic Keyboard 「修飾キー」の中に、任意のキーを割り当てられるオプションがある
Magic Keyboard 筆者は地球儀キーにEscキーを割り当てて使っている。なかなか快適だ

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