Facebookが満を持して投入したスタンドアローン型のVRデバイス「Oculus Quest 2」だが、前回お届けした記事では従来モデルとの比較やセットアップなどを行った。今回は、実際の使用感をレポートする。
結論から言えば、「普通に素晴らしい。後は使いたいアプリがあるかどうか」という話だ。
→・Facebookの“本気度”を感じた完成度の高い一体型VRゴーグル「Oculus Quest 2」を試す
Oculusは「VR元年」前の2013年から開発者キット(Development Kit 1、DK1)を販売し、開発者とともにVRのハード、ソフト、サービス、そしてユーザー体験がどうあるべきか試行錯誤してノウハウを積み上げてきた。今では抜けてしまったOculusの初期メンバーが多いとはいえ、そういった知的資産が着実に生きている印象だ。
まずはOculus Quest 2の基本的な操作だが、スタンドアローンの一体型VRゴーグルというと、単体での動作が前提となっていて、例えばPCにおけるキーボードやマウス、スマートフォンにおけるタッチパネルといった、慣れた入力機器を使えない点が心配かもしれない。しかし、その辺は説明書を読まなくてもすぐに直感的に操作できる。
ユーザーがまず覚えるのは、左右の手から出るレーザーポインターでメニューやボタンを指し、人差し指のトリガーを引いて決定するという操作だ。ポインターをボタンに合わせるとクリック音が鳴り、コントローラーが震えるフィードバックがあるので、「何か反応がありそう」ということが分かる。
なお、アプリによっては視点でボタンを選んで注視で決定したり、誤入力を防ぐためにトリガーの長押しで選んだりというケースもある。
メニューをスクロールしたければ、アナログスティックを親指で動かせばいい。人差し指のトリガーを引いたまま上下に動かすという、ドラッグ&ドロップ的な操作でもスクロールを指示できる。
文字入力では、キーボードがVR空間に表示されるので、ポインターをキーに合わせてポチポチ押していく。Questは2020年7月のアップデートでようやく日本語入力に対応したので、Webページやフレンドなどを検索しやすくなった。
ただ、やはりバーチャルのキーボードにポインターを当てて使うというのは、少し神経を使う作業だ。特にストアの「Oculus Store」でアプリを探す際には繰り返しキーボードを使うことになる。
若干面倒に思えるものの、その辺はきちんと考えられていて、文字を打つたびにサジェストが表示される。また、アプリに関しては初期設定時にペアリングしたスマートフォンのOculusアプリで検索して、インストールまで指示できるようになっている。クレジットカードもスマホ側で設定可能だ。
アプリを使っている最中、ホーム空間や別のアプリに切り替えたいときは、右のコントローラーにあるOculusボタンを親指で押せば、ユニバーサルメニューが開いて指示できる。いわばスマートフォンのホームボタンのような存在だ。さらにこのOculusボタンは長押しすることで、今見ているところを視界の中心としてリセットするのにも使う。
スクリーンショットには映っていないが、両手のコントローラーはきちんとトラッキングされており、リアルで動かすと同じ分だけバーチャル空間でも移動する。ユーザーの手を離れてもきちんと表示されているので、いったんコントローラーをテーブルに置いて、再度拾うというのもヘッドセットをつけたまま実行可能だ。
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