Microsoft 365周辺を彩る謎のキーワード「MetaOS」と「Taos」Windowsフロントライン(2/2 ページ)

» 2020年08月25日 11時00分 公開
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Office 365 Substrate

 同件について、分かっている範囲の話題をまとめているのがZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏だ。同氏によれば、現在Microsoftが「Microsoft 365(Office 365)」の名称で提供している「Productivity Cloud」において、その根幹にあるレイヤーを「Substrate」と呼んでいるが、その実体は同社の顧客データプラットフォームだという(もともとはExchangeにおけるデータ保存アーキテクチャの一部だったという)。

 Microsoftでは、このSubstrateとSharePoint、Azure、そして機械学習などAI機構を組み合わせたインフラ上に巨大な分散型プラットフォームを構築しようとしており、「MeTAOS」というのもまた、WindowsやLinuxのようないわゆる「OS」ではなく、こうしたプラットフォームの根幹となるレイヤーにおいてユーザーデータ同士を結びつける「基板(Substrate)」となるものの名称ではないかという推測だ。

 実のところ、「MetaOS=Taos」というキーワードはMicrosoftのサイト内に既に存在している。Twitterへの投稿でテロ・アルホネン(Tero Alhonen)氏は、Microsoftの求人募集ページの中に「Come join the Taos team」という文言があることを指摘している。同様に、別のSharePoint関連のエンジニアリングマネージャ募集ページには、「MeTA」というキーワードが含まれている(ジョー・フォリー氏の「MeTAOS」という書き方はこれにならったものとみられる)。

 以上を踏まえ、「MetaOS=Taos」と呼ばれる概念は「Office 365 Substrate」の延長線上にあるのではないかとジョー・フォリー氏は考えているとみられる。

MetaOS=Taos Microsoftの関連資料で触れられている「Office 365 Substrate」の例(出典:Microsoft)

 「Office 365 Substrate」というキーワードは、過去数年ほどのMicrosoftの資料では何度か登場しているが、「その概要がほとんど理解されていない」ということで、Microsoft関連書籍の著者で知られるトニー・レドモンド氏がPetriにまとめたものが「Exploring the Office 365 Substrate」という記事だ。

MetaOS=Taos トニー・レドモンド氏がまとめたPetriの記事より

 SharePointなどで提供される、単純なファイルシステムに相似したストレージというよりは、メールからチャット、各種形式のデータまでを幅広くカバーし、それがMicrosoftのインフラ内で提供される各種サービスやアプリケーションを、Microsoft Graphなどを通じて結びついたものとなる。

 アプリケーションごとに異なるレポジトリを持つというよりは、“メタデータ”として単一のレポジトリとしてさまざまなアプリケーションやサービスから利用可能な仕組みを採用している(データはクラウド上で多重化されて安全に管理される)。この仕組みの恩恵を最も受けるのが「検索」サービスであり、アプリケーションを横断したデータ活用を可能にする。

 このアーキテクチャの根幹になっているのが、先ほどジョー・フォリー氏も触れていたExchange Onlineのデータエンジン(ESE)で、メタデータならびにその実体となるデータ管理や多重化を実現している。これが現状でMicrosoft 365が動作する“基板”であり、レドモンド氏の記事中でも触れられているFluid Frameworkで動作するアプリケーションなど、将来的な展開への布石ともなっている。

 実際、これらが全てつながっている可能性は、前述のアルホネン氏がMicrosoftのキーワードによるサイト誘導機能で「metaos」を入力してみたところ(「aka.ms/metaos」と入力する)、「https://microsoft.sharepoint-df.com/teams/fluid」へのURLリダイレクトが発生することからも推察される。

 少なくとも「SharePoint」「Teams」「Fluid」という3つのキーワードが並んだことで、将来的にMicrosoftが前述の「Substrate」を“基板”とした何らかの計画を進めていると考えていいだろう。

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