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キングジム「フリーノ」は果たして買いか?(前編)6.8型のE Inkデジタルノート(1/3 ページ)

» 2020年08月11日 10時30分 公開
[山口真弘ITmedia]

 最近、E Ink電子ペーパーを採用したデジタルノートが増えている。大画面が特徴となるソニーのデジタルペーパーおよび富士通の「QUADERNO」(クアデルノ)の他、シャープの電子ノートも最新モデルでは液晶に代えてE Ink電子ペーパーを採用し、目に優しい仕様を実現している。

 今回紹介するキングジムの「フリーノ」もそんなE Ink採用デジタルノートの1つで、6.8型というコンパクトな画面サイズが特徴だ。クラウドファンディングで成功を収め、7月末からは一般販売も開始された本製品について、メーカーから借用した機材を用い、前後編に分けてその特徴を見ていく。

フリーノ キングジム「フリーノ」。Amazonでの実売価格は税込み4万2000円前後だ。デジタルペンは標準で添付されている

6.8型と手頃な画面サイズだが「薄型軽量」ではない

 まずは外観と基本スペックを見ていこう。

 画面サイズは6.8型で、電子書籍ストアが販売するE Ink端末に多い6型より一回り大きく、また厚みもそこそこある。実測では8.8mmだったが、iPad miniが6.1mmであることを考えると薄型というわけではない。

 画面解像度は1440×1080ピクセル(265dpi)と高い。手書きノートとしての利用が主なので、もっと低解像度でも差し支えないはずだが、これならばドキュメントの表示も十分だ。とはいえ、本製品添付の取扱説明書のように、A4サイズを前提として小文字でびっしり書き連ねられたPDFは、解像度以前に文字が小さすぎて読みづらいので要注意だ。

フリーノ 画面サイズは6.8型で、アスペクト比は4:3。ベゼルと画面の間には段差がある
フリーノ 同じくE Inkを用いた6型のKindle(右)との比較。かなり大柄だ
フリーノ 7.9型のiPad mini(右)との比較。こうして並べるとベゼルの厚みが目立つ
フリーノ 厚みの比較。左がいずれも本製品、上段右がKindle、下段右がiPad miniだ。決して薄型というわけではない。ちなみにホームページのスペックには10mmとあるが、実測は8.8mmだった

 正面にはホームボタンや指紋認証センサーの類はなく、本体上面に電源ボタンとフロントライトのオン/オフボタン、本体底面にUSB Type-CポートとmicroSDカードスロットを備える。背面は滑り止め加工されており、手になじみやすくなっている。

 タッチパネルは電子誘導方式と静電容量方式のハイブリッドで、付属のデジタルペンでの手書きの他、指先での操作にも対応する。デジタルペンは本体に収納できるわけではなく、オプションの専用カバー(税込みの実売価格は3000円前後)に取り付けて持ち歩く。スタンドとしても使える専用カバーは、本製品の購入にあたっては事実上の必須オプションとなるだろう。

フリーノ 本体上面に電源ボタンとフロントライトのオン/オフボタンを備える
フリーノ 本体底面にUSB Type-CポートとmicroSDカードスロットを備える
フリーノ 背面はシンプルなデザインで、中央は上下/左右に比べやや盛り上がっている
フリーノ デジタルペン。充電不要で使える。上部に消しゴム機能を搭載する
フリーノ オプションの専用カバー。芯材には紙も使われており軽量だ
フリーノ 本体は粘着ジェルで取り付ける方式だ。ペンの収納にも対応する
フリーノ 本体を立てて使うこともできる。カレンダーモードでの利用を想定しているようだ

 気になるのは重量で、実測224gとやや重い。6型のE Ink端末は最近170g台の製品が増えており、それに比べると明らかにずっしりとしている。7.9型のiPad miniが約300gなので、このサイズで240gを「軽量」と表現するのはやや抵抗がある。

フリーノ 本体+デジタルペンで実測値は224gだった。メーカーサイトの公称値(240g)とは少々開きがある
フリーノ 本体+デジタルペン+専用ケースでの実測値は336gだった。ケースは高級感こそないが、軽さを優先しているのは好印象だ

 それでは、早速実機を試してみよう。

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