プロナビ

キングジム「フリーノ」は果たして買いか?(前編)6.8型のE Inkデジタルノート(2/3 ページ)

» 2020年08月11日 10時30分 公開
[山口真弘ITmedia]

E Ink端末とは思えないレスポンスの速さ

 画面上部にはタスクバーがあり、時刻を挟んで左右にアイコンが並ぶ。左側にはホーム、バックグラウンドタスクの表示、E Inkのリフレッシュ、microSDカードのステータス表示といった機能が、右側にはWi-Fiのステータスやフロントライトの調整、設定画面へのリンク、バッテリー残量のアイコンが表示される。

 このうち、利用頻度が高いのはフロントライトだろう。E Ink読書端末には搭載例の多い、時間帯ごとに色温度を変更するスケジュール機能こそ持たないが、コントラストとシャープの調整が行えるなど多機能だ。ちなみにLEDは15個(白8+黄7)搭載されているようで、各社E Ink読書端末の上位機種並みに多い。

フリーノ 画面の最上段にタスクバーがある。ベゼルの段差のせいでやや押しづらいが、機能および操作方法ともに一般的だ
フリーノ 動作が重くなったらタスクを終了させるとよい。なおmicroSDを終了させると、メディアがアンマウントされるので要注意だ
フリーノ バッテリーはデフォルトでは電池マークだが、パーセンテージ表示に切り替えた方が残量を把握しやすいだろう
フリーノ フロントライトは色温度の変更に対応する

 本製品で特筆すべきなのは、E Ink端末としては動作速度が恐ろしく速いことだ。一般的に、E Ink端末の動作速度は「タップしてから反応するまでのレスポンス」と「画面の書き換えに要する速度」の2つに分けられるが、本製品はどちらも高速で、操作をしていてもストレスがたまらない。

 ちなみにストレージ容量は32GBで、今回の評価機は4.04GBが使用済みの状態だった。microSDカードが使えるので、足りなければそちらを活用する形になるだろう。

フリーノ 設定画面はAndroid 8.1の構成ほぼそのままだ。メモリは2GBと、Androidとして見ると少ないが、機能を絞り込んだデバイスとしては十分だろう

手書きノートに加えドキュメントビューアとしても利用可能

 続いて基本機能の構成について見ていこう。ホーム画面は、上部に「Notes」「Documents」「Calender」「Tools」という4つの大きなアイコンが並び、それらをタップすると画面中段以下にそれらの内容が表示される。

フリーノ 「Notes」「Documents」「Calender」「Tools」を選んで操作する。せっかくの国産デバイスなのに、表記が英語なのは解せない(以下本記事ではカタカナで表記)

 「ノート」はその名の通り、手書きのノートを取るための画面で、付属のデジタルペンを使うことが前提だ。けい線や方眼などのフォーマットは用意されたものから選べるだけでなく、自前での追加にも対応する。ソフトウェアキーボードからのテキスト入力も可能だが実用的ではなく、基本的に手書き専用と考えた方がいいだろう。

フリーノ 「ノート」は、作成済みのノートを開くか、左上のアイコンをタップして新しいノートを開く。画面右ではmicroSDカードなどからのインポートも行える
フリーノ ペンの濃度、太さなどは自由に設定できる。図形の挿入にも対応する
フリーノ ペンは4096段階の筆圧検知に対応するが、かなり癖がありコントロールしづらい印象だ
フリーノ 保存先にはDropboxも指定できる

 「ドキュメント」はPDFビューアに相当する機能だが、初期状態でインストールされておらず、取扱説明書のPDFを開こうとタップすると、アプリ「PDF Reader」をインストールするか尋ねられる。ライセンスの関係かもしれないが、他の選択肢があるわけでもなく、ユーザーに手間を掛けさせるのはやや疑問だ。ビューアとしての使い勝手は、次回詳しく検証する。

フリーノ 「ドキュメント」は一覧が表示される。左上の「すべて」の部分をタップし、microSDカードに保存されているPDFを呼び出すことも可能だ
フリーノ PDFを表示したところ。ペンでの描画に加え、ハイライト表示、取り消し線、下線など注釈機能も使える。全画面表示も対応する

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー